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世界を滅ぼした救世主

カイも、ラウラも、それが誰なのか、すぐに気づくことはできなかった。

「ヤクート……」

アフィーだけが、一目見て、彼の名を呼んだ。

「生きていたのか、アフィー」

ヤクートはアフィ―を、ラウラを、シェルティを見て、裂けた唇を大きく開いた。

「――――そうか。そういうことか……!」

ヤクートは笑った。

折れかけた前歯を震わせながら、叫ぶように笑った。

「ヤクート……?」

カイに怯えた瞳を向けられて、ヤクートはぴたりと笑いを止める。

「――――死んだんだと思ってたよ」

ヤクートは窪んだ目をカイに向けた。

焼け爛れ、収縮した皮膚は、ヤクートの目を没した。

目というよりは、顔に掘られた穴だった。

深く、底のない、暗闇だった。

「カイが、縮地を投げ出したって、おれ、信じてなかったよ。あいつらも、きっといつもの根も葉もない噂だって、そう信じてた。だからずっと、飛車を守ってた。命をかけて……」

ヤクートはカイににじり寄っていく。

「それなのに――――なあ?見ただろ。あいつら、殺されたんだぜ?裏切り者って。異界人と結託した、裏切り者だって、袋叩きにされて、吊るされて、死んだんだぜ」

シェルティはカイをその背に庇おうとしたが、ヤクートに蹴り倒される。

「やめろ!」

カイは叫ぶ。

「黙れ!」

ヤクートはカイの顎を蹴り上げる。

舌を噛んだカイは、口を押えて悶える。

「あいつらが何度やめてくれと叫んだと思ってるんだ!」

ヤクートはまたシェルティに狙いを定め、足蹴にする。

「あいつらはお前を信じて飛車を守り抜いた。それなのにお前は――――おれらを、みんなを見捨てて、のうのうと生き延びやがって!」

「ヤクート!」

アフィーがヤクートに飛び掛かる。

二人はもみ合いになる。ヤクートはアフィーを組み伏せようとするが、アフィーは絡みつけられた腕に噛みつき、ヤクートの足を勢いよく踏みつける。

「ぐっ……!」

よろけるヤクートの眼前に、アフィーは懐から抜き出した小刀を突き付ける。

「っ!」

アフィーはヤクートを睨みつける。

「動くな!」

小刀は小刻みに震えている。

二人が膠着状態に入ると、ラウラは叫んだ。

「――――知らないんです!」

ヤクートが両目の深い穴を、ラウラに向ける。

ラウラは怯んだが、声を震わせながらも、続ける。

「わ、私たち、まだ、なにも知らないんです。天回が起こったあの日から、今日まで、何が起こったのか――――」

「見え透いた嘘はよせ!」

ヤクートはまるで耳を傾けない。

「あの災嵐の中、どこにいたら、なにも知らずに今日まで過ごせるというんだ!?そんなことは――――」

ありえない、と、ヤクートは尻すぼみに言いながら、カイに視線を移した。

「――――おい、まさか――――縮地か?」

カイはヤクートから顔を背ける。

「嘘だろ?」

「……」

「縮地、したのか?――――自分だけ?――――ここにいる、こいつらとだけで?」

カイは両の拳をきつく握りしめる。

「……ごめん」

ヤクートは震える。

ガチガチと激しく歯を鳴らす。

「なにやってるんだ……?」

折れかけていた前歯が、足元に落ちる。

「なあ、カイ、お前、自分がなにやったかわかってるのか……?」

ヤクートはカイに向かって一歩踏み出す。

「見殺しにしたんだぞ、お前」

アフィーの構える小刀が喉に食い込む。

「自分と、こいつら以外の全員を、災嵐に置き去りにしたんだぞ」

喉が薄く避け、血が滴る。

しかしヤクートはまるで意に介していなかった。

喉元の刃など、少しも恐れてはいなかった。

「ずっと待ってたのに。絶対、お前が助けてくれるって」

カイは耳を塞いだ。

「ずっと信じていたのに」

カイは追及に耐えられなかった。

「みんな死んだぞ」

けれどヤクートの叫びは、両手だけでは到底防ぐことなどできなかった。


「お前を庇ったから、みんなは殺されたんだぞ!」




あの日、ラプソの女たちと共に山を下ったヤクートは、途中で女たちと別れ、南都へ向かった。

ラウラを南都まで送り届けたという父親と合流するためだ。

しかし、シェルティの演説で落着きをみせたものの、依然人であふれかえる郊外で、彼はついに父親を見つけだすことは敵わなかった。

それどころか吹雪は激しさを増し、ケタリングまで飛来をはじめた。

ヤクートははじめこそ郊外の一角で縮地の発動をひたすらに待ち続けたが、南都の防壁が崩れるのを目にし、つい悟った。

カイは失敗したのだ、と。


ヤクートは友人のもとへ走った。

南部で飛車を守る二人の友人、ベルナールとバーナードの双子の兄弟は、それぞれケタリングに破壊された飛車を前に、途方に暮れていた。

彼らは飛車を守りきれなかったことを悔いていた。カイに申し訳が立たない、と。

ヤクートもまた同じ心持ちだった。

三人は互いを励まし合い、助け合い、耐え忍んだ。

三人は若く、体力にも霊力にも恵まれていたが、この九日間に、何度も命を落としかけた。

互いがいたから、彼らは乗り越えることができた。

三人は互いの命を繋ぎ合って、どうにか災嵐を生き延びた。

天回が再び姿を現し、雲間から差す光を浴びて、三人ははじめて涙を流した。

それは自分が生き延びたことよりも、他の二人が生き残ったことを喜ぶ涙だった。

無二の友が生きている。

その事実が、三人に活力を与えた。

破壊され尽くした街を、無数の遺体を目にしても、彼らは絶望しなかった。

生き抜いた者には務めがあるはずだ、と意気込んでさえいた。


三人は一度別れ、それぞれの故郷に帰った。

家族の安否を確かめるためだ。

西都と中央都市の間に位置するヤクートの家は、故郷は、跡形もなくなっていた。

そこにはただ焦土があった。

林業を生業とするダルマチア家が管理していた針葉樹林は、炭化した倒木の横たわる荒れ地に様変わりしていた。

焼け焦げた馬と人の骸があるばかりで、生きている人間は誰もいなかった。

ヤクートは目につく限りの骸を集めて火をつけた。

災嵐で死んだ者の魂は、二度とこの地に戻ってくることはない。

母とも、愛馬とも、きょうだい同然の子弟たちとも、二度と相まみえることはない。

生きている間も、死んでからも、ヤクートの祈りが、呼びかけが、彼らのもとに届くことはない。

それでもヤクートは、丁重に骸を葬った。

骸にわずかなでも魂が残っていることを信じて、魂のほんの一部でもエレヴァンの中に残ることを願って、静かな弔葬を執り行った。

弔いが済むと、ヤクートは中央都市、朝廷でヤクートとベルナールと落ち合った。

彼らの家も、ダルマチア家と同じような状態だった。

家族は死に絶え、故郷は跡形もなくなっていた。

三人は改めて、互いが無事であったことの奇跡を、噛み締めた。

生き残った自分たちで、エレヴァンを再建していかなければならないと、決意を強くした。


中央都市は他の都市と同じように、瓦礫の広野と化していた。

彼らはそこで、カイの逃亡を知った。

天回が消えた翌々日、縮地を発動する直前になって、カイは鐘塔から南に向かって飛び去ってしまったという。

生き残った人びとは、口を揃えてそう言った。

カイは逃げたのだと。

三人はそれを否定した。

カイは、自分たちを救うために南へ向かったのだと信じていたからだ。

あのまま縮地を発動していたら、飛車が機能不全に陥っていた南部のみが、災嵐の中に取り残されることになる。

南部の人びとを、自分たちをはじめとした南部の飛車についた級友を守るためにカイは動いたのだと、三人は思い込んでいた。

カイが自分たちを見捨てるはずないと。

彼らの主張は、生き残った人々の反感を買った。

朝廷にいた人びとは確かに飛び去るカイを目にしていた。

だからこそ憎しみの思いが強かった。

カイの肩を持つ者は、誰もいなかった。

かつてカイを押し立て、擁護者の筆頭であった皇帝がいなくなってしまったことも、それを助長する大きな要因のひとつだった。


皇帝は死んだ。

朝廷の鐘塔が崩壊した際に、多くの官吏とともに、皇帝も命を落としていた。

皇帝、マルキーシェ・ラサは厚く信頼されていた。

実務家で、思慮深く、エレヴァンのために全てを捧げる彼女の発言には、多大な影響力があった。

縮地はかならず成し遂げられる。

私がこの身をもって保証する。

渡来大使は我々のために尽力している。

我々は、それに、報いなければならない。

皇帝陛下がそこまで言うなら、と、カイに命運を託した人びとは大勢いた。

天回が消えても、吹雪とケタリングに襲われても、身内が危険にさらされている可能性があっても、彼らは己が責務を全うした。

飛車を守り、民衆に落ち着くよう呼びかけ、縮地は必ず行われると、あと少し耐えればいいと、説いて回った。

その結果が、エレヴァン全土の壊滅だった。


八〇〇万人の犠牲だった。

残ったのは瓦礫の広野と、二〇〇〇人の傷病者だけだった。

渡来大使が、自分たちがエレヴァンを救うのだと息巻いていた官吏たちは、やり場のない感情をカイに向けた。

けれど当人の行方はわからない。

生死さえ不明だ。

人びとはやるせなさの、憎しみのはけ口を探していた。

そんなおりに、ヤクートら三人は朝廷を訪れ、カイを擁護したのだ。

矛先は必然、彼らに向けられた。


誰もがろくに眠ることも食べることもできていない状況だった。

しかし彼らを襲った暴力は、疲弊などすこしも感じさえない、凄まじいものだった。

生き残った官吏は、若く、もともと壮健だった者ばかりだった。

三人は命からがら朝廷を逃げ出し、南部へ向かった。

南部はカイへの信仰が厚い。

ラウラとシェルティ、カイの両腕である二人もいる。

南都なら、自分たちが襲われることはない。彼らはそう考えた。

けれど官吏たちは追ってきた。

彼らは扇動者となった。

同じように苦しんでいた人びとは、すぐにそれを受け入れ、カイへの憎悪を膨らませた。


南部はあっという間に燃え上がった。

怒り狂った人びとは、南部で生き残っていた官吏を次つぎに捕らえ、カイと関りがあったかどうかを炙りだそうとした。

西方霊堂でカイと同時期に学んだ者たちは、保身のために、そしてまた自身が抱えるカイへの恨みのために、扇動者へ丙級の官吏を差し出した。

丙級の青年たちは、全員、災嵐を生き延びていた。

それを、先導者たちは、偶然や幸運によるものではない、と判断した。

カイの手引きによるものだとした。

彼らはカイに選別され、生き残ったのだ、と。

人びとの怒りは頂点を迎え、丙級の青年たちは血祭りにあげられた。

石を投げられ、罵倒され、殴打され、顔を焼かれた。息絶えてなお、人の形が保てなくなるまで暴行され、唾や小便をかけられた。

丙級の青年たちは必死に弁明した。命乞いをした。けれど聞き入れてはもらえなかった。


裏切り者!共謀者!

お前たちのせいですべてがめちゃくちゃになった!

お前たちが壊したのだ!お前たちが殺したのだ!


扇動者の中心となって叫ぶのは、かつて西方霊堂で、カイの霊力の暴発に巻き込まれた女だった。

彼女は顔に残る傷跡をかきむしりながら半狂乱になって叫んだ。


お前たちこそが災嵐だったのだ!――――と。




「みんな死んだよ」

ヤクートは淡々と語った。

「生き残ったのに」

「みんな、災嵐、乗り越えたんだ」

「それなのに、殺されたんだ」

「救おうとしてた人たちの手で、ぐちゃぐちゃに潰された」

「か、か、顔を焼かれると、どれだけ痛いか、わかるか?」

「頭が叩き潰される音、聞いたことあるか?」

「友達の死体に、小さい子供が石を投げるの、見たことあるか?」

「……ないよな」

「あるわけないよな」

「おれもなかったよ」

「……」

「おれたち、死に物狂いで逃げたよ」

「災嵐よりきつかった」

「南都を出ようにも、人が多すぎて、おれらはこの瓦礫の中に身を潜めるしかなかった」

「昨日の夜中、ついにおれたちは見つかった」

「顔を焼かれたよ」

「痛かった」

「死んだって思った」

「……」

「気づいたら夜が明けてた」

「瓦礫の隙間に俺は倒れてた」

「ベルナールとバーナードはいなかった」

「人目をかいくぐって、探して、探して、ようやく見つけた時には、もう二人とも死んでた」

ヤクートはカイの塑像に磔にされたベルナールとバーナードを見た。

激しい暴行を受け、苦しみ抜いて、死んだあとだった。

「なあ?お前らも見たんだろ?」

ヤクートは足を前に踏み出す。

アフィーが突きつける刃の切っ先が喉に食いこむ。

首から、ますます多くの血が流れ出る。

「なんであいつらが死ななきゃいけなかったんだ?」

「あいつらは必死に戦った」

「ケタリングから必死に飛車を守ろうとした」

「あの吹雪の中でも人を助けようとしてた」

「それなのに――――苦しんで罵られて死ぬなんて、おかしいだろ」

「あいつらはなにもしてないのに」

「なにも悪くないのに」

「なあ、死ぬべきは、カイ・ミワタリ、お前の方じゃなかったのか?」

ヤクートはまた前に出ようとする。

アフィーは一歩後ずさり、こないで、と睨みつける。

「それ以上、近づいたら、こ、殺す……」

「殺せばいい」

ヤクートはアフィーの構える小刀の刃を握りしめる。

「っ!」

「おれはもう殺された。ただ死んでいないだけだ」

ヤクートの血が刃を伝う。

アフィーの手はその熱い血で真っ赤に染まる。

彼女には目の前の兄弟子を殺すことなどできなかった。

絶望の中、憎悪だけを頼りに立つ友を、これ以上傷つけることはしたくなかった。

それでも、アフィーは小刀を離さなかった。

アフィーの背後では、耳を塞いだカイが蹲っていた。

カイを庇って寄り添う、シェルティとラウラがいた。

「……カイは、わたしたちを守った」

アフィーはがたがたと震えながら、声を絞り出した。

「カイは、悪くない」

「それはお前が守られたからだろ」

「……ちがう」

「あいつらは、おれは、こいつに見捨てられた。見殺しにされたんだ。守られたお前に、この憎しみはわからない」

アフィーは返す言葉を見つけられない。

ただ首を振って、ヤクートの憎しみを否定することしかできない。

「――――そいつが、悪いの?」

ぽつりと、マヨルカが呟いた。

それまで膝を抱え俯いていたマヨルカが、立ち上がり、カイをまっすぐ指さした。

「そいつが、みんなを、殺したの?」

「違います!」

ラウラはマヨルカを抱きしめる。

「違うの、マヨルカ。カイさんはなにも――――」

「そうだ、何もかも全部、こいつのせいだ!」

ヤクートは叫び、アフィーを殴りつける。

動揺していたアフィーは、彼の拳をまともに受けてしまう。

アフィーを押しのけたヤクートは、カイに飛びかかる。

「うっ!」

シェルティが隠し持っていた小刀をヤクートの腿に突き立てる。

ヤクートは倒れる。

シェルティは完全に仕留めるために、腿の小刀を抜き取ろうとする。

しかしヤクートは小刀を自らの腿に、深く押し込み、両手で抑えつける。

シェルティは小刀を抜くことができなくなってしまう。

それどころか、血で手を滑らせ、小刀を放してしまう。

ヤクートはすかさずシェルティを殴り飛ばし、都市中に響き渡るような大声で叫んだ。


「ここにいるぞ!」


空気を震えさせる、人間のものとは思えない絶叫だった。

「異界人はここだ!カイ・ミワタリはここにいる!」

レオンの飛ばす光球で散らされていた群衆が、ヤクートの声に釣られ、再び集いはじめる。

「お前たちの仇はここにいるぞ!」

「やめて!」

アフィーは小刀をヤクートに向かって振り下ろす。

けれど、肌を割く寸前で、止めてしまう。

アフィーにはやはり、ヤクートを殺すことができなかった。

ヤクートはそんなアフィーを、躊躇なく殴りつける。

アフィーはシェルティに折り重なるようにして倒れる。

ヤクートは腿に刺さった短剣を引き抜く。

血が噴き出すが、まるで痛みなど感じていないかのように立ちあがり、倒れるアフィーとシェルティのこめかみに、その柄で一打を与える。

「うっ!」

「ぐっ!」

小刀の柄で殴られた二人は脳震盪を起こし、意識を失う。

ヤクートは小刀をラウラに向ける。

しかしラウラは震えるばかりで、向けられた凶器に身構えることもできない。

ヤクートはラウラに戦意が無いことを見てとると、小刀を投げ捨て、未だに動くことはおろか顔をあげることもできないカイの襟首をつかみ、持ち上げた。

重症の身とはとても思えない力だった。

ヤクートは瓦礫が高く積みあがる場所にカイを引きずり上げる。

怒れる群衆はもうすぐそこまで迫っていた。

ヤクートは群衆にカイを見せつけ、叫んだ。


「カイ・ミワタリはここだ!――――殺せ!思いつく限りすべての痛みを与えて、死んだ者たちの数だけ殺すんだ!」


群衆は雄叫びを返す。

「やめて!」

ラウラの叫びは、群衆のあげる怒号にかき消されてしまう。

「カイさん!」

燃え盛る松明の波が、カイに襲い掛かる。

憎悪と暴力の渦の中へ、カイは引きずり込まれていく。

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