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どうしよう・・・、だが、やることは変わりない、よね?

何が起きたのかわからなかった。

ん?

何を言ってるのかわからない?

仕方ないじゃないか。わからないものはわからないのだよ、君。




 1935年の2月である。どうしてこうなった・・・

 本当に帰れるのかどうかわからない。もう、ハッチャケちゃおうか?

半ば、そんな思いもあったのだが、これまでの既定路線で行くことにした。ああ、そうそう、この歴史でも友鶴事件は起きました。起きないはずが、起こさないようにしたはずが起きてしまった。

 事故検証では藤本(俺)を追い落とそうと喜々として走り回る奴もいたのだが、千鳥型に欠陥は見つからなかった。原因は予期しなかった三角波と操艦ミスであるらしい。ついでに、平賀さんとはなんだか仲直りできたっぽい?状況だ。彼が欧州から持ち帰った情報で溶接に関する俺の方向性が正しかったことが証明されたのが大きかったのだろう。で、そんなことをしていたら溶接鋼の製品化に成功したらしい。うん、歴史を10年弱早めてしまった・・・

生きているし、出来たものは仕方がないので朝潮型をこれを用いた新方式で設計してやった。はい、楽しかったですよ?

 朝潮型も本来ならば三年式なんだが、軽量化の徹底という命題を立てたことで溶接の採用、軽量砲の搭載継続ということで十一年式高角砲が継続採用されマスタ。発射速度は14発/分まで向上。連装砲架にシールドという構成で搭載されることになった。初春型や白露型が単装砲架、12発/分だったことを思えば進化である。しかも、このレベルの米駆逐艦とタイマンはって殴り合えるゲーム性能がある。実戦での単発威力が三年式より低そうなのはこの際知らん。ゲーム優先だよ、君。

 ウキウキ設計していたら、第四艦隊事件まで起こってしまった。駆逐艦二隻は溶接をほとんど採用しなかったのに艦首を引きちぎられた。台風に突っ込んだこと。当時の設計基準をはるかに超える波だったことが影響しているらしい。そして、史実と違う問題が指摘される場面があった。ググってみれば溶接工法の後退が強調されているが、この世界では溶接鋼が完成し技術的にも鋼材面からも心配するほどの脆弱性は認められないと判断され、妙高の鋲弛緩が問題視されることとなった。

 結果、技術的に可能な部分から溶接を拡大し、最終的には全溶接化へ向けた技術向上が決定されることとなった。

 歴史変えちゃったんだけど、良いの?これ・・・

 そして、忘れたころに訪れる災難がもう一つ。どうしてデキちゃったの?

 約10年かかったがガスタービンが完成したそうである。試験艇を作って試験することになり、小野田君が設計している。ウォータージェットではないが外見が「はやぶさ型ミサイル艇」に見えなくもないのはなぜなのだろう・・・、きっとガスタービンだからだよね?そうに違いない。

 そして、レーダーもできやがった。これは予想していたさ。八木・宇田アンテナ型のレーダー、見た目はあれだ13号電探だな。当然、Aスコープである。ここまで歴史が変わると俺の知識もググる先生のデータすらも狂いが生じるようで、かの山本さん、米国のどっかの企業からレーダー買ったってよ。

なんか、英国式の無志向性のアンテナを使ったやつだったがレーダースコープはPPIのものが含まれていたようだ、もう、俺は知らん。

 この時は忘れていたんだよ。嘘ではない。

 なに、小野田君が「レーダーって何ですか?」と聞いてきたので『古いレーダーと言えばコレ』と思って自衛隊のOPS11対空レーダー。そう、昔っぽい八木・宇田アンテナ並べたやつのイラスト書いて渡したんだよ。「例の八木さんのアンテナを箱に何本もぶっ刺して、指向性電波を制御してクルクル回転させて360度見張るのさ♪」と、アホみたいな素人知識を披歴していたのさ・・・

 翌年の話だ。

 「あの時聞いたレーダーの試作機が完成しました」と言って小野田君が写真を持ってきた。

 早いね、山本さんが米国から新技術手に入れて1年でOPS11っぽいの作っちゃったらしい・・・

 歴史が大きく変わってしまった瞬間であった・・・




 さて、朝潮型駆逐艦や利根型航空巡洋艦が建造されてく中で、次級の話が出てきた。

 ガスタービンは試験結果は良好なのだが、予定通りの燃費で採用は見送られている。巡行用にディーゼルや蒸気タービンを使えば使えないことはないが、何せ複雑になるし冒険をおかして新機軸にしなくとも出力自体は問題ないという保守的な理由からだ。うん、思った通り。

 さて、順当に次の駆逐艦の設計だが、ある意味、俺が奪い取った。だって、ゲーム的に・・・

 次は陽炎型なんだが、さすがに十一年式では火力面で納得してもらえない。しかし、まんま三年式は使いたくない。そもそも三年式自体、重量面から避けていたので、船体の軽量化のめどが立った次期駆逐艦には絶対というのが艦隊側の要求。

 まあ、単に手をこまねいていたわけではない。退場できなかったのでちょっとやりすぎまでやろうという気になった。ただし、帰れなくなりそうなので、政治には手を出さない。

 三年式も高角砲として実用性がある方式への改良を求めていた俺。別に対空性能が欲しかったわけではない。ゲーム上の砲撃性能が欲しかっただけだ。未だに帰ることは諦めていない。絶対帰ってプレーしてやるんだ。




 色々リークサイトの技術情報を流したりもした。オーパーツにならない程度の情報を流している、まあ、あんまり未来の技術、例えば自動装填とか教えても作れないか、技術的な欠陥抱えそうなのでやっていない。代わりに、米国のMk22 5インチ砲とかの情報を渡してみた。

 結果から言おう、ちょっと無理があった。だが、やるだけはやってくれたらしい。仰角六〇度までの自由装填式、六〇度でも毎分8発は維持できて、40度以内ならば14発も可能な砲に生まれ変わっていた。これはゲームが楽しみだ。だから、あきらめていない。

 そして、設計段階で電探装備も前提にした。まだ認められていないけど・・・

 次の夕雲型はあれだ、射撃電探の装備も前提にしてやった。まだ試作段階だけど・・・

 そうそう、大和がどうなったかって?平賀さんに任せた。だって、史実の出来で不満はないもの。少し違うことといえば溶接の採用が行われたり、電探装備が考慮されたことかな。

 

 話が前後するがレーダーついでに、ガスタービン同様の思い付きで近接信管も小野田君に伝えていた。どうせ真空管の信頼性問題で実用化はできないんだけどと内心思いながら・・・

 だから、なんでそうなるの?

 歴史というのは変われば変わるものだと感心するやら呆れてしまうやら・・・

 真空管に限らず、ちょっと話しただけなんだが何がどうなったのか小野田君からKAIZEN☆が産業界に伝わってしまったらしい。予定外だ・・・、いや、想定外と言えばいいのか?

史実では戦後に出来るはずの工業規格や品質管理体制が曲がりなりにも整い始めている。良かったような困ったような。

 そのせいだ、きっと間違いない。いや、レーダー性能にも直結するんだから遅かれ早かれそうなっていたのかもしれんが、真空管の品質が向上している。そして、想定外のことが起きてしまった・・・

 

 それはとうとう俺のオリジナル、ゲームのための重巡洋艦を提案した時のことだった。3連装3基、基本的なシルエットは大和型に似ている。ただ、問題は高角砲で、主砲の3連装砲塔が思いのほかに重く、八九式高角砲では重心上昇が起きてしまうという問題が起きた。困ったのだが九八式、いやゆる長一〇センチや十一年式でも問題が解決できないことだった。

 残る方法は問題を抱えたままの九八式長八センチ高角砲の搭載。自動調定機構がいまだ不安定で使えないシロモノ・・・、だったのだが、電波信管が成功したということで、自動調定機構を省いて軽量化が達成できた九八式長八センチ高角砲改が搭載できる見込みとなった。うん、想定外だ・・・

 ついでに、ゲーム用第二弾軽巡洋艦も提案した。




 そして、戦争の気配がしだした1939年には扶桑型、伊勢型の改装計画が持ち上がっていた。こんなの史実にはない。なぜそうなったのかよくわからない・・・

 まあ、思い当たる節はいくつかある。俺の不用意な発言や行動から小説に出てくる「大神工廠」が実現してしまったこと。え?なかったの?だって、「大神工廠」ったら最近の小説でいつも大和型を超える大戦艦とか、ミッドウェイ級空母と張りあう超大型空母を建造する工廠だから実在しているものとばかり思っていた。

 どうしてこうなった・・・

 その結果だ。あれよあれよという間に九州の大神に工廠が建設され、大型艦の建造や改修に余裕ができたことで欠陥戦艦の性能見直しを思いついた奴が居たって訳。

 何でも、イタリアが戦艦の近代化でやったように3、4番砲塔を下ろし、出力向上や防御強化したいらしい、出来れば41センチ砲に換装したいということだったが、予算の事情から3,4番砲塔撤去と防御強化、機関換装だけが行われることになった。

 

 そんな話が出ているさなか、俺はどこ吹く風で他のことをやっていた。ん?なんでかって?だって重巡抱えてるんだもん。

 が、実際にはもう5年以上前からやってるから計画案は出来ちゃってるし、他人に丸投げする詳細設計以外やることなくなってたんよね♪、世間的には暇ってやつだ。

 そんな時間を無駄にするわけもなく、とにかくゲーム用に計画艦の資料を残しておくことに躍起になっていた。

 まず、ガスタービン駆逐艦の計画案が二つ。一つは重雷装艦、島風をベースにさらなる韋駄天仕様。そして、その艦の雷装を減じて砲を増やした砲撃駆逐艦。九八式高角砲シリーズの12.7センチを5門装備した和製フレッチャー。この九八式長12センチ高角砲、計画だと毎分18発らしいので即採用してやった♪

 そして、作られることはないであろう超甲巡の対案としてガスタービン戦艦を、31センチ3連装砲の代わりに扶桑、伊勢型の改装で下ろした36センチ連装砲を4基装備。そして、信濃の空母改装計画。これはゲームでは必須アイテムだ。中途半端な時期に中途半端な改装をされた信濃をできるだけ早く空母化できるようにつくっておくことにした。史実と違うのはレーダー装備を重視したため煙突が斜め煙突でも、戦後の米空母J・F・Kのそれを真似たこと。これで艦橋には障害物なくレーダーを満載できる。ついでに、大鳳がたった一発の魚雷がガソリンタンクを壊し、密閉式格納庫な上に、エレベーター故障で換気が出来ず爆沈した悲劇から、最低限、換気できるように後部エレベータを舷側式にしてみた。史実で故障したのは前部エレベーターだが、前部は波の影響を受けやすいので諦めた。

 大鳳の計画案にも舷側エレベーターを潜り込ませてみたが、採用されるかどうかはわからない。

 そうそう、完全なる創造物でしかないトップレベル重巡の計画案も作っておいた。これでゲームで偽物だの計画もない妄想だの言われはしないだろう・・・

 

さすがにご都合主義すぎる?

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