流される船
「何事だ。」
船に乗っていた者の内、最年長の一人、マシューが突然、大部屋の乱雑にかけられたハンモックから、起き上がり叫んだ。マシューは、舷窓を覗きながら、「不味い事になった。」と言い続けた。続々と、同じ部屋の人たち、10人が同じ様に動き同じ反応をする。やがて隣の部屋の人たちも気づき始めパニック寸前になったとき、冷静な17の少女アネットが「できることをしましょうといった。」まずは、それぞれの配置を決めた。全員分の船室はあるので、全員を船室に移動させた。両舷に5部屋ずつあり、階段を挟み同じような造りが5つあった。なので、前方から、2,3,ブロックの部屋を前から、年齢順に、18のマシュー、ジョージ、リック、マークが入り、その次の隣り合った部屋は、17のトムと16のチャーリーが順に入った。その後ろには、15歳組のリック、マイク、ロバート、そして、14のフランク、13のイアンが入り、向かいの部屋に、同じく13のアランと12と最年少のジョンが入った。その先は、女子が入り、年少順に、12のソフィア、14のリリアン、その後ろに、15歳のジェンナとエマそして、16のメラニーと女子最年長組17歳のメアリーとアネットと部屋が割り振られた。
部屋には、照明とその燃料そして、武器が置いてあるので、その確認を一応させた。そして、物事は、年長組の18歳のマシューとジョージ、リックとマークそれに、17歳のメアリーとアネットの6人がそれぞれ話し合いながら決めていくことにした。この時点で、流されてから、5時間たっており、暴風雨の影響で、定期便含め沢山の船が航行を中止しており、発見、救助が遅れていた。
しかし、一方そのころ本土では、戻ってきたその日の2人の宿直の人が戻ってきて、船がないことが分かると二人の船乗りは、近くの漁師のたまり場になっている酒場や海軍の基地に駆け込み情報を伝えていた。しかし、ながされた方向が様々な方向に吹き荒れる暴風雨のせいで特定できずまた、暴風雨が過ぎ去ったとしても、もし、南東部に流された場合、海賊がいる海域があり、そのあたりは、群島になっているので、救助が困難になるかもしれないと告げた。
船はというと、北へ東へ南へ西へと方向を変えながら、運悪く南東方向に、流されてしまった。
船に乗っていた20人は、操作をするのは、無理なので諦め、我々は、自分達がどの方向に流され、どの位置にいるのかを調べ続けた。
そして遠くに、黒い何かの影を発見したのだった。