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フランムend A 泣きながら


室内の椅子に座りながら待っていると、フランムが様子を伺いにやってきた。


「ぐすん……どうして私がこんな目に」

「……そんなわざとらしい泣き落としで騙されると思うか?」


ああ、やっぱり駄目だった。感情に嘘をつくのは苦手だわ。


「ここから出して」


そうでないなら武力行使に出るのも辞さない覚悟よ。


「あと2時間待て」


もう取り繕う必要がない彼は高圧的に答えた。こっちが彼の本性のようね。


「……もしかしてアンヴァートに進軍しているの?」


この状況でなんとなく彼が戦と関係していると感じた。

はっきり言わなかったが彼は少しだけ同様を見せたので、この予想は的中したようだ。


「もう観念したらどうなの?」

「……フランム!」


窓から入ってきたのは、もう一人のフランム!?


「二人?」

「ご説明します。ひとまず表に出よう」


◇◇◇


結論から言うと今現れたのが本物のフランムで、これまで話していたのが偽物だった。


フランムは生まれたとき別たれた自分とよく似た双子の兄フレイムがいた。

 双子だと縁起が悪いことからフランムは両親のいるジュプス大国に名を冠したプリパルド家で弟ながらプリパルド公爵家の嫡子として育った。


片やフレイムは母方の家であるウィラネス公国のハーゲンティ子爵家で育つ。

忌まれたのはかつて子爵家で、双子の兄弟が争ってどちらも命を落としたからだそう。


ハーゲンティとは弟への妬みからフランムに成り済まして名乗ったものだったようだ。



「まさか私と初めに会っていたのがフレイムだったなんて……」


よほど本性を隠すのがうまいのか、まったく見抜くことができなかった。


◇◇◇


あれから本物のフランム様と結婚できたので、様々な問題が強引ながら片付いた。

あっという間で、夢でも見ていたような気分だ。


「……これでよかったのかしら」


部屋で一人になり、自分に問いかける。誰も怪我せず争いも収まったから、良かったに違いない。

彼のことをこれから知っていけばいいのよ。ちょっと不思議な出会い方の政略結婚だけれどね。


【actor】

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