2つ隣のストライク
知り合いと雑談していたら出来上がったものです。このまま眠らせる予定でしたが、知り合いが勿体ないというので投稿しました。
私は椎名結衣、よく友達とボーリングに行く。
今日は他校の男子が2つ隣のレーンで騒いでて最初はうるさいなって鬱陶しかった。
でもちょっと気になって気にしてたら1人だけ少し大人しめな男の子がいてその子が投げるところだった。
ストライク…。
あんな華奢な見た目なのにボールを投げるフォームはとても綺麗だった。私はよく遊んでいるということもありそこらの男子高生であろうとも上手いと自負していたがどう見てもあの子のフォームは私なんかより上だ…。
私は思わず…そう、思わずそのレーンへと行きその子の所へと行った。
近づいてみて思ったのが、小さいということだ。私よりも身長が低い。…本当にこの子は高校生なのだろうか?
「ねぇ君、綺麗なフォームだったけど、どこかで習ってたの?」
「うぇぇぇっ!?」
その子は私が話かけると凄く驚いたようで変な声を出していた。その小さな見た目も相まりとても可愛らしい悲鳴となっていた。
(さっきまで綺麗に投げてた子と同じと思えないわ)
「え、えっと…お父さんが昔得意だったとかでボクにも教えて…」
「ふーん、そうなんだ…。あ、そう言えば自己紹介忘れてたわ。私は椎名 結衣よろしくね?」
「ボ、ボクは…涼宮優一です。」
「優一くんね、よろしく。ね、私もボーリングにはちょっと自信あるから勝負しない?」
「はいぃい!?」
------
なんとか優一くんを説得し私とあの子のタイマンバトルだけど結果から言うと私の惨敗。
あの子はボールを持つと別人の様にカッコよくなり、どんどんストライクを決めていた。たまに失敗することもあったがそれだって8、9本で次にはスペアにしていた。
「負けたわ、本当に強いのね」
「い、いえボクなんてまだまだで…」
「もう、弱気なんだからもっとしっかりしなさい!!」
「はぃぃぃ!!」
「よし、そんな感じでしてればいいのよ。…ねぇ、今後も勝負したいしフォームとか色々教えて欲しいから連絡先交換しない?」
「うぇぇぇ!?」
「…さすがにそんな驚かれ方すると傷つくんだけど?」
「ご、ごめんなさい!」
「これは罰として連絡先交換ね」
「結局じゃないですかー!?」
…まぁ、そんなこんなで連絡先は交換した。これからも優一くんとは交流するだろう。…だって優一くんに私の心もストライクを決められたんだから。