オサーンの残していったもの・・・
そこまで見終わった俺は一度パソコンを切った。うん、シャットダウンしたよ?
するとオサーンが現れた。
「無事、帰ってきたようだね。艦艇を弄ったんだ、多少の歴史の差異は仕方がないよ。でも、ほとんど変わっていないはずだ」
と、オサーンは言う。なら一安心だな。
ため息をついていると、オサーンは前言を翻しやがった。
「日本で変化があるのは一部で大した影響はないんだけどさ、さすがにレーダーとかジェット機とか電波信管とかはやりすぎたかもねぇ・・・」
ん?いや、さっき影響ないって言った、このオサーン・・・
口に出さずとも思考が読めるらしいオサーンは続ける。
「うん、日本国内は。ただね、レーダーでちょっと船を沈めすぎちゃったし、電波信管で艦載機墜としすぎちゃって、ジェット機はトドメだったねぇ~、原爆投下は見逃したようだけど、爆撃機の損耗率がひどかったからね。アメリカ大統領とか企業の社長さんとか、修正効かないレベルで変わりそうなんだよねぇ~」
なんだよ、このオサーン、ダメすぎる。友鶴事件や第四艦隊事件起こせたんだから修正すりゃいいのに・・
「いやね、バタフライ効果っていって、何かを変えると影響が後々に響いちゃうから細かいことはいじるの止めちゃったのよ。でも、心配ないと思うよ?だって、君はこの世界の歴史を知らない。変わってても問題ない」
いい笑顔でそういうダメオサーン。これが駄女神ならまだマシだったかと思うと・・・
大体、俺の記憶はどうなるんだよ、混乱じゃ済まんだろそれ・・・
「あ、心配しなくてもあっち行った時のようにちゃんと整合させられるから。じゃあ、お疲れさま」
そのまま帰ろうとしやがる。まあ、良いが・・・
「あ、付き合ってもらったお礼はちゃんとおいていくから、楽しんでね♪」
そう付け加えやがった。
俺はそれを聞いてウキウキして再起動してゲームを開けた・・・
ん?別に特典艦とか無い。経験値や通貨が増えてるわけでもない。
「嘘つくんじゃねぇよ、あの糞が~!」
そう叫んだ時だった。
「うっさい!いくら待っても艦隊編成しないから来てやったのに、何やってんの?」
知らない奴が居た。
訂正、記憶が整合した。コイツ幼馴染だ。いや違う、幼馴染の居ないはずなのに居る妹だ。
何を言ってるのかわからないと思う。正直俺もわからない。
オサーンの言ってた「お礼」はコイツだ。某少女バンドアニメの主人公の妹並みの完璧超人を外では演じる悪魔。小がないって?要らんだろ。
オサーンの置き土産には絶望しかない。何を楽しめばいいんだよ・・・
いや、一つだけ楽しみはある、コイツ、信濃でミッドウェイを無双出来る頭脳とウデがあるんだった。
そして隣で勝手にノートPC広げて人のパソコンに接続しやがった。
「艦隊編成完了♪、さて、今日も初春育てるん?じゃあ、飛龍で援護するね」
コイツが中レベルの空母扱うと虐殺にしかならん。戦艦にしてくださいすいませんと懇願してからゲームを始めた。
ま、なんか歴史が変わったがゲームは出来るからこれで良いんじゃね?
そうそう、擬人化ゲームの旗風はあだ名が虐殺者だったけど、こっちの海戦ゲームでも似たようなもんだったことを付け加えておく。なんでもやり過ぎちゃイカンってことやね。
はい、ご都合主義です。