~ゲームの味は秘密の薫り~
遥かな地
薄暗い部屋に独りゲーム三昧、操作する指先が動いている。
TV画面からゲームが進むにつれ、音が小さくなったり途切れたりして、僕は少しイライラしてしまう。
「あぁ〰️」
少しの間、画面がスローモーション・・・
いや、止まってるように見え、カクカクと音をたてているように画面がいったりきたりしていて、目をあけて見ているのがつらくなった。
つらい目を手でふさぎながら擦る手に、TV画面の温かな温度を感じて瞑った目を開けた。
開けた目に映る景色は、TV画面のとは違って五感を刺激する・・
「すぅ~」
素足に湿った緑が、指の間から生いでて鼻まで香りが届く。
目の前にキラキラの陽、顔にあたる眩しさにゲームとは違うものを今、感じている。
足から感じとれる感覚は、自分が座ったり、寝転んだり歩いたりしていた床より複雑な踏み心地。
この場所を安全と言えるほど進んでもいないし、調べてもいない。
調べながら進むためには、素足ではなく靴のかわりになる物を探さなければならず、考えながら顔を上げ、いつものように窓から空を見て考える・・・
(んッ?!!)
何かつるのような物が、大木に絡まっているのが見えた。
「お!」
(もしかして使える。)
でももし、ヤマウルシのような植物だとかぶれる。
素手で触るのはやめたほうがいい気がする・・・
自分の服のベストのポケットの中に、手をいれて探すとバンダナが入っていた。
ポケットの中のバンダナを取り出し手を被い、大木に絡むつる状の植物を掴んで思いっきり引っ張った。
ブチッブチっと音がした瞬間・・・
上からロープが落ちてくるように束になって落ちてきた。
ロープのようなつる状の植物はかなり長めで2~3mくらいは