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ファイリオ end C 知力

知力を鍛えると言ってもなにをすればいいかわからない為、取り合えず知識の宝庫たる書棚を漁る。


――狡猾な魔術師に騙されないように対処したい。

そんな本はないので、この先の行動は手詰まりである。


「浮かない顔をしてどうしたビバーチェア」


オルヴェンズが心配そうに私の様子をうかがう。


――考えてみると、頭のいい二人がいるのに知力を上げようなんてたかが知れた事を考えるなんて浅はかだったわ。


「リグルスのようなインチキマジシャンに騙されないように賢くなりたいわ」

「これでも読んでおけ」


――おとなしく彼に渡された本を読んでおこう。


「すぐできる黒魔術」



なんだか読んだら呪われそうな本。


「陛下、ロドゥナウ領から報告があがりました」


ロドゥナウ領はファイリオの城がある場所だが、彼は元気にしてるのだろうか。

国境問題について大きな音沙汰はないことから、無事だと思いたい。

――しかし彼の元に間者がいるかもしれないと言っていたので、もしかすると間者に城を乗っ取られていないとも限らない。

あの封書がファイリオの手記でない可能性もある。


「なあ聞いたかフィエールがグリテアを襲撃したらしい」


書斎の近くで警備をする兵士が隣の兵士へ語りかけた。


「諜報部隊が実際に焼けているのを観たらしいから本当だろうな」


今回の話ではグリテアを狙うと見せ掛けこのアンヴァートを狙っているとも考えられていた。


「和平がうまくいったんだろう」

「ああ、ラヴィーニャ嬢の気質はあちらにぴったりだろうからな」


――炎戦と硝煙の国とされるフィエール。そんな非道の国へ嫁いだラヴィーニャさんは元気にしているのかしら。


「しかしあの国の野菜が食べられなくなるのは困るな」

「この国が救われたとはいえ、グリテアの作物がないと困るな」


兵士達は口々に語っているがまったくその通りだ。

当のフィエール人は肉ばかり食べているので野菜がなくても困らないのだろう。

それ故に彼らは短命で、だから作物がなければ我々は困る。


「そういや以前キャロートがなくて、気にせずにシチウを作ったらこれじゃない味だったぜ」

「この世にいらないものは無いってことだな」


私は本を閉じて、剣術の稽古へ向かう。その前に料理長にシチウはを作る予定はないかたずねにいって、稽古が終わったらファイリオに手紙を書こう。

――私にできることなんて日々の移り変わりに気を揉むくらいだ。


【connection 繋がる】

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