表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錦鯉研究部  作者: 黒りんご
第3章
81/102

文化祭初日、午後

 マナカと中村が15分遅刻して戻って来た。


「こらっ!あなたたち!ダメじゃないの、1時までに戻るように言われたでしょう?」


 のばらがおかんむりで二人を交互に見た。


 中村とマナカは二人でいる時間が惜しくてギリギリまで粘って遊んでいたため少し遅れてしまった。



「すみませーん!えーと、俺、さっそくウォーミングアップしなきゃなー!」


 中村はささっと男子の楽屋がわりのスペースへと逃げ込んだ。


 マナカはのばらに言った。


「ごめんなさい!すぐに用意しますっ!メイク今度は失敗しません!うーん、今度は宝塚風イケメンにしたらどうかなぁ?」


「‥‥‥‥‥マナカ、こんなに客席と近いのにそこまで濃い舞台メイクは必要ないのよ。ふつーでいいから!それにこれは侍だって言っているでしょう?」


 のばらに懸念が渦巻いた。


「ミアちゃん、マナカを見張ってて!」


「あ、はい。うふふ、任せてください。」


 ミアとマナカは女子の楽屋スペースに入って行った。





「のばらさん、明日の生徒会用の椅子はどの辺がいいかなぁ?」


「そうね‥‥‥‥‥」


 ミチルとのばらは視察受け入れの相談を始めた。





 その場に二人残された雅秋とリアスの視線はぶつかり合った。



「おい、座家。次、わかってんだろうな?」


 雅秋がリアスに近寄って言った。



「‥‥‥‥俺は俺の考え通りにやる。俺の役にジェラシーっておかしくね?リアルな出来事とは違うのに。」


 リアスはそう言うと雅秋に背を向けた。


「‥‥‥‥座家、いいかげん諦めろよ。」


 雅秋はリアスの後ろ姿にそっとつぶやいた。疲れていた。



 そうこうしているうちに廊下に人の声が響きだし列が出来始めていた。

 雅秋は、はぁと息を吐いてからゲスコンに出た。






「そうね、眉はもっときりりとしているのよ!」


 マナカの隣に座ったミアが言った。


「了解!‥‥‥‥こんな感じ?」


 マナカが鏡を見ながらアイブロウペンシルで眉を濃く上げ気味に描いた。


「うん、そうそう!でね、鼻筋が通ってて‥‥‥‥」


「鼻筋‥‥‥‥じゃあ、鼻の上に一本ハイライトいれてー、サイドは影をつけてーっと‥‥‥‥‥」


 マナカは複数のブラシを使い、器用におうとつをつけた。


「でね、瞳は紫がかっていて愁いが漂っているの。口許は気品があるのよ!で、知的な雰囲気が漂っていてー、優しげで、でもたくましさもあって、でもスマートで、あの結び目からほつれた一筋の髪がまた素敵なのよ‥‥‥そして背が高くて鯉に詳しくて話し出すと止まらないのよ。でもそんな夢中に話す姿も超素敵なの!」


 ミアがほほに手のひらを当ててほほを染め夢見るように話しだした。


「‥‥‥‥ミアさん、それ無茶振り‥‥‥‥。それによくわかんないよー?」


 マナカがミアの様子に困惑した。


「あ‥‥‥あらら?私ったら‥‥‥‥うふふっ。」


 ミアがかわいらしく笑った。





 のばらがミアとマナカを呼びに来た。


「さあ、お迎えの準備よ!グリーティングに出てちょうだい‥‥‥‥マナカ!今度は素敵に出来てるじゃない!」


 マナカの顔を見てのばらが言った。


「わーい!のばらさんに褒められたー!牧野様リトライ成功ー!」


 マナカは立ち上がるとぴょんぴょん跳ねながら張り切ってグリーティングに向かった。


「さあ、私たちも。」


 のばらとミアもマナカの後ろについていった。





 予定の1時40分になり、入場が始まった。


 マナカ、のばら、リアス、ミアの順で並んで観客を迎え入れた。


 それぞれ求めに応じて写真を一緒に撮ったり、励ましの言葉を受けたりした。


 普段は声をかけづらいのばらとミアに自撮りの列が出来た。


 マナカはクラスの友達数人に囲まれメイクを冷やかされ、リアスは見知らぬ女子数人のグループに囲まれていた。


 雅秋とミチルが来てグリーティング終了が告げられた。


「すみません。残りの方は最後に時間をとりますのでここでもう席についてください。」



 その後、ミチルは立ち見でもいいという生徒を10人後ろに入れた。




 午後の部は中村の朗読によりスムーズに進行して行った。


 のばらは引き続き安定の演技を見せた。


 今回はイケメンメイクに変えたので、マナカによる笑いの箇所もなく真面目に進められた。


 おかげでマナカは今回は存分にのばらに抱きつき、のばらのナチュラルローションを浴びる事が出来た。がんばって雅秋とのばらに挑んで獲得した牧野様役2回分に大満足だった。


 ミアは午前中の演技について雅秋に小言を言われたが、気にすることなく那津姫を演じた。


 リアスもこれがミアに堂々と触れる最後のチャンスだったので思いっきりミアへ好き好きビームを浴びせながらやりきった。演技中ミアが赤くなるのがかわいくて、以前よりもミアへのいとおしさが増しているのを実感した。これで自分の出番がなくなるのは残念だった。


 明日のミアの相手役はのばらと雅秋だ。


 一方、雅秋はリアスの演技をストレスを増幅させながら見ていた。



 ーーー明日は俺の番だ。座家‥‥‥‥今日の俺のダメージを明日倍返ししてやる。楽しみにしていろ!







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ