幼馴染
拙い文章ですが最後まで読んで下さい!
side士道 慶介
僕には幼馴染がいた。とっても大切な幼馴染。名前は小薗絵 秋。生まれてからずっと一緒に育った。
兄弟みたいに仲が良かった。一緒に勉強したり一緒にお正月にクリスマス。
思い出は数えきれない。
僕の幼馴染は僕にとってヒーローだった。強くて、優しくて、大好きな最高なヒーロー。僕をいじめるアイツらからたった1人で守ってくれた。悔しい時は励ましてくれた。一緒に頑張ってくれた。悪い事をしたら一緒に謝ってくれた。
初恋…だったのかな。
今はもう分からない。幼馴染と恋人になり結婚。そんな未来もあったのかな。
絶対に存在しない未来。虚構。
なぜなら、僕らはあの日を境に
「ーーーー幼馴染を辞めたんだからーーーー。」
春風と気持ちの良い日差しが窓から差し込み桜の花びら舞う四月。
入学式、入社式、新生活、人々は大きな期待を胸に思い廻らせ挑戦する。
そこには期待と共に嫉妬、愛、友情、悪意など様々な想いが飛び交う。
今日はどの学校も入学式である。僕も念願の栄冠学園の入学式に行くため桜並木を歩いていた。
栄冠学園は日本で唯一異能力を与えられる異能力者教育機関である。
異能なんて漫画だけだって?笑僕も最初は半信半疑だった。でもなんちゃらシステム?ってやつで可能なんだってさ。日本も進化したもんだね〜。
今や異能力は日本の独占技術で世界も日本が統一してしまった。
ただそんな力もただで貰えるわけじゃない。強者揃いのライバルたちを蹴落とし、定員60名の栄冠学園に合格しなければならないのだ。
筆記、ディスカッション、身体能力検査、異能の才能を図る異能適応力テスト。これら全てが最高難易度で筆記試験に関しては某東京の大学のレベルをも優に凌駕している。つまり超超高校級の集まりということだ。
そんな超エリート進学校に運良く合格してしまったのが士道慶介。身体能力、勉学共に中の上程度。合格者の中には若干16歳で日本バレーボール界のエースの赤城 丈
ハーバード大学を満点合格をした事で有名な才女 橘 蒼などなど
「ほんとになんで僕合格できたんだろ。」
「僕、どう考えても場違いでしょこれ」
僕は誰もいない桜の下で1人つぶやいた。
でも、入学できて良かった。僕には人生を賭けてでもやらなきゃならないことがある。そのためにここに来t_
「おっはよー‼︎慶ちゃん今日も暗いね〜 元気出してこー」
僕の独り言を遮り登場した青眼美女は例の元幼馴染。小薗絵秋だ。
「なんで小薗絵さんがいるの?小薗絵さんの合格した東大附属はこっちじゃないだろ。…って、え?その制服、」
秋は顔を歪める。なぜだろう?
しかしすぐに満面の笑みへと戻り
「えへへー。慶ちゃんが栄冠に行くって千智さんから聞いて特待生制度使ってギリギリで変更したんだ‼︎どぉ〜?私の制服姿、可愛い??」
そう、この学校は理不尽。よく言えば実力主義である。
特待生制度というものがあり、定員60名+5人で特待生をとる。ある一点において世界一の才覚を持つ学生は入試をすっ飛ばし合格できるのだ。彼女は天才いや、怪物なのだ。
「もう‼︎無視しないでよっ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」
「はぁ〜なんで僕と一緒の学校に行かなきゃいけないんだ。もう幼馴染ではなんでもない。赤の他人なんだから関係ないだろ。」
「・・・・・」
僕は思ったことを口にした。この言葉に嘘はない。本当にもう秋のことは他人としか思っていないのだ。
ふと隣を見ると秋は泣いていた。
「慶ちゃん、__もう駄目なんだね。本当にごめんね。でもわたしは、」
そんな秋の言葉を聞き流し僕は学校へ急いだ。
くそ。よりにもよって秋が…、母さんもよけいなことを、
慶介は振り返って言った。
「もう僕に話しかけてくるな。顔も見たくない。僕は小薗絵さんに構っている暇はないんだ。この学園に青春しに来たわけじゃない。絶対にやらなきゃならないことがある。」
すると秋は大きく目を見開き、そして複雑な笑顔を残し、その場を去った。
くそっ なんなんだよ。
なんで秋はあんな顔するんだ。あーもうっ
こんなこと考えている場合じゃない。
「パァンッ」
司は頬を強く叩き切り替える。
少し歩けば校門が見えた。
秋は学園に足を踏み入れる。
周りはやはり強者揃いだ。
静かに目を閉じる。
そして
少年は決意する。《絶対におとしてみせる》と。
そして別の場所では少女もまた決意していた。《絶対におとしてみせる》と。
今回は2話
3話からは金曜更新で行きます!