ぴりかぴりらら
今回も偏見に凝り固まっている女性のお話です(^^;)
「アラサーの崖っぷちまで来て独り身なんて顔向けできないでしょ?! お母さんだっていつも言ってるじゃない!」
『そんなキツイ言い方せんでもエエやん!』
「今、得意先を接待中なの!切るね!!」
生まれも育ちも関東圏だったのに、すっかり毒されている母の関西訛りにもイライラして私は乱暴に画面をタップして電話を切った。
本当は、仕事帰りのカフェバーでパスタをアテに一人酒をしていたのだが……たった今、母の口の端に上った……実家に舞い込んで来た同窓会への案内ハガキが、私に子供の頃の黒歴史をまざまざと思い出させたのだ!!
小学校4年の時、父の左遷のせいで埼玉の越谷から大阪市内へ引っ越した。
振り当てられたクラスは……何かあるとすぐ泣いてしまい、学級運営もろくにできないクズ教師が担任で……関東圏からの転校生だった私はいじめの格好な標的となってしまった。
なんとか馴染もうと必死に大阪弁を真似てみたのだが私に付けられたあだ名は『パメ』!!
その由来は、当時流行っていた『魔女っ娘もの』のサブキャラで……このキャラをアテていた声優の大阪弁が致命的に下手で……ウチのクラスではバカにされていた存在であり、そのキャラが使う魔法の呪文の頭の部分が『パメ』だったのだ。
このいじめの空気は中学になっても持ち上がりで……厨二の男子三人が私の机の前で自分達が掘り起こして来た“悪趣味な”埼玉のご当地ソングを歌い上げてクラス皆が爆笑し、その日から私のあだ名は『まんぞう』になった。
もう大阪が嫌で嫌でたまらなかった私は東京で独り暮らしをしている叔母を頼って都内の女子高に通い、そこでようやく人並みのスキルを身に着ける事が出来はしたが……今現在も生身の男子へのトラウマを払拭するには至っていない。
そんな私が、今どうなっているかと言うと……会社ではささやかな管理職の椅子でとぐろを巻いている“お局様”。
目の敵にしているのは専ら関西人で……“その手の”後輩や部下の話す標準語が少しでも訛っていようものなら……
「そこのブラインドを上げて窓の外を御覧なさい! 見えるのは東京タワー! 通天閣じゃなくってよ! ここ日本の中心では関西人が一番!!嫌われるの!! 秒で直しなさい!! そうでなければ、あなた達の言う所の『直す』と言う意味合いであなた方の“席”も考えさせてもらうわ!」とチリチリチリチリいたぶっている。
こうやって女の子は骨の髄まで恐怖を滲み込ませる様に持って行くが、男にはもっと容赦しない!
そいつの外堀内堀と埋め固めて行って……いつの間にか居なくなる様に“直している”。
勿論、そんな力を保ち続ける為に仕事には全身全霊で打ち込んでいるから……週末は家(と言っても中古マンションだが)に引き籠って、二次元の王子様に抱かれたがっている「貴腐人」もしくは「お超腐人」予備軍と化している。
斯様にアニメも大好きな私ではあるが、一つだけ嫌いな作品は……
「ぴりかぴりらら」って呪文を叫ぶ、某シリーズだ。
おしまい
本当にごめんなさい<m(__)m>
黒楓自身が思っているわけではないのですが、これに近い気質に人がかつての同僚で居りました(-_-;)
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