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来てしまったものは仕方がない

う~ん、さらっと流すよ、サラッと

 わけのわからんオサーンは言った。「じゃあ、作り変えてくるかい?」と。

俺は何も答えなかった。すると、「不思議の思うのはわかるが会話はできるんだよ?」と言うので、言ってみたんだ。


「小説でよくあるのは知ってる。だけど、あれって主人公が死んでアッチに転生しちゃうから帰ってこれないじゃないか。俺は歴史を変えたいんじゃない。もっと『ぼくのおもうたのしいかいせんげ~むらいふ♪』を楽しみただけなんだ」と。


 オサーン、キョトンとしやがった。

なぜそうなるのか意味が分からない。だってそうだろ?歴史を変えてみろ、俺氏消滅じゃねぇか。それではゲームができない。歴史を変えてヒャッハーしたいんじゃないんだよ俺は。そんなことに興味はないんだ。

オサーンは少し腕組みしてから言った。


「じゃあ、歴史を殆ど弄らなきゃ良い。君が未来人であることを知られず、政治に口を出さず、君の思う『ヒャッハー艦』だけ作って帰ってくればいいんじゃねぇ?」と。

非常に都合が良すぎる話だったよ。いろいろと・・・。だから、こいつバカだろという目で見ていたんだ。

するとだ、某アンドロイドギャグコミックの先輩よろしく「まっかせなさ~い」と、非常にまかせることができない暴言を吐きやがった。コイツ、ダメだ、だったら駄女神のほうが良かったと後悔したんだが、遅かった。気が付いたら向こうに飛んでいたのさ・・・

 

そこは会議室だった。詳しくは覚えていないが名前を呼ばれて誰かわからなかったが、受けごたえができてしまった。うん、わかってしまうのだから仕方がない。某憂鬱タイトルに出てくる超能力者のセリフがこうも便利だとは知らなかったよ。マヂで。


 そのあと、自分のデスクに戻るとまた訳の分からんものがった。時代にそぐわないディスプレイである。しかも、ほかの人には認識されないそれ。うん、チートだと思ったさ。オサーン、先に言えよ・・・

そう思ってまず検索したのは「自分」のこと。そうするとこの人物はどうやら1935年に死ぬらしいことが分かった。そして小躍りした。「歴史をあまりいじらずに済みそうだ」と、だが、それでは不安もある。大和にかかわる必要はないが、できれば利根に代わる重巡とレベルトップの重巡を設計すらできないやないかという不安。駆逐艦もそう。このままだとよくて白露型までだ・・・、白露に次ぐ新ルートの駆逐艦をどうにかしなきゃゲームがぁと落ち込んだ・・・

 そうはいっても仕方がない、きっとチートで設計図残して優秀な弟子でも作ればどうにかなるだろうと考えたのさ。そして行動に出た。




 誰にも分らないという不思議なソレをカチャカチャやって調べると、この人物、いろいろヤラカシていることに気が付く。いじりたくないが歴史を多少変える事が理想だと思ったね。仕方がない。あの戦争自体は変わらないんだからどうにかなるさと単純に考えることにした。そう、帰ることが目的であって変えることはできるだけしたくなかったのだから。




 転送されたのは1923年、長門の芋虫煙突の誕生直前だった。何やかんやで煙突を史実通りに弄り、何やかんやで妙高型も史実通りに、いや、ついうっかり改装後の図面をプリントしてしまい回りを唖然とさせたのちに時代に合わない部分のみを修正。正直、危なかった。

 さて、ここで問題のブツが出てきた。あの、第四艦隊事件の主役になる特型駆逐艦の話だ。

 藤本氏は溶接押しの「革新者」だったようだが、まず、ここで歴史をいじることにした。というか、アレだ。ヤラカシたのだ。会議の席で・・・


 新型駆逐艦の検討を行う席上、軽量化問題が出た。そして溶接を採用して軽量化を図るという話が行われていた。


「溶接ってなんでも溶かしてくっつけりゃあいいって簡単なもんじゃないんだよ、実はさぁ~(難しいことは覚えていないので意訳」って俺氏のたまった。周りは唖然。そして、これがヤヴァイことだと気が付いた時には祭りの後だったのだが・・・


溶接には専用の溶接鋼をまず開発しなきゃ意味がない。下手にくっつけただけじゃ脆性破壊の元だバッキャローみたいなことを言ったのだが、これが理論化されるのって実は20年以上先の話だったんよね・・・、うん、会議の後に調べて知った。が、後戻りはできずにググる先生、いや、これアンジャッシュじゃなくて何とかという人物のリークサイトだろというようなヤヴァイ情報量を持つサイトから和訳して、年号などを抜いて修正して、当時の語法に直して、いやホンと苦労して書類作って提出したのさ。うん、極秘って印も見れたしよかったんじゃね?結果、ブッキーが建造当初からメタボったのは内緒。しかも、速力問題で特Ⅲ型の機関が強化されることになり、速力増加を実現した。



 そして、運命の千鳥型なのだが、友鶴事件を知ってる俺は当初案から改装後の設計案を提案した。

ブーブー艦隊側がうるさくて非常に苦労したが、ようやくできた弟子、小野田君の働きでどうにか丸く収めた。うん、あえて言おう、コレ何者?リークサイト検索しても海軍技官簿に名前がねぇwww

だが、気にするのはやめた、オサーンの使い魔かなにかだと自分を納得させた。うん、そうしよう。

 だが、非常にウザいのが多かったのでまたヤラカシたのだよ、帰れなくなるかもなんて思っちゃいねぇ。だって、1935年に退場する人間の影響力なんてさwwと思ってました、はい。浅はかですね・・・

艦艇の中で何が容積を食うか?それは明らかに動力機関で、ここを小さく、軽く作れば他に容積を割くことができる。

当時、実用化していたのは蒸気タービンかレシプロ、ディーゼルもまだ未知数の段階だ。ただ、高速性能を言うならガスタービンだろう。ガスタービンなら、軽量化も省容積化も達成できる。なんせ、蒸気を作るボイラー無しに一基のエンジンで高出力を得られるから。

 だから、がすた~びんをぶち上げてやった。いや、調べたのさ。そしたら歴史は西暦の始まり頃にまで遡るし、実用一歩手前の試作が1903年に完成していた。

で、それを突き付けて、「てめぇ~らがいう艦艇はこいつがなきゃできないんだ、ば~か(意訳」と軽くあしらってやった。非常に後悔している。だってそうだろ、史実で実用艦が出るのはまだ30年も先のオーパーツなんだぜ?できないことをいうアホを黙らせるにはできないことを示すしかない。と思ったのさ。しかも、ガスタービンの古さを知って、ホイットルの言葉を読み飛ばしていた・・・、彼曰く「1903年のエリングの業績知ってたら10年開発早まってるよ!」だそうだ。いや、ヤラカシ過ぎたよ・・・

 まあ、それを知ったのは冷静になって機関開発の連中から「がすたーびんってもうできちゃうの?」と聞かれて調べた時の話だった。うん、頭抱えた。が、遅かったのでジェットエンジンにつながらないように舶用タービンから派生した重構造ガスタービンの概念を彼らに渡してさっさと逃げた。どうせ1935年までに実用化しないんだから関係ないと・・・




ガスタービンって、発想自体は古くからあったことにちょっとびっくり。

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