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6 深見はクラスメイトから取り調べされる①


 靴を隠された私は、クラスメイトにゴミ箱を預け、一人で職員室に向かった。


 友人が付いていこうかと言ったが、断った。


 一緒に付いてきて、どうするつもりなのかと少し思った。笑われたくなかったし、同情をされたくなかった。


 職員室に入り、担任に報告している間、心細さでスカートの裾を掴んでいた。周りの教師がこちらを見ているようで嫌だった。

 

 担任は驚いた顔をしたが、すぐに真剣な表情になり、立ち上がった。


 二人で下駄箱に向かい、私の靴箱の中身を確認する。


 やはり片方しかない靴を見て顔をしかめる。私は何でもないふりで笑おうとしたが、うまく笑えなかった。

 

 担任の誘導により、再び職員室に戻った。担任の机で待っていると、奥から運動靴を持って現れた。とりあえず、靴を買うまでは、この靴を履いておくようにと指示をうける。


 少しサイズが大きい白い運動靴を、コンビニで貰う白いビニール袋に入れて手渡される。


 渋々受け取り、ビニール袋を提げて教室に向かった。


 親に報告すると担任は言った。断ろうと思ったが、どうせ玄関の靴を見れば分かるため、そうですかと素っ気なく了承した。


 誰かにすがりたいような、誰にも会いたくないような気分だった。


 クラスメイトにばれているのも気まずい。教室内における地位が下がったような気がして、怖かった。歩く速度が自然と遅くなる。


「結月ちゃん!」唐突に後ろから肩をたたかれて、びくりと体が跳ねる。


 振り返ると二つ結びで、体操服姿の生徒がこちらを見ていた。昭子の友達だ。名前は忘れた。「昭子知らない?部活にまだ来ていないんだけど」と彼女は言った。


「え、行っていないの?」


「うん、来てないの。どうしてか知ってる?」


「ううん。ごめん。分からない」首を横に振る。


「そっか、ありがとう」体操服の少女は去っていった。


 

 昭子は今日部活に行くことを嘆いていたにもかかわらず、どうして行っていないのだろうか。


 少し疑問だった。


「盗ってない」教室に入ろうとした瞬間、噛みつくような声が聞こえ、咄嗟に足を止める。


 声音からは憤りが滲んでいる。


 その頑なな言い方が、クラスメイトの笑いの琴線を刺激したのか、クスクスと嫌なタイプの笑い声が聞こえてきた。「盗ってない!」と馬鹿にした高い声で真似をする者もいる。


 心臓の鼓動がぐっと早くなる。ばれないよう慎重にクラスを覗くと、高揚した空気が肌に伝わってきた。


 窓際の一番後ろの席に立つ一人の男子生徒を、クラスメイト数人の男子が囲んでいる。その様子を女子や他の男子が遠巻きに見ていた。


 追い詰められているのは深見だった。


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