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2人の時間

〜自己紹介〜



異能診断も皆終わりそれぞれの教室に向かう。クラスはαクラスからγクラスの3クラスある。僕はβクラスだった。中に入ると僕以外の21人のクラスメイトがもう全員来ていた。

顔ぶれはやはり有名人だらけだ。

ん?、このクラスインフレしてないか?


赤城丈、橘蒼、円楽時勘介、伊達一樹それに僕の元幼馴染小薗絵秋、有名人揃いだ

というか秋と一緒のクラスかよ…もう、何もうまくいかない

他のクラスもこうなんだろうか…

だとしたらやばすぎるだろここの入学者…

僕はもうため息をつくことしかできないでいた。


「よーし、全員揃った事だし全員自分の席につけ〜。自己紹介を始める。」


「まずはじめに私 仙城美雨。お前等の担任を持つ事になった。所持異能は《分》だ。詳しくは言わないがまぁ〜お前等が考えている事くらい直ぐ《分かる》だろうな。担当教科は国語だ。これから一年よろしく頼む。」


単刀直入に言おう。僕達の担任は当たりだ。

やばすぎる…どこの芸能人だというくらい美人だ。たった今僕の美人ランキング2位決定戦に名乗りをあげた。本当にこの学校、教師生徒共にレベル高いな

だが、美人だから善人だという方程式は成り立つ訳じゃあない。仙城美雨がどのような人間かは分からないが後々知っていけばいいか。

僕が仙城美雨のことを考えているとクラスメイトも出席番号順に自己紹介を始める。



「出席番号1番 赤城丈だ。特技はバスケ。父さんはNBA選手の赤城 毅だ。俺もいつか親父のようなスポーツ選手になりたいんだ。異能は《虎》。まだこの異能についてはまだあんまわかっていね〜けど、俺は親父に追いつくためにまずはこの学校で頂点を取るつもりだ。みんな1年間よろしくたのむ。あ、彼女は絶賛募集中だぜ笑?」


静かだった教室に笑いが起きる。

こうゆうやつがクラスの中心になるんだろうな。

赤城丈、若干16歳で日本代表のエース。この先の日本、いや世界のバスケ界を引っ張っていくのはこいつなんだろう。

それで顔もイケメンでおもろい。神は不公平だ。


そもそも有名人揃いのこのクラス。みんな互いのことを知っている。まぁ僕の事はみんな知らないだろうけど。そりゃ一人だけただの一般人ですから。しょうがない。

僕は大体みんな知っているので聞き流すことにした。

どんどん自己紹介が進んでいく。



「出席番号7番小薗絵秋です!」


その瞬間つまらなさそうに聞いていた者、スマホを突いていた者、僕含め全員が注目するのが分かった。知らない人はいないはずだ。

聞かなくてもわかる。だが聞かないことが許されないようなそんな感じ。

みな秋に注目する。


「得意な事はバドミントン出身中学はけいちゃ…私の次の士道くんと同じ洛仙中学出身です…。

異能は《神》です…。みんな友達になりたいです。1年間よろしくお願いします。」


なんで秋は俺と話す時のように話せないんだろうか…

俺の前だから気を遣って、空元気を出しているのか?それとも…

まぁそんな事は今は良い。

とりあえず次は僕みたいだな。


「洛仙中出身 士道慶介。 得意な事は特にありません。異能は《虚》です。よろしくお願いします。」


愛嬌の無い挨拶とはこの事。

僕は事故紹介してしまったらしい。


皆どこかぎこちない拍手をする。

失敗した、訳じゃ無い。僕はこの学校に仲良しこよししに来た訳じゃ無いんだから。

目立たず空気になるのが1番だ。

その後も皆淡々と自己紹介をこなしていく。

ネタに走る者、自分の趣味を熱弁する者。自己紹介はさまざまだった。


そんな感じでみんなの自己紹介が終わり、休憩時間になる。

自然とクラス内でグループが出来る。


当然。僕はボッチだ。


秋はというともうクラスの陽キャたちに囲まれ楽しそうに喋っている。

羨ましい。なんて思いはしない。ただ、モヤモヤする…


って僕何考えてるんだ。なんでモヤモヤするんだ。する必要はない。

秋は秋でこの学園で青春を謳歌するため来ているんだ。

僕は僕でやるべきことがある。目的を見失うな。


慶介は目を瞑る。これは心を落ち着かせる時のルーティンみたいなもの。



しばらくして慶介は違和感を覚える。誰かが自分を見ている。

巨大な嫉妬?いや、憎悪?

途轍もなく嫌な雰囲気

とにかくよく思われてない事だけは間違いない。


誰だ…?

周りを見渡すがそれらしい人は見当たらない。

気づかれたか…

僕は再び視線を前に戻す。


すると目の前には綺麗な青眼の美女が立っていた。


「どちら様ですか?」


僕はソイツが誰か知っている…しかしあえて知らぬよう接することにした。


「慶ちゃん何言ってるの…?私だよ?…秋だよ!

もうお昼だから一緒にご飯たべよ?」


今にも泣きそうな顔だ。でも僕は続ける。


「人違いじゃないですか?同じ洛仙見たいですがあそこは人数多いし、そもそも僕に幼馴染なんてものはいないんですよ。」


ぼくは秋を突き放す。

本当はこんな事したくない。

でも、やらなきゃならない。


あ…やべ、周りからめっちゃ変な目で見られてる。

うわ やべ 秋が泣く。


あーもう…まじめんどくさい。


クッソ。


慶介は秋を連れて教室を出た。





僕は秋の手を引き走って屋上まで来た。

皆んなからどのように思われているか。そんな事はどうでも良い。

秋の泣き顔は見たくない。


と言っても僕が泣かしてしまったんだけど。

あの日、もう関わらないと決めた。

その気持ちに嘘はない。

でも… どうすればいんだ。


今は僕と秋以外誰もいない。



「なんで僕に構う…」


返事は返ってこない。


僕は思う。僕は最低だ。僕の周りではどうして皆涙を流すのか…。

その原因が僕にあることを僕は知っている。

でも僕は目的を達成するまでは自由になれない。僕に青春は要らない。

でも今だけは本音で話そう。


「ごめんな。あき」


「秋のことを忘れた訳じゃないよ。忘れる訳ないだろ?

でも秋と俺じゃ住む世界が違うんだよ。お前は高校生らしい青春を過ごせる。僕にかまって棒に振るな。僕はあきといると苦しんだ。

だから。もう僕にかまわないでくれ。」


秋は口を開く。


「なんでなの慶ちゃん。じゃあ一緒にいようよ。

私、慶ちゃんと話せなくなるなら、今日できたお友達も全員要らない。なんで私と一緒じゃダメなの?彼女でもできた?もう私も苦しいよ。三年間無視され続けて…、もう限界だよ。

アイツらもいないし今度こそ慶ちゃんと高校楽しめると思ったのに。

私が悪かった事はあやまる。だからさ?もう一回やり直そ?

もう私、どうすれば良いのか分からないよ……。」


「…………」



秋は何もしていない。勘違いをしているだけ。ずっと自分が悪いと自分を責め続ける。


「秋は何もしてないよ。」


「違う。私は慶ちゃんを傷つけた。」


「本当にごめんなさい。私はあの時________________。」


「もう昔話は良い」


「悪いのは俺だ。傷ついたのは僕じゃなく僕の周り。加害者は僕。これは覆らない」


「どうして自分を責めるの?」


「自分を責めてなんてないよ。ただ僕は責任を全うするだけだよ。 もう覚悟は決まっている。」


「私にできる事はないの?私、慶ちゃんのためなら何でもするよ?もう私のこと信じられない?じゃあ私のとびきりの秘密を教えるね?」


「実はね私の___________は_________なんだよ。これを知っているのは多分慶ちゃんだけ。」



小園井秋は壊れていた。

事の善悪がわからない。理性のリミッターが外れている。そんな状態だった。




僕の脳内思考回路はショートした。

ん?あき。今なんてった?ほんとなら秋は本物のバケモンだ。それもかなりの

そもそも僕にそんな事を言って良いのか?

色々やばいだろ。


あぁ〜もう…!!

今考えてもしょうがない。今日の夜考えよう。とりあえず今は、


「僕は秋、君を信頼してないんじゃ無いんだよ。僕らはあの日、幼馴染を辞めたんだ。それ以上でもそれ以下でもない。そんな君が僕に関わるのは愚策としか言いようがない。僕がしようとしている事はそのくらい危険なことだ。

百歩譲って幼馴染なら分かる。でも僕にとって君はクラスメイトだ。だから僕はなんと言われようが、これからも君への接し方は変えない。

極力君は僕の知り合いだと思われない方が良い。

秋は秋で楽しめ、青春を。」


「あ、教室に戻ったら、勘違いだったって言っとくんだぞ?」


秋は泣き崩れる。



「わぁーーーーーーーーん//慶ちゃんのいない青春なんてないよ……」



僕は振り返らずに突き放すように


「これからもよろしく。小園絵さん」


慶介はどんな表情をしていたのか…

それは誰も知らない。


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