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【14】父からの小包

 父さんが街に戻ってからある日のこと、1つの小包(こづつみ)と手紙が俺宛に届いた。母さんからそれを受け取った瞬間、重さ的に何が入っているのかが分かったため、俺はすぐに部屋に戻って開封する。


 中には一冊の本が入っており、表紙には『スキル指南書~効果から覚え方まで~』の文字。やっぱり!!と、はやる気持ちを押さえて、まずは一緒に届いた手紙を開封する。


 手紙には、父さんの字で本を手に入れたため送ったこと以外にも、母さんや弟達は元気にしているのか、母さんの手伝いをしてくれよなど、こちらを心配するようなことが書かれている。そして、最後に久しぶりに会えてうれしかったとつづられていた。


 中々みんなの前ではそういった言葉を発さずに、手紙で伝えてくるのが父さんらしいなと思いつつ、貰った手紙を無くさないように机の引き出しに入れた。


「……よし!!」


 スキル指南書を手に取り、まずは目次を見てみる。目次には、スキル名がびっしりと書かれており、それを見ているだけでも胸が(おど)った。数あるスキル名の中から目的のスキルがあるかどうかを探していく。


「一は……、一はと……」


 目的のスキルが書かれてそうな場所を1つ1つ探していく。


「……あった!!」


 目的のスキルを見つけて、目次に書かれているページを開くと、そのスキルについて2ページわたって書かれていた。文字だけかと思っていたのだが、文字の説明と共に絵も一緒に載せられていたため、とても見やすい。


「やっぱり、俺が見えていたのはスキル名だったのか……」


 俺が探していたスキルとは、ガレントを見たときに見えた一刀両断のことであった。というのも、一刀両断というものがスキルに存在しているのであれば、俺が見えている火炎魔法Lv.1や一刀両断というものがスキルだと断定できると考えたためであった。


「……なるほど、なるほど。これが、『一刀両断』かぁ……」


 スキルに一刀両断を見つけた時点で、このスキルを探していた目的は達成していたのだが、一応、一刀両断についての説明も見ていく。


「習得しやすさは星5個中5個で、ランクは星5個中1個……。剣術を習い始めた人におすすめのスキル……」


 指南書には、そのスキルの習得しやすさ、どれだけ強い・有益なのかといった評価が記されている。他にも、どういった人向けなのか、発動するとどんな効果があるのかといったスキルに関する詳しい説明も記されている。


「へー」


 元々、魔法だけでなく、こういったスキルにも興味があったため、胸を(おど)らせながら、イメージを働かせながら説明を読んでいく。


「覚え方は……、『集中した状態で、上段の構えから一気に剣を振り下ろす。ただそれだけ。ただし、この時に、集中を乱したり、一気に振り下ろさないと効果は無いため、気を付けるように。習得までの回数は集中の度合いや特性などで変わってくる。』か……」


 他にも振り下ろす際のアドバイスや上手くできているのか分からない時のアドバイスなど、スキル習得までの方法が懇切丁寧(こんせつていねい)に書かれていた。


「なるほどねぇ……」


 一刀両断について一通り読み終えた俺は、部屋から出ると、村の中から手ごろな木の棒を見つけて部屋に戻った。


「よし!!集中……」


 木の棒を上段に構え、目をつぶる。これからのことを考えると、ウキウキが止まらなかったが、何度も深呼吸をして心を落ち着かせる。そして、ここだ!!というタイミングで目を開き、一気に木の棒を振り下ろす。ブンッ!!と空気を切り裂く音が聞こえた。


「ふぅ……」


 集中しながら木の棒を振るというのは魔法を覚える時とはまた違い、1回振っただけでも中々疲れた。


「さてと……」


 眼帯を外して自分の体を見てみるが、一刀両断の文字は現れていない。


「あれー……?やり方失敗したかなぁ……」


 指南書通りにやれていたと思ったため、自分のスキルが表示されるところに一刀両断の文字が出てくると思ったのだが、現実はそう甘くないようである。


「……もう何回かやるか」


 再び木の棒を構えた俺は、先程と同じように集中して振り下ろすというのを繰り返した。回数をこなしていくうちに、中々集中することが難しくなってきたが、何とか時間を掛けつつも木の棒を振り続ける。気が付けば、高い位置にあった太陽はいつの間にやら傾き、辺りは薄暗くなっている。


「もう……これ以上は無理だな……」


 ガレント達と打ち合うことはあっても、百回以上振り続けるといったことは経験が無く、また何時間も上段に構えていたため、腕はパンパンであった。


「……疲れた」


 魔法の時とは異なり、肉体的にくる疲労にしんどさを覚えながらもベッドに仰向けに寝ころんだ。


「上手くできているといいけど」


 恐る恐る自分の体を見てみると、そこには一刀両断4/100の文字があった。魔法の時と似たような成長しているという喜びと、これだけやってたった4なのかという落胆。そんな2つが入り混じった複雑な感情であったが、


「まだまだ強くなれる……!!」


 という未来に対する希望の方が強かった。


「よいしょっと」


 疲れ切った体を何とか起こして、スキル指南書を手に取り目次のページを開いた。


「うーん。どれがいいかなぁ」


 開いたページには魔法に関するスキルが列挙されている。剣もいいけど、やっぱり魔法のスキルも覚えたいよなぁと考えた俺は、目次に書かれている魔法に関するスキル名を見ているのだが、名前だけではあまりピンとこなかった。


「詳しく見てみないと分からないよなぁ……。一通り見てみるか」


 魔法に関するページをペラペラと流し見していき、気になったものがあったら、それにしようと思っていたのだが……。


「え、選べない……」


 魔導書ではないため、指南書には火球(ファイアボール)などの魔法そのものについての記載は無く、魔法に関係するスキルしか載っていなかった。しかし、どのスキルも魅力的に見えてしまい、どのスキルにしようか選びきれずにいた。


「このスキルもいいけど……、あっちのスキルも捨てがたいよなぁ……、あぁ、でも、さっきのスキルもよさそう……」


 一応優劣は付けようとはしているのだが、もちろんつけることができるわけもなく、3ページ進んで2ページ戻るみたいな感じでページをめくっていた。


 次のスキルは何だろうなぁと期待に胸膨らませて、ページをめくる。

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