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空上の戦い(一)




キズモノとワカモノ、二体のケタリングは空中で激しく身をぶつけ合っていた。

「あははは!どうだ?オレとこいつも、なかなかのもんだろ!」

キズモノの背に乗るディンゴは、満面の笑みを浮かべていた。

「なんのつもりだ、てめえ!」

一方、ワカモノに乗るレオンは、額に太く血管を浮かび上がらせていた。

「遊びじゃねえんだ、殺す気でこい!」

「つれないこというなよ、レオン。アンタだって本当は楽しくてしょうがないくせに」

ディンゴはそう言うと、自身の操る光球を上昇させた。

キズモノはそれに引かれて急上昇する。

レオンは舌を打ち、すぐにその後を追った。

初秋の高い空を、二体はすさまじい速度で飛び上がっていく。

一帯に広がる波状雲を突き抜け、エレヴァンの外側、氷雪に閉ざされた大地が見渡せる高さに至ってようやく二体は上昇をやめた。

「さみいなあ!」

上空八千メートル。

気温はマイナス十度近く、耳に痛いほどの強風が吹きつけてくる。

気圧も低く、酸素濃度は地上の三分の一ほどしかない。

長く留まれば命に関わるこの場所で、ディンゴはあえてキズモノを留め置いた。

「話をするにはちょっと風が強すぎるな」

レオンはディンゴの言葉を無視し、ワカモノにキズモノを襲わせた。

ワカモノはキズモノの尾に噛みついた。

ディンゴに止まれと指示されたキズモノは、ワカモノの攻撃を避けることなく受け入れた。ワカモノは噛みついたまま、キズモノごと急降下しようとする。そうはさせまいと、ディンゴは素早く光球を弾き、閃光を走らせる。

キズモノは身をくねらせ、ワカモノの尾に噛みついた。

尾を相食んだ二体はひとつの巨大な輪となる。

ディンゴは狙い通りとでもいうように口笛を鳴らし、尾を伝って、ワカモノの背へ飛び移った。

レオンは躊躇なく、黒曜石を手に切りかかる。

「おっ!わっ!ちょ、ちょっと待ってくれって!」

ディンゴは踊る様にそれを躱しながら、両手をあげた。

「聞いてくれよ!――――オレはアンタと話がしたいんだって!」

レオンはディンゴの足を払う。

体勢を崩したディンゴは、強風に煽られ、その身を宙に浮かせてしまう。

レオンは無防備になったディンゴの襟首をつかみ、ケタリングの背に叩きつける。

「ぐえっ!」

押し倒され、動きを封じられたディンゴは、まるで危機感のない調子で言った。

「はは、あぶねえ。落ちるかと思った」

口の減らねえやつだな、とレオンは吐き捨てる。

「本当の目的はなんだ?」

「目的?」

「しらばっくれんなよ。お前、カイを殺す気も、おれを殺す気もないだろ」

ディンゴは肩をすくめる。

「殺すのもおもしろそうだとは思ってるよ」

「てめえ……」

「でもたしかに、他の連中とは違うな。だってオレ、ほかのやつらと違って、復讐にきたんじゃねえからな」

やっぱりな、とレオンは吐き捨てる。

「じゃあなにをしにきたんだ」

「決まってるだろ。――――レオン、アンタに会いに来たんだ」

ディンゴは興奮を隠さず、早口で、上ずった声で言った。

「ケタリングを手に入れたときから、ずっとアンタに会いたかった。いつ会いに行こうかって、ずっと考えてたんだよ。いつでも会いにいけたけど、それじゃつまんねえだろ?どうせなら面白い方がいいからな。アンタをびっくりさせたかったし。それで機会を待って、待って、待ち続けて――――ようやく今日だ!待ったかいがあったよ。まさかあの異界人が生きてるなんてな!それにノヴァがあんなふうにキレちまうなんて、思っても見なかった。ははは!傑作だよな!アンタと再会するのに、これ以上ない舞台だったよ!」

「……お前、本当に、なにがあったんだ?」

レオンは訝しむ。

「そんなふざけたやつじゃなかったはずだ。一体、この五年でなにがあった?」

ディンゴは眉を跳ね上げ、おどけた表情を作る。

「なにもねえよ。アンタが知らなかっただけで、オレはもとから、こうだよ」

ディンゴは右手の人差し指を振り上げる。

レオンに馬乗りされ、両手首をつかまれたディンゴだったが、光球を動かすには、指一本あればよかった。

「っ!」

飛んできた光球が直撃し、レオンの額が割れる。

ディンゴはその隙をついて、レオンの下から抜け出し、距離をとる。

「ちっ……!」

レオンは舌を打ち、額から流れる血を乱暴に拭うが、出血はすぐに止まらず、強風にあおられて、横へ流れていった。

ディンゴは再び光球をレオン目がけて飛ばす。

レオンはケタリングの眼前に飛ばしていた黒曜石を引き戻し、相殺する。

ガチャン!!

ふたつの光球は衝突し、火花のように砕け散っていった。

「まあオレ自身も、知らなかったんだけどな。本来のオレがこうだってことを」

ディンゴは足元に散らばった破片を踏みつぶしながら言った。

「いやもしかしたら、ガキのころはこうだったのかもしれねえけど。山にいた頃のことはぼんやりとしか覚えてないからなあ。まだ五歳にもなってなかったしさ。――――でも芸座に入れられてからのことはよく覚えてるぜ。とにかくすべてを我慢しなきゃいけなかったからな」




五歳で旅芸人の一座に入ったディンゴは、恥辱に耐え忍ぶ日々を過ごさなければならなかった。

ディンゴを芸座に預けたのはレオンだった。預けるにあたりレオンは座長に大金を支払い、決してディンゴを粗末に扱わないよう約束させていた。それも一度だけではない。レオンはディンゴの様子を見に来るたびに、座長に金をつかませ、よく言い含めていた。

働かせるなとはいわない。けれど必ず、他の者と同等に扱うこと。不当に虐げることはもちろん、贔屓もあってはならない、と。

座長はレオンと昔馴染みの、義理堅い女だった。

彼女は約束を守った。

幼いディンゴを見習いの一人として扱い、仕事を与えた。

働いた分の報酬はきちんと支払い、食事も、寝床も、他の者たちと同じように与えてやった。

しかしそれでも、彼は座の中で浮いていた。

エレヴァンには就学義務も就業制限もない。

特に芸座のような場所では、幼くして働く子供もそう珍しくはない。ディンゴもはじめは快く迎えられたが、ウルフという特別な一族の出自で彼は、なにもかもが他人と違った。

彼の肌は黒く、髪は白かった。

エレヴァンに住む人間はみな同じ肌色をしている。白色と黄色の中間のような色で、どれだけ日に焼けても、ディンゴのような黒鳶色になることはない。

髪は肌と異なり、金から赤、黒と、人によってさまざまだが、しかし五歳の子どもが、老人のような白髪を生やすことはない。

エレヴァンに生きる人種はひとつだけのはずだが、ディンゴはまるで別の人種であるかのような容貌をしていた。

そしてさらに、彼は特別に秀でていた。

賢く、聡く、もの覚えが良かった。身体能力も霊能力も、まるで及ぶ者がなかった。大抵の芸は三回も見ればものにすることができた。

彼は天才で、超人だった。

芸座の人間はそれぞれ特技を持っている。特技を生かして芸とする。しかしディンゴはすべてを網羅し、凌駕した。

当然、彼は妬まれた。

煙たがられ、疎まれ、悪意のある噂がささやかれるようになった。

獣に育てられていた。

朝廷で霊術の実験台だった。

親殺し。

災いを呼ぶ子。

根も葉もないそれらの噂を、ディンゴはもちろん否定した。かといって真実を明かすことはしなかった。

彼は自分がウルフであることを知っていた。

ウルフがこの世界の祖であった特別な一族で、しかし皇家によりその存在を無き者とされていることを。

存在が公になればただでは済まないだろうということを、よく理解していた。


ディンゴの他にもウルフの血を持つ子供はいた。

彼らはレオンの采配で、商家や宿屋といった場所にそれぞれ引き取られている。その子たちもたしかにウルフだが、その特色はあまり受け継がなかった。壮健な肉体を持っているが、ディンゴほど飛びぬけているわけではない。外見も同様に、肌は浅黒いが、みな髪も黒く、胸に円環の紋様が浮き出ることもなかった。

彼らは黙っていれば、充分ふつうの子どもとして生活していくことができた。

もし自分はウルフであると名乗りをあげても、信じる者はまずいないだろう。

けれどディンゴの場合は、そうもいかない。

彼はレオンと同じく、ウルフの血を、濃く受け継いでいた。

頑強な肉体。高い身体能力。象牙色の髪に、褐色の肌。

ケタリングの操者の証といわれる胸の紋様。

彼はウルフそのものだった。ウルフを知るのは朝廷でも皇帝含めたごく一部のものだけだったが、彼の特色を聞けば、すぐに本物だと気づいただろう。

だからこそディンゴは、その正体を明かすことを、固く禁じられていた。

彼は外に出るときはいつも指先まで隠れる長袖をまとい、面や笠で顔を隠した。肌を全く見せないそのなりはいつも訝しまれたが、病気のためと偽って誤魔化した。

おかげで彼は座外の者とほとんど交流を持つことがなかった。

座内では素面で過ごしていたが、だからといってディンゴに近づいてくる者はいなかった。彼は異物として扱われた。

さまざまな噂が彼の姿をより際立たせた。

その能力故に妬まれ、避けられた。

誰もが芸を奪われることを恐れていた。

表立って排斥されていたわけではない。

ただ彼と他の座員との間には、距離があった。

決して埋まらない大きな溝があった。


ディンゴ・レオンはその少年期を、閉鎖的な場所で、孤独に過ごさなければならなかった。

狭い折の中で、翼を折り畳み、爪を隠して、生きなければならなかった。

そんな彼にとって、レオンはたった一人の生きる希望だった。

レオンがいたから、彼は抑圧された環境に耐えることができた。

人と見た目が違うこと。人より秀でていること。

それに理由があることを彼は知っていた。

自分が独りではないことを知っていた。

ディンゴは確かに特別だが、レオンもそうであるように、ウルフはみな特別だった。

彼と同じ外見、同じ力を持っていた。

五歳で芸座に入ったディンゴは、山で暮らしていた時のことを、鮮明には覚えていない。なぜ自分が山を下りなければならなかったのか、その理由も知らない。

レオンに何度も問いただしたが、彼の答えはいつも同じだった。


「いつかきっとお前も自分のケタリングを見つけるだろう。そのときにすべてを話す。この世界はおれたちが生きるには窮屈だ。だが飛び方を知るまでは、ここで生きてかなきゃなんねえ。辛くても、いまは耐えろ。力をつけろ。技を磨け。そうすれば、いつか翼を手に入れたとき、世界はお前のものになる」


レオンの言葉を信じて、ディンゴは孤独に耐えていた。

彼は夢に見ていた。

いつかレオンとともに空を駆けることを。

ウルフ族の住む山に帰り、仲間と共に生活することを。


それが叶わぬ願いであるとは知らずに。




「ガキのおれがなにもかもを我慢できたのは、アンタがいたからだよ」

ディンゴはまた新たな硝子球を取りだした。

硝子球は夕日を反射し、彼の顔に光を散らした。

「アンタを信じていたからだよ。――――親がいないことにも、見た目が人と違うことにも、どこにも馴染めないことにも、全部耐えられたのは、いつかオレは翼を手に入れて、空を飛べると思ってたからだ」

ディンゴは硝子球越しに夕日を眺めた。

曇天の空色をした瞳に、小さな日が差し込んだ。

「空にはアンタがいる。自分と同じような仲間がいる。オレには本来生きるべき場所がある。オレはいつかそこに帰ることができる。それは――――オレのたったひとつの希望だった。だからアンタの所業を知ったときは、ほんと、どうにかなりそうだったぜ」

ディンゴは硝子球越しにレオンを眺める。

「嘘だと思ったよ。会ったばっかりのラプソの連中にそんなこと言われても、なあ?信じられるわけねえよなあ?十二歳のおれにとっちゃアンタは兄貴で親代わりで、絶対の存在なんだから。嘘だって、適当なこと言ったラプソのやつらぶちのめそうって、アンタなら言ってくれると思っておれは聞いたんだ。そしたらアンタ馬鹿正直に認めるんだもんな!」

ディンゴは声をあげて笑った。

目じりに涙を浮かべながら、腹を抱えて、しばらくの間笑い続けた。

レオンはそれを、何も言わずに、睨んでいた。

「ははは……はあ。なんだよ、しらけてんな。おもしろくないか?」

「おもしろくねえよ」

「はは、まあ、そりゃそうか。当時のオレだってそうだったしな。――――ふざけるな、と思ったよ。ガキのオレの女々しい悩みは、実は全部アンタのせいだったんだからな」

ディンゴは硝子球を手の内に隠すように握りしめ、レオンを睨み返した。

かつて、ディンゴにとってレオンは途方もなく大きな存在だった。

けれど今では対等だった。

同じ翼を持ち、同じ目線で語り合うことができた。

「アンタも知ってるだろ?オレたちこんななりして、外じゃまともに生きていけねえ。病人扱いか、化け物扱いか、ろくなもんじゃねえ。――――ガキのオレはいつも夢見てたよ。家族がいれば、同族がいれば、同じ見た目のやつがもっといればよかったのにって。それかさあ、オレの見た目がほかのやつらと同じならよかったのにって。そうすりゃ、苛められることも、煙たがられることもない。世界から弾かることはなかったのにってな。――――本気で思ってたんだぜ?かわいそうだろ?ばかだよなあ、なにも知らなかったとはいえさ」

ディンゴの語り口は軽い。

まるで他人であるかのように、過去の自分を冷笑していた。

「ウルフがなにをしようとしていたかは、どうでもよかった。復権とか名誉の回復とか、どうでもよかったんだ。オレはただ、山の中で仲間と暮らしていたかったんだ。だって山でなら、顔を隠さずに堂々と歩けたし、飯だって大勢と笑い合って食えた。親と一緒に眠ることも――――だからアンタを憎んだんだ。憎まずにはいられなかったんだ」

許してくれよ、とディンゴは肩をすくめた

「ガキなら当然の願いだろ?」

「……いまのお前はちがうのか」

「あ?」

「おれが憎くないのか」

「むしろ感謝してるよ!だってアンタがオレに真実を隠してたのは、オレのためだったんだもんな?」

「あ?なにを根拠に――――」

「だってアンタ、同族殺しのことこそ言わなかったが、オレにいろいろ教えてくれたじゃねえか。狩りの仕方から、ケンカの仕方、ケタリングの操り方だって、全部アンタが教えてくれた。芸座にいる限り、食うにも寝るにもこまることがなかったオレに、アンタがいろいろ仕込んだのは、なあ、オレのためだろ?真実を知ったオレが、その後アンタの教えを素直に聞くわけねえからな。アンタはオレを充分に育ててから、本当のことを話すつもりだったんだろ?」

「……隠し続けたかもしれねえだろ」

「いいや、アンタは必ず言った。すべてをオレに話したさ」

ディンゴは断言する。

レオンのことなど、すべてわかりきっているとでもいうように。

「アンタはオレを自分と同じくらい強くするつもりだった。オレがケタリングを手に入れて、アンタと同じくらい自由に飛べるようになってはじめて、すべてを明かしただろうな。オレがアンタを憎んで、殺そうとしたとき、対等であるように。ガキのオレじゃ、どんなにアンタを憎んでも、アンタに傷一つつけることはできなかった。それにアンタも、黙ってやられるやつじゃない。アンタは待ってたんだろ?オレがアンタを殺せるくらい強くなるのを。そしたらアンタも、本気で抵抗できるもんな。恨みっこ無しの真剣勝負なら、互いに文句もない。はは!アンタってほんと、難儀な性分だよな!」

哄笑するディンゴに、レオンは冷やかで、どこか哀れんでいるようでもある視線を投げかける。

「知った口を聞くんじゃねえよ」

「まあそういうなよ、兄弟。八年ぶりの再会なんだぜ。浮かれてんだ。多少舌が滑っちまうことくらい、見逃してくれよ」

「おれを憎んでいないというなら、なぜやつらに手を貸す?」

「それはまあ、話せば長くなるんだけどさあ」

「手短に話せ」

レオンは強風に負けないくらい大きな音を立てて舌を打つ。

ディンゴはにやついて肩をすくめる。

「わかったよ。まったくせっかちな兄貴だぜ。――――でも安心してくれよ。いろいろあって今はアイツらといるけど、オレは本当に、アンタを憎んでない。当然あの異界人も」

ディンゴは空を見上げた。

西の空は赤く燃え上がり、東の空は青ざめていた。

黄昏時。昼と夜の間の時間。

彼が見上げる空には雲一つ、鳥の影一つなかった。

天回、ぴたりと空に張り付く二重の黒円さえなければ、空はなにもない、まっさらな場所だった。

ディンゴは片手を眼前に伸ばし、天回を自らの視界から遮った。

そしてうっすらとほほ笑んだ。

「オレはもう全部、どうでもよくなったんだ」

「ディンゴ……」

「アンタはよく知ってるはずだ。これはオレとアンタだけが知ってる感情だからな」

レオンはディンゴの視線を追った。

境目は曖昧だが、赤と青の二色にはっきりと分かれた空が、そこにはあった。

「夜明け空みてえな夕暮れだな」

ディンゴは呟いた。

レオンは同意するように鼻を鳴らし、ディンゴと同じく、眼前に手をかざし、天回を視界から遮った。

それを横目に、ディンゴは笑みを深くする。


「けっきょく飛べさえすればいいんだ。オレたちウルフは」

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