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ブラウン管は大魔王様の中

作者: 沖宮途良

とある魔界のお城の中に、それはもう大きな大きな大魔王様がいらっしゃいました。どれくらい大きいのかと言うと大体人間の20倍くらい、いや、30倍?よくわかりませんが、まあ大きいのです。ですので、お城も大きく作ってあります。


そんな魔界のお城には大魔王様に仕える魔物達もいっぱい住んでいます。ある日、大魔王様から見るととてもとても小さい魔物があるものを拾ってきました。


それはブラウン管の古ーいテレビでした。魔物は聞こえるように大声を出して大魔王様に喋りかけました


「見てー大魔王様ぁ変なもん拾ってきたんスよー」


「なんじゃそら」


大魔王様は興味がないようだった


「テレビっていう箱らしいでーす」


「ふーん」


それを聞いても特に興味を示さなかったけれど、一応魔物が持ってきてくれたものだし、と、ブラウン管を親指と人差し指でチョイッとつまむとよく見えるように顔の近くに持ち上げる。大魔王様からしたらとてもとても小さい箱でしかなく電源が入っていないので面白くもない。


するとツルッと手を滑らせてしまう。


「「あっ」」


つるん、ゴクッ


「………あ?」


「ぎゃー!?大魔王様ぁぁあ!?ブラウン管飲んじゃったーー!?」


「うーん?」


「吐いて吐いて出して出してぇぇ」


「なあ」


「お腹壊しちゃいますよぉ」


魔物は泣き出しそうになっている。いや、もう泣いていると言っても過言ではないくらい目に涙が溜まっている。


「お腹から音がするんだが」


「……は?」


「お腹から、音が」


「はいーーーー!?」


大魔王様のお腹に近づく魔物。しかし大魔王様が大きくて聞こえない。


「ホンートに鳴ってますぅ?」


「うん」


魔物は考えた結果、大魔王様に飲み込まれることにした


「え"ーマジでいいの?飲み込むよ?」


「大魔王様!おねっがいっしますっ」


大口を開けてポイっゴクッ


(消化されないよな?)


急に不安になる大魔王様。しかしそんな不安など露知らずお腹の中から魔物が叫んだ


「大魔王様ぁぁあヤバイっス!ブラウン管テレビ映ってます!」


「おおマジか、俺も見たい」


飲んじゃった物を出してもらった。しかし


「消えちゃいました」


魔物はまた大魔王様のお腹にブラウン管ごと戻った


「映りますーー!」


「なんでだーー俺も見てぇよぉぉ」


ブラウン管は大魔王様の中にあり。

アトガキ



なろうラジオ大賞2の企画の書き下ろしです。短編作るの苦手ですが一時間くらいでパパッと。(あんまり考え過ぎるとめっちゃ長くなるのでパパッと(深刻))

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― 新着の感想 ―
[良い点] ものすごく微笑ましい! [気になる点] 音楽番組だっのかなぁ [一言] 語り口がすきです。
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