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神さまに逆らうな!  作者: つなかん
三章 死角
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Q 遊離する暗雲

 5月8日 日曜日。

 明日から学校だ。葬式とかでバタバタしていたため、宿題が終わらない。

 いつもどこにいるか分からないクソババアが家にいる。珍しいこともあるものだ。友一がいないくなったから寂しいのかもしれない。

 本当の親子だからかしら? 私のほうが悲しいのではないの? 私には悲しむ権利はないの?

 私は、絶望の中で、下手な犬かきをしている気分。胃が痛くって、常に息が苦しくて、どうして死なないのかすごく不思議。とにかく憂鬱で、いっそ死んでしまったほうがいいんじゃないかと思う。

 クソ兄貴は六時から合コンがあるとかで出かけていった。あいつこそもう二度と帰って来て欲しくないのに……。

 どうして友一が死んだのか、皆目検討がつかない。分からない、わからない。どうして友一は自殺してしまったんだろう? 分からない。私達はあんなにも幸せだったのに……。友一は何が不満だったのだろう? そもそも不満を持っていたのだろうか? あんなにも愛していたのに。考えると、怖くなる。おろおろして、気持ちが悪い。

 自分の意思で死んだとは今だに信じられない。友一はどこかで生きているような気がして仕方がない。また呼んで欲しい――「姉さん」と。もう無理だ。誰でもいいからそう呼んでくれる人は居ないものか……。

 しかし、仮に居たとしても気持ちが悪いだけかもしれない。よく分からない。私はもう意味が分からない。分からん。もういい。明日は雨になりますように。


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