回想
朝食を取りながら、ユークが今日の予定を話し始める。
「久しぶりだから、今日は何か依頼を探そうと思う。」
ギルドでの騒動の翌日に、リオの装備は整えた。
だが、噂が広まり、街中でも注目度が激増したため出歩けずにいた。
丁度良いと思い、中途半端だった屋敷の掃除をして、4日が過ぎていた。
「宜しいかと思います。」
「ご主人様との、初依頼でしゅ」
どうやらリオは興奮すると噛む癖があるみたいだ。
リオもミーシャ同様に、良く家の事はしてくれている。
料理に洗濯、掃除とミーシャに色々聞きながらだが頑張っている。
「良い依頼が無ければ、ダンジョンで、リオとミーシャのランク上げするから」
「私達はお供ですね。」
ユークは、ミーシャとリオに、戦力は求めていない。
戦闘奴隷として購入しておいて、どうなの?と思われるが、戦闘の息抜きに、話し相手が欲しかっただけなのだ。
「リオには、少し戦ってもらうよ」
「が、頑張りまふゅ」
「そんなに緊張しなくていいからね、どれ位戦えるか見たいだけだから」
「ひゃい」
この世界のランクアップは、少し想像と違うかもしれない。
戦うことで、戦闘に慣れたりしながらLvアップするのが普通だと思う。
この世界は、覚醒さえ出来れば、身体能力が飛躍的に上がり、動体視力や体のキレなども、劇的に変化してしまうのだ。
確かに近衛団長の様に、常日頃から訓練をしている人達や、努力でランクアップした人達は、確かに強い。
だが、訓練しまくってランクCになった人と、苦労もせずにランクCになった人だと、訓練した人の方が強いと言う程度しか違いはなかった。
ランクが、1つでも違うと全く歯が立たないのだ。
近衛団長のユージンがランクCで、ユークはBなので、当然勝つことなど不可能なのだ。
あの時のユージンも、勝つつもりは初めからなかった。
ただユークの早さ、自身のランクとの力の差を、見知りしたかっただけなのだ。
だからユークは、ミーシャにも戦わせずに自身が戦い、短時間でのランク上げをしたのだ。
ミーシャの誘拐未遂事件の時に、ミーシャが適わなかったのは、武器の有る無しと人数の差で、ならず者達の力が上だからではなかった。
ただ、ならず者の一人が、ミーシャと同じランクだったから、逃げられ無かったのかもとユージンからは聞いた。
リオの装備は、魔法力を上げるロッドにティアラ(ミーシャがしていた物)硬革のマント、竜革の篭手、硬革の靴で、ミーシャは、竜革のセットで、統一した。
ユークの装備は竜革のセットに、エストックだ。
戸締りを確認して、(結構面倒)冒険者ギルドに向かった。
ギルドにレミーの姿はなかった。
依頼書を確認に行ったが、目ぼしい依頼は無かった。
Bランクの依頼自体が、元々少ないのには理由がある。
そもそも少ないBランクで、報酬も当然高い。
少ないと言っても100人は居るので、依頼の取り合いも有るし、Bランクとも成れば、名前を売ってる冒険者が大半で、指名依頼が多くなるので、ギルドに張り出されるのは、ほんの僅かになる。
ユークも多少は名前が売れているが、冒険者でと言うよりも美人を連れてると言う、関係のない方面で有名なのだ。
そもそも、ユークの見た目で若いと解るので、まさかユークがすでにBランクだと知る者は、極僅かしか存在しないのだ。
しばらくCやDランクの依頼も見てみたが、結局良さそうな(この場合は討伐範囲が近いのと移動距離が少ない)依頼は見つからなっかた。
30分程ギルドに滞在したのだが、結局レミーは姿を見せなかった。
(休みなのかな?)
単純にそう考えて、ダンジョンに行くことにした。
今日行くダンジョンは、4番ダンジョンで、セルラト平原の中で2番目に大きいダンジョンだ。
冒険者もかなり多いのだが、出る魔物も多く階層も深い。
最下層近くに成ると、オーガ(オークの親玉みたいな奴)も出て非常に難易度が高い。
その分、ランクアップも早くなるのだ。
1階層で、リオの戦闘を見て、どこまでランクアップさせれば良いか判断する為と、リオがまだ出来無い念話を習得する為に、急ぎランクアップさせるのが狙いだ。
ギルド近くの小路から、ワープで4番ダンジョンの1階層に出る。
ワープの事は、リオにも話してあるので今更驚かない。 『神がかり』はまだ秘密だ。
「人が多くて、魔物が居ないから4階層辺りに移動するよ」
「「はい」」
もう一度ワープして、4階層に移動した。
こちらも人は多いのだが、出る魔物も強いので、時間が掛かるらしく、魔物の反応があった。
少し移動して、後少しで魔物とご対面と言う場所まで来た。
「直ぐそこに魔物が居るから気を引き締めてね」
「「はい」」
「3匹居るけど、リオは、1匹に集中、ミーシャは、リオの補佐ね」
「解りました」
「ひゃい」
(もう慣れた)
「リオは、僕が2匹片付けてから、魔法で攻撃して」
そう言いエストックを抜いた。
そこに居たのは、ワイルドウッドと言う木のお化けみたいな魔物と、キラービーと言うハニービーがより凶暴化した魔物だ。
ワイルドウッドは、腕替わりの枝をムチの様に振って攻撃したり、枝を飛ばして来る。
キラービーは、ハニービーより一廻り大きくて、噛み付きと針での攻撃がメインだが飛ぶスピードがハニービーより遥かに早い。
「ワイルドウッド1体をリオに任せる。」
そう言い残しキラービーに、突進する。
突如目の前からユークが消える。
「・・・」
リオは言葉が出ない。
ミーシャは、慣れているので、リオを落ち着かせ説明する。
「ご主人様なら、これ位は当然できるわ、それより見てないと、あなたの攻撃が遅れるわよ」
「ひゃい」
キラービーの正面に姿を見せたユークは、キラービー2匹をエストックで、まさに蜂の巣状態にして、すぐさま戻ってきた。
移動距離10mで時間は数秒と言う瞬殺劇だった。
「リオ、落ち着いて倒せばいいから」
戻ってきたユークに励まされる。
「はい」
ワイルドウッドはユークが居たであろ場所に腕を振っていたのだが、そこにユークの姿は既に無かった。
リオは、フリーズの魔法をワイルドウッドにぶつけた。
リオは、ウォーター・アース・フリーズ・ウインドの4系統の魔法が使える。
ウッドだけに、水、土、風は避けたようだ。
ワイルドウッドは、火が弱点だが、外皮のおかげで防御力は高いが体力は少ない。
少しづつ下がりながら距離を取りつつフリーズをかけていく。
しかしEランクのリオの魔力では、ワイルドウッドに、ほんの少ししかダメージを与えられなかった。
リオの魔力の枯渇が先に来てしまった。
「ご主人様すみません、魔力が無くなってしまいました」
力無く告げるリオだが、魔物の選抜をしたユークのミスである。
「気にしないで」
告げながら、向かってくるワイルドウッドにファイアをかけた。
一撃で倒れる。
「今のは、僕の選択ミスだし、リオの戦い方も見れたから大丈夫」
リオは、敵との距離を測りつつ戦うスタイルをユークに見せた。
それがリオのスタイルだと解っただけで、ユークには十分だった。
「リオは後衛、ミーシャは、前衛 どちらにしてもランクアップが最優先だから、少し魔力が回復したら一気に最下層で、オーガを倒すからね」
「はい」
「オーガですか」
オーガと聞いても、全く気にしないミーシャと、ワイルドウッドすら倒せなかったリオでは、反応が違うのも当然かも知れない。
「これから先はリオも戦わなくていいから」
「それなら」
「僕が戦ってる時に、不測の事態が起きないとも限らないから、此処で魔力を回復して貰ってる」
探索スキルが有るので、滅多にないが、たまに待機中に地面から煙が吹き出し、リポップする時が何度かあった。
ユークは、こうやって魔物って生まれるんだとその時は思っていたが、これはダンジョンと言う特殊な環境のみの事だと後から知った。
地上の魔物は、魔素に触れ続けることで魔物化する。
実態の無い状態からのリポップはダンジョンだけの現象であった。
ミーシャはリオに、ユーク力の凄さや魔法の凄さを説明していた。
この後、拝見するであろう無双っぷりも前もって説明している。
ガールズトークINダンジョン
「先程も凄かったですけど、そんな事が出来るのですか?」
話しは、マリルスネークに飛び込んだ時の事を言っているのだ。
「私も最初はご主人様が死んじゃうと思って、叫んでしまけど、平気な顔して、帰って来られたの」
「普通なら死んじゃってますよね」
「そうね、その後も何度かご主人様の凄さは拝見したから、今は安心していられるの」
「ミーシャさんは見た時、怖くなっかったのですか?」
「ご主人様が敵なら死を覚悟するでしょうけど、味方なら何処までも頼もしいお方よ」
「確かにそうですけど・・・」
「あら、リオはご主人様が怖いの?」
「そう言う訳では無いですけど」
「リオが来てから、ご主人様が怒ったの見たことある?」
「無いですけど」
「私も1度しかないわ」
「見たことあるんですか」
「ええ一度、私が買い物に出かけた時に人攫いにあいそうに成った事が有ったの、その時にご主人様は、人攫い達に怒ってらしたわ」
「そ、それで、どうなったのですか?」
「私を捕まえてた人の腕は切り落として、逃げようとした人は殴られて6m位吹き飛んでたわね」
「凄いですね」
「でも、私に『遅れてごめん』って、優しく抱きしめてくれたわ」
「そんな事があったんですね」
「そうよ、ご主人様は、私やリオの事を第一に考えて下さってるの、怖がったりしたら失礼だわ」
「そうですね」
「さっきも、リオが倒せなかったからって、怒らなかったでしょ」
「僕のせいだと、ご自分を責めてました。」
「そう言う事よ」
1時間程、休憩したので、そろそろとユークが告げ、ガールズトークは終了となった。
ワープで最下層に移動して、オーガを探す。
オーガは、ダンジョンだと全くお金にならない。
何もドロップし無いからだ。
依頼ならば、討伐難易度が高いので、かなりの報酬になるのだ。
しかしダンジョンだと森等に出るオーガと違い数が居る。
依頼で狩るとしても精々1、2匹だがダンジョンだと制限がない。
ドロップは無いが高い経験値を得られるのも魅力の一つだ。
今回の様に、お金も要らないし経験値だけが欲しい時は、重宝するのだ。
パーティーで経験値が割られると言っても、EランクのリオがDランクに成るのに、4匹も狩れば足りると思われる。
この最下層に来ている冒険者は居ない。
心置きなく戦えるので、安心だ。
ものの5分で1匹目に遭遇する、ファイア1発では流石に倒れなかった。
2発目のファイアで、見事に倒した。
オーガをたった2発の魔法で倒して、リオは固まっていたがミーシャに色々と言われ、凄い凄いとしか言わなかった。
その後も4匹立て続けに倒して、リオの腕輪を確認すると赤に成っていた。
もう十分だと思ったのだが、ミーシャの事も考えもう4匹倒した。
ミーシャの腕輪も赤に成っていたが、ユークの腕輪は白のままだった。
屋敷にワープしてからギルドに向かい、2人の覚醒をして貰った。
2人共、白で、安心した。
ギルドには、やっぱりレミーの姿はなかった。
買い物をしてから屋敷に戻り、夕食まで、掃除や装備の手入れをして過ごす。
リオが奴隷を買った理由を聞いて来たので、孤独感からと説明した。
戦闘奴隷の理由も自身を守れる方が、ユークが駆けつけるまで時間が稼げるからと理由をつけた。
リオは覚醒で、ストーム系と、念話、ダンジョンウォークを獲得していた。
ミーシャは、能力値の上昇だけだった。
念話も3人同時に会話が出来る事が確認できた。
夕食も済ませて、風呂に入り、ゆっくり休んだ。
ガールズトーク2 IN ベッド 念話バージョン
(お休みに成られましたよね)
(そうね、今日はダンジョンに行ったからお疲れなのね)
(依頼や、ダンジョンへ行った日は、お情けは頂けないのでしょうか?)
(そうとも言えないけど、確かに多いわね)
(ご主人様は、体力が少ないのでしょうか)
(そんな事は無いと思うわよ、以前も1日中ダンジョンに篭って、帰って来てから5回も抱いて頂いたわ)
(そうですよね、あれだけ戦えるのですから、体力も凄いはずですよね)
(だと思うわよ)
(では、どうして、はやくお休みに成られるのでしょう)
(多分だけど、私達の為だと思うわよ)
(私達ですか?)
(えぇ、私達が疲れてるはずだからと御思いなのよ)
(でも、歩いてるだけで、戦ってませんし)
(それでも私達を気遣って下さってるのよ)
(ミーシャさんは、解りませんが、私は戦いの後は何だか興奮してたせいか、無性に欲しく成ったりするんですよね)
(私もそう言う感じになるわよ、でもご主人様のお優しさに甘えるのもいいと思うの)
(そうですね)
(もし我慢出来無く成ったら、ご主人様にお願いしてみれば?)
(お願いなんて出来ませんよ)
(あら、私ならするわよ)
(お願いですか?)
(そうよ、前にも求めて答えていただいたわ、だって、ご主人様の事を愛しているのですもの、抱いて欲しくなるのも当たり前だわ)
(私も愛してますよ、勿論)
(解っていますよ、お互いご主人様の為にがんばりましょ)
(はい)
(そろそろ、休みましょうか)
(ですね)
((お休みなさい))
こうして夜は、更けていった。
句読点の問題はやっぱり無くなりませんね;;
構成してくれる方が居れば・・・・・愚痴って見ても直らないので、見直します。多分直らないでしょうが・・・・><
誤字や脱字、変換ミス句読点とダメダメですが;;
細かく指摘いただければ直していきますので、心優しい方の構成をお願いします。
結構必死で見直してるのですが、本当に気づいてません^^;
御蔭様で、40万アクセス頂きました。
こんなアホな作者を見捨てもせずに、応援して下さってるものと感謝してます。
本人は、かなり打たれ弱いので、感想はお手柔らかにお願いします。




