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Q ダダイスム
「ところで爆弾なんて何に使うの? マジで」
チラリと田島に視線を向けて言う。相変わらず掃除に勤しむ彼は、集中していて人の話を聞いている風には見えない。
うつろな瞳で壁を見つめ、小さく口を動かす。
「建物が呪われているから壊さないといけないんだ。でも、被害が大きいといけないし、ワープも可能なんだろ」
「いや、それはない」
田島の言いたいことは半分も分からなかったが、しかし建物が崩れるのは芸術であるように思えた。学校というおぞましい空間がなくなってしまう様子が見てみたい気もした。




