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神様の棄児  作者: ryo-KK
1章 捨て子
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嵐の後に

セルト王国領 ブラハ村 サカスの森  入り口に森番の家がある。


そこに住む森番の夫婦が赤子を見つける事から物語りは始まる。


この家に住む住人は男の名はセイと言い、ちょっと頼りなさそうな黒髪黒目の男であった。


女の名はアルバ すらりとした長躯に長い栗毛蒼目の人族の夫婦である。


この夫婦、はっきり言ってアルバが強い、性格ではなく実力がである。


世界に100人しかいないBクラスの冒険者であったアルバと、その弟子のセイ。


どちらも元冒険者とはいえ、セイはDクラス止まりだった。(実際Dクラスでもそうとうなんだが・・・)


現在50台中頃を越えた2人には、現在13歳になる息子が居る。


名をユークと言い、透き通るような金髪にグリーンの目を持ち、母親譲りのすらりとした体躯で150cm有る。年より少し恵まれた身長だ。 顔も人族と言うのにエルフ族にも劣らぬイケメンであった。


幼少の頃よりサカスの森が遊び場で、母親から冒険者のイロハを叩き込まれた言わば天才であるが、本人は至って控えめなお大人しい普通の男の子であった。


この世界は15歳で成人で親元を離れ独り立ちをするのが常であり、ユークも成人に向け生活の一切を勉強中である。


家事は父から、戦闘や魔法は母からと、些か反対の気もするが・・・。



時は流れて成人まで後一年と成った14歳の春。母と父に話が有ると呼ばれたリビングの定位置に座ると。母が厳かに語り始めた。


「ユークは私たちの本当の子供じゃないの」と・・・。


いきなりの発言に「えっ」と言う一言で固まるユーク。そらそうである いきなりのカミングアウトに真っ白であった。


その後理由も聞いた気もするがまったっく覚えてなかった。


衝撃告白から数日が過ぎ頭も程よく廻り始めた頃、もう一度母に尋ねてみたが聞き間違いではなく事実だったのだ。



母の話を要約すると、約14年前に50年振りの大嵐があったそうで、その嵐が去った後サカスの森で赤子の泣き声が聞こえたらしい。

そして母が駆けつけた所、倒れた木々の枝や落ち葉をベッドに僕が寝てたらしい。

そしてすったもんだとあった後子供の居なかった両親が引き取って育ててくれたとの事。

どうしてそんな処に居たのかとかは、未だ判明しておらず当時から本当の両親の捜索依頼も続けて出しているらしいが、全くのなしの礫だそうだ。


全部理解出来たかと言うとちょっと無理があるのだが、「いままで隠しててごめん」と、誤る両親に感謝こそすれ誤られるのは違うなと思いながら母の顔を覗き込んだ。


透き通る蒼い瞳から真珠のような珠の粒を零し、小さく肩を揺らしていた母に「今までありがとうお母さん」と声を掛けるのがやっとだった。


黙って見ていた父にも深い感謝の言葉を告げた。


「僕の両親は2人しかいないこれからもお母さん、お父さんって呼んで言い?」って尋ねる事しか出来なかった。


その時母と父に「あたりまえでしょ」と力いっぱい抱きしめられた時、母の常人離れした力のせいで軽く骨折したりもした。(父がだけど・・・)

その後母がハイヒールで骨折治療してたのは、我が家の語り草になるのは、言うまでも無い・・・。


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