表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

 声というのは本当に不思議だ。目に見えないのに、人によって全然違う特徴がある。いったいどれくらいの声に人の声は分類されるんだろう? 確かに似ている声の人もいる。声の特徴を捉えてたくさんの人の声のものまねをすることができる人もいる。(たくさんの練習の成果であることはもちろんだけど)その中で稀にすごく特徴的な声をしている人がいる。それはその人が神さまからもらった人生の贈り物だ。(その人がそう思っていなかったとしても、間違いなくそうだと思った)みゅうはあんずの声を聞いて、そんなことをあらためて思った。

 あんずはとても綺麗で可愛い女の子だった。もちろん顔だけならみゅうのほうが可愛かったけど、それでもあんずは可愛かった。(好みの問題でみゅうよりもあんずのほうが好きという人もいるかもしれない)強い目も小さな顔も長い黒髪も素敵だ。背も高い。素朴で純粋な感じがするのもいい。(立っている姿勢もいい)まるでアイドルというよりは、モデルさんみたいだった。

 先生がレッスン場にきて、みゅうにあんずのことを紹介してもらうまでの間、ずっとお互いに黙ったままで静かなレッスン場の中にいたみゅうとあんずは、今、先生の前に立っている。みゅうはずっとあんずのことを気にしていて、あんずのほうは最初だけはみゅうのことをじっと見ていたけど、一度視線をそらしてからは、ずっとそこにみゅうがいないように、一人でじっと先生がレッスン場にくるのを待っていた。(そのことがみゅうはすっごく気に入らなかった。今日からはいった後輩なのに)

 ……、でも、そんな自分と同い年のあんずの歌を聞いて、みゅうの心は激しく震えた。(ぶるっと身体中が、足の指先から頭のてっぺんまで、一度大きく震えた)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ