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神様の棄児  作者: ryo-KK
2章 仲間
18/88

レミーVSミーシャ

「ご主人様、  ご主人様」


「・・・・」


「ご主人様、起きて下さい」


「・・・」

  

<ちゅっ>


柔らかな感触が、唇に触れる。


「・・」


「ご主人様、起きて下さい」


耳に聞こえて来たのは、囁く様な声


「う~~~ん」


微かに残る柔らかな感覚


(夢?)


現実と虚構の微睡みの中で感じたであろう、感触の正体を確かめる為ユークはもう一度、口を尖らせた。


<ちゅっ>


唇に触れた柔らかな感触に、ユークは、完全に目が覚めた。


「ありがとう、ミーシャ」


午前中に少し、ばたばたして疲れたので、お昼寝をしてたのだ。


お茶の時間にお越して、と頼んでおいたのだ。


「お茶のご用意が整いました。」


「わかった。」


ベッドに沈んでいた体を起こして、立ち上がる。


「こちらにご用意致しましょうか?」


ミーシャに言われるが、首を振る。

この主寝室には、ベッド以外無かったのだが、不便だと思い、客間から運んできた4人掛けのソファーセットが置いてある。


「居間にお願い」


「かしこまりました」


返事を返して、ミーシャが先に1階に降りていった。


しばらくして、ユークも1階に降りていった。


1階のダイニングには8m程有る、長方形のテーブルと10脚の椅子が有り、俗に言うお誕生日席がユークの指定席で、ミーシャは右隣が指定席だ。


居間には、主寝室にあるソファーセットより少し大きい物が置いてあった。

片側には、1人掛けの椅子が3脚、反対側には3人掛けの長いのが1脚で、その真ん中がユークで右隣が、ミーシャの指定席だった。


居間のいつもの席に腰掛け、ミーシャの給仕を受ける。


ハーブティーとユークが、寝ている間に買ってきたと思われる、まだ暖かいマフィンが添えられていた。


ユークの生活は、常にミーシャと一緒が良いと宣言してて、食事もお茶も一緒に取ることにしてる。

最初は、断ったミーシャだが、主人の頼みに否と答えられる筈もないし、ましてや、愛するユークの傍で一緒に居られる申し出に、あっさり納得して今に至る。


ユークへの給仕を終え自分のお茶とマフィンも用意してから、ユークにくっつく様にして、ミーシャも腰を下ろした。


たわいもない雑談を交わしながら、午後のティータイムは終了する。


ミーシャの片付けが終わるのを待って、戸締りをしてから冒険者ギルドへと2人で出かける。


王都の冒険者ギルドは、平民区画の7番街の8番街との境界線沿いにある。


貴族区画と平民区画の境には、門が有り平民の立ち入りを制限、監視している。

この門は、ドルトス(貴族街の仲介人で家具屋主人)に聞いたところ、「権力の門」と言うらしい。


今通ったのが権力の東門で、この門から出ると左側には、商人ギルドが有る。


右側に曲がり8番街を抜けるのだが、8番街には、小さいながらも商店や宿屋等の商業施設がある。


各街の境は、色の付いた煉瓦がうめ込まれて、区画整理されていた。


目当ての冒険者ギルドに着き、扉を開けて中に入っていく。


もう少し遅い時間に来ると、依頼を終えた冒険者が、報告に来るので賑やかなのだが、今頃だと閑散としていた。


「はへっ」


ユークは、思わず、間抜けな声を上げてしまった。


余りにも驚いたからだ。


「ななな、なんで?」


カウンターに駆け寄り声をかける。


「なんでって、異動願いを出して、受理されたから?」


可愛く首をかしげて、簡単にこたえる。


ユークが驚いたのは、今までずっとお世話になって来た、パーン商業都市の冒険者ギルドのレミーが、座っていたからであった。


「移動するって、聞いた事が無いんだけど!」


「ユーくんが王都に行ってから出したんだもん、知らなくて当然よ」


「どうして急に移動してきたの?」


「う~~~ん」


どう答えるか考え込むレミーを見て(言いにくい理由があるのかな?)と追求するのも悪い気がしてきた。


「人それぞれだから、言えない理由も有るよね、あははは」


顔を強ばらせ話を流したユークだが、レミーは少しむくれ顔だった。


(ユーくんの鈍感)


そんなレミーに気づいたのか、ミーシャがユークに腕を絡めて来る。


「ご主人様、他の方のご迷惑になりますからご用件を」


ミーシャの態度にレミーは、口を金魚の様にパクパクさせて、絡められた腕を指差しミーシャを睨んでいた。


いきなり絡められた腕に驚いて、ミーシャの方を見ていたユークは、そんなレミーの様子にも気づかずにいたのだった。


「そうだね」


レミーの方を見て、用件を切り出そうとしたのだが、さっきよりも不機嫌なレミーに言葉を詰まらせた。


「あ、あの~、レミーさん?」


ミーシャがユークから腕を離したので、レミーは、ユークの言葉が何とか聞き取れた。



「はっはい、何かしら ユ~くん」


ユーくんの、ゆ、に敵意が漲っていた気がしたのは、ユークだけでは、無かったようだ。


「今日は、ミーシャと僕の覚醒をお願いしに来ました。」


一矢報いたとばかりに、レミーはミーシャを見て、鼻を鳴らした。


「覚醒?」


驚いて、聞き返すがユークは、間違いないと頷き肯定する。



「ユーくんって、やっぱり変!」


「変」の言葉にミーシャがレミーを睨んだが、レミーは無視してユークをみてた。


「変って・・・」

  

毎回、レミーに言われ続けて要るので、慣れたもので、こめかみのあたりを、ポリポリと掻きながらハハハと笑った。


「だってCランクに成ったのって、1ヶ月位前でしょ?」


「たぶん・・・」


「60日前後で、CからBに成るなんて、考えられないんだけど・・・」


例に漏れずに、ランクが上がるのには、経験値が必要なのだが、この世界の魔物には、この魔物を倒せば幾つの経験値が入って、経験値が幾ら貯めれば次のランクへ上がると言う様な明確な数値は無いのだ。


魔物毎にランクは付いて要るが、これは難易度の指針なだけで、受け取る経験値には、関係無かった。

簡単に説明すると、弱いのに素早くて、倒しにくい魔物が居たとすると、いくら魔物が弱くても魔物のランクは高くなるが、受け取れる経験値は低いのだ。


確かにランクの高い魔物は受け取れる経験値も高いのが殆どなのだか、個体差によっても多少の前後が有ると解明されていた。

ランクアップも然り、個人の潜在能力や資質にも寄って変わるのだが、世の中には、平均と言うものが確実に存在している。


ユーク自身は知らないが、これこそ神魔の子ユークの特筆すべき本質なのかも知れない。


「ご主人様ですから!」


フォローにも成って無い言葉で、ミーシャがレミーの言葉を遮る。


「そう言う事なんで、覚醒お願いします」


仕事中と割り切り業務に掛かる。


(なによ、あの娘、私のユ~くんに馴れ馴れしい)


全く同じ感想を抱いていたミーシャとレミーだが、ユークは全く気づく余地もなかった。


2人分と20万Gを支払い覚醒を終わらせた。


レミーにお礼を告げると、長居は無用とばかりに、女神像の間からミーシャに連れ出された。


残されたレミーは、(ん、もうっ)と床を蹴った。


ミーシャに連れられて、ロビーに戻ったユークは、ついでだから依頼を見ていこうと掲示盤を見に行ってしまった。


早くここから出たかったミーシャだがご主人様の決めた事に逆らえる筈もなく、渋々ユークに付いていくしかなかった。


ステータスは家に帰ってから見ればいいので、横に置いておき、散財の穴埋めにBランクの高額報酬を中心に依頼を眺めていた。


依頼書を眺めながら雑談を交え会話していた、ユークの動きが止まった。


主人の様子が変わった事にミーシャは気づいて、声をかけた。


「ご主人様?」


ユークは、何かを思いだしながら答える。


「この依頼なんだけどね」

 

指差された依頼をミーシャも見てみる。


※オーク討伐及び集落の破壊  報酬は1つの集落に付き25万G 破壊確認の後、依頼達成通知書の引渡し  詳細情報有り 


「良く有る依頼の様ですが、これが何か?」


依頼自体は、良く有る討伐依頼だった。


「ちょっと前に、同じ依頼を見た気がするんだ」


「この手の依頼は、多いですから似ていてもおかしく有りません」


何かが引っかかり想い出そうとする。


しばらく悩んで、ミーシャを買った日の出来事を思い出した。


「そうだ、この依頼だよ」


何の事だか解らずに首を捻るミーシャにユーク説明する。


「ミーシャと初めて会った日の朝にね・・・・・」


他の冒険者との絡み等の説明をした。


「その日は、仕事をする気が無かったから、仲間を探したくて商館に行ってミーシャに会ったんだ」


自分との出会いの経緯を聞いたミーシャは、運命を感じていた。


「横取りして下さった冒険者の方に感謝しないといけませんね」


「そうだね」


ミーシャの言わんとする事が解ったので、ユークも頷いた。


「少し違うところも有るんだけどね」


「違うところですか?」


「前に見たのは、Cランクで、報酬も、もっと低かった気がする」


「詳細も聞けるみたいですので、気になるのでしたら、お聞きに成るのが宜しいかと」


仕事も探さないといけないので、詳細情報だけでも聞こうと、依頼書は取らずにカウンターに向かった。


レミーの所に行こうとしたらミーシャが止めた。


「あちらの受付が空いてます。」


そう言って、連れて行こううとするのだが、知り合いの方が気が楽だからと、レミーの所に連れて行かれてしまった。


落ち込むミーシャを見て、レミーは、何がしか勝った気がして、ご機嫌だった。


依頼の事をレミーに尋ねると、パーンで見た依頼に間違いはなかった。


あの時の冒険者が失敗したから再募集されたらしいのだが、その時の報告で、以前の報告よりもオークが増えて居た事と、集落が3つから4つに成っていたので、依頼のランクと報酬が上がったのだと説明を受けた。


受けるかは別なのだが、場所も聞いておいた。


依頼はラチェタ村の村長からで、ラチェタ村は、王都から南南西に馬車で2日の位置に有る、隣のフルール王国の国境近くの村だ。


一通りの説明を受けた後、受けるなら明日また来るからと言い残し、レミーに手を振りギルドを後にした。


家に返る前に、頼んでいた家具が気になり、ドルトスの店に寄り道する。


ドルトスの店は、貴族区画の3番街、ユークの家がある隣の区画にある。


「いらっしゃいませ」


声の主がドルトスだ。


「頼んでいた家具は、どうなってますか?」


「クローゼット2つは、完成しておりますが、魔法具のタンスは、後3日程かかります」


この店に頼んだのは、クローゼットが2つと、魔法で鍵が掛かる言わば金庫の様な役割をする大きめのタンスだ。


ミーシャの服をそのまま掛けられるクローゼットが無かったからだ。


引越しの時に、前の住人がそのまま持って出たらしく1つも無かったので、リオにも必要になるだろうと2つ頼んだ。


魔法具のタンスは、お金の管理や高価な装備の保管用に必要だろうと頼むことにしたのだった。


(3日なら丁度いいか)


さっきの依頼にかかる日数を考えると丁度良さそうなので、依頼を受ける前提で、ドルトスに3,4日留守にするから、帰ったら顔をだすと告げ、家に戻った。


居間で、寛ぎながらステータスの確認を2人並んでする。


ユーク 16歳                 

ランク B (白)       

人族               


パーティー             

ミーシャ 獣族             

                           

奴隷                 

ミーシャ 獣族                            


体力 1700            


魔力 1700            


所持魔法              

 

生活魔法 4            


魔法                 


ファイア

ファイアストーム

ウォーター

ウォーターストーム

アース

アースストーム

サンダー

サンダーレイジ

フリーズ

フリーズストーム

ウインド

ウインドストーム


特殊スキル


探索




ミーシャ 16歳                

ランク D (白)        

獣族                


パーティー             

ユーク  人族             

                           

主人                

ユーク  人族                            


体力 260           


魔力 100            


所持魔法              

 

生活魔法 2            


魔法                 


ウォーター

ウォーターストーム


特殊スキル


剣技・念話・ダンジョンウォーク



真っ先に確認したのは、ランクと文字色だった。


「おっミーシャも白か」


「凄いです、ご主人様!」


「凄い?」


「だって、Sランク確定ですよ! これを凄いと言わずにどうします。」


確かにSランクの冒険者は、この世界に現在1人しか存在しない。


だが、Sランク確定の冒険者が居ないと言う事でも無い。


B・A・S・SSと上がる為の経験値が途方も無いから、誰も到達してないだけで、かなりの人が居ると、聞いていた。


母アルバの様に、Bランク位で、年齢的にきつくなり引退するからAやSが極めて少ないだけなのだ。


「そこ迄行けたら良いけどね」


「ご主人様なら、きっと行くと思います」


あまりにも自身たっぷりな意見に、嬉しくもあった。


「できるだけ頑張るよ」


気になるのは、特殊スキルの念話だ。


ユークには、出てなかったのだが、ミーシャのスキルに有ったので気になったのだ。


「ミーシャの念話って、どんなスキル?」


「そう言えば、ご主人様には、出てませんでしたね」

 

ミーシャ曰く 念話はパーティを組んだ状態で、覚醒をすると出るらしく、パーティー間なら相手の名前を思い浮かべて頭で話しかけると会話ができると言う、便利なスキルらしかった。


自分に出てないのが気になり、神がかりと念じてみた。 


頭に、ワープ  パーティー念話  パーティー強化 と浮かんできた。


「神がかりに有った。」


「ご主人様の 特殊スキルですね」


「うん、でもミーシャの念話と少し違うみたい」


「何が違うのですか?」


ミーシャのスキルには、<念話>としか出てなかったのだが、ユークの神がかりには、<パーティー>と、入っていたのだ。


念話に付いて色々ミーシャと話し合ったが違う点が出てきた。


ミーシャの念話は所謂、パッシブスキルで、MPの消費も無いものなのだが距離の限界も有るらしい、ユークの念話は、他の神がかりスキルと同じように、MPga20消費される。


色々念話の実験をしていて、幾つか確定したことが有った。


ミーシャから話しかけらた場合は、どちらもMPは減らない。

ユークから話しかけると、ユークだけMPが減る。


減るのは、最初に話しかけ時に、減るのだが会話から頭を切り替えて、違うことを考えると解除されて。再び話しかけると、MPがまた減るという事が解った。


「ワープみたいに、MPを使う分なにか違いがあるんだろうね」


「そうですね考えられるのは、距離ではないでしょうか」


「有りそうだね、機会があれば試してみるよ」


「それと、パーティーと付いてるのですから、もしかしたら誰とでも会話ができる、念話も有るかも知れませんね」


考えてもいなかったのだが、ミーシャの意見は、一理ある。


わざわざパーティーと付いてる事の意味も考えるべきなのだ。


「それは、出たらかんがえるよ」


夕食の準備を2人でやって、食事を済ませてから風呂に入った。


そろそろ寝ようと2人してベッドに潜り込んだのだが、今日はミーシャが凄く積極的で、なかなか寝ることが出来なかったのだ。







時間は少し遡って、ギルドの仕事を終えたレミーは、ギルドの寮に戻っていた。


寮の部屋は、平民区の6番街に有って、狭いながらも1人部屋だった。


(やっと、ユーくんに会えたのに)


レミーは、ユークが王都に行くと聞いたその日に移動願いを出していて、王都に来たのは、数日前なのだ。


昨日ユークは、ギルドに訪れていたのだが、たまたまレミーは、マスターの部屋で話していて、会えなかったのだ。


住所も聞いていたので、家にも行こううとしたのだが、門番に止められて、行くことが出来なかったのだ。


(しかし、あのミーシャって女なによ! 私のユーくんにベタベタして、奴隷だから一緒に居るのは許すけど、絶対ユーくんは譲らないから!)


一人、ミーシャにムカムカしながら、今後のユーク陥落作戦を、夜中まで考えているレミーであった。







何時も誤字や構成のご指摘有り難く思っております。

投稿前にも読み直しをしているのですが、飽き性なもので、書き出すと一気に書いて行ってますので、目が文字を負えなくなる時が多々有ります。

本人は結構行き当たりばったりで、書いてますので、細かな設定は、思いつくままだったりしてます。

指摘にも有りましたが燃やしたのに皮とかも倒すと四散するのにアイテムが残るという意味では矛盾しまくる訳で、ドロップアイテムは、倒して落ちているなら燃えるんじゃね?と思われても当然ですが、断固残るものは残ると理解ください。

確かに武器名も読者さんの理解と形状がそぐわない物も多々出てくると思いますが、ユークの世界では、そう言う物と、流して頂ければ、ありがたいです。訂正出来そうな部分はなるべく訂正していきますので、ご指摘ください。

これからも誤字、脱字、 意味不な事も多いかと思いますが 見捨て無いでやって下さい。 どこまで、続くかは、解りませんが、まだまだ書き続けるつもりですので、宜しくお願いしますね!

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