ステータスと状況把握
状況を整理しよう。まず、俺は自分のアパートにいたはずだ。なのに、今は高そうなベットやシャンデリアがある部屋にいる。そもそも、姿がこいつになっている時点でかなり異様な状況だ。
(状況を確認しないとな)
俺は再びベットに戻り状況把握をすることにした。
「とりあえず今、ステータスを確認してみるか。」
この「SOR」には、ステータスが存在しており、自分の今のレベルやスキルを確認することができるのだ。
「ステータスオープン」
目の前にモニターが出てきた。そこに、書かれていたのは、
【名前】レクト・カーライル
【種族】人間
【年齢】12
【職業】魔法剣士
【Lv】5
【HP】150
【MP】304
【STA】43
【VIT】24
【INT】103
【AGI】68
【LAC】15
【スキル】
・片手剣Lv3
・闇魔法Lv2
・アイテムストレージLv1
・a%jg*」」./「#
とりあえず上から確認を込めて説明していこう。
まず、【種族】からだ。この世界には様々な種族が存在していて、人間や獣人エルフにドワーフ、そして魔族など、多くの種族がいる。もちろん、ゲームでは、自分で種族を決めることが出来、種族によって受ける恩恵は違ってくる。獣人なら力が強く、エルフならマナが多い。ドワーフは体力が多く、魔族は、魔力が高い。
次に、【Lv】なのだが、こちらは分かると思うが、レベルを上げるとステータスが上がっていくようになっている。
【職業】は、剣士や魔法使いなどの、職業に着くことで慣れるようになる。剣士に着いていれば剣術があがり、魔法使いなら使える魔法が増える。ちなみに、レア職業だと、勇者や賢者、聖女などに該当してる。
【HP】は、自分の体力のことで、これが0になると死んでしまう。
【MP】は、使用出来るマナのことで、マナを消費すれば、魔法を使うことができる。
ここからは、サクサクいこう。
【STA】は、攻撃力、パワーが上がる。
【VIT】は、防御力、身体が頑丈になる。斬撃、打撃、刺突、スキル、魔法などの抵抗力となる。
【INT】は、魔力。魔法攻撃力が上がる。魔力が上がる。
【AGI】は、素早さ、スピードが上がる。足が速くなる。
【LAC】は、高ければ運が良くなる。
そして最後に、スキルなのだが、これは持っているものはさほど多くない。普通の人は1つ持っているかどうかのものだ。片手剣だと、剣が上手くなったり、攻撃スキルがつかえるようになる。攻撃スキルは、スキルレベルを上げると解放していき、「片手剣」だと、【スラッシュ】がつかえる。魔法系は、文字通り魔法がつかえるようになり、普通の人はマナに恵まれていないと使えない。ちなみに、魔法スキルには、俺の「闇魔法」なら、【シャドウミスト】が使える。
攻撃スキルも魔法スキルも、レベルを上げることで使えるものが増え、最大レベルは、大体50くらいだ。
そろそろ戻ろう。
「なるほど、このレベルなのにかなり高いな。」
特に、マナと魔力が高い。それに、スキルも少しだけレベルが上がっている。これなら、将来はかなり期待出来るだろう。
「それにしても、このスキルはなんなんだ?」
俺は「a%jg*」」./「#」と書かれてあるスキルを見た。
こんなスキルは「SOR」で見た事がない。
「となると、ただのバグなのか?」
考えても仕方がない。俺は一旦無視することにした。
「アイテムストレージには、何も入ってなかったな。」
ということは、向こうでの、アイテムは引き継げなかったということか。正直何か入っていた方がかなり安心出来ていたのだが。
「まぁ、俺がレクトの時点で全然安心できないけどな。」
そう、1番懸念していたことがあった。俺はあのレクトなのだ。なぜ俺がレクトをこんなに毛嫌いっているか理由を説明しよう。
このレクトというキャラは、何度も主人公と戦うのだが、なかなかに雑魚なのだ。ステータス的には悪くないというより、かなり強いのだが、こいつはかなりのクズなので、昔から鍛錬をしない、攻撃は味方に任せるなどの慢心した行動を取っているので主人公にいつもボコボコにされている。何度、こいつ自信が戦えば勝てるのではないかと思ったプレイヤーが大勢いるだろう。それだけでなく、やっていることもなかなかのクズっぷりである。
それはこの男は、3代目勇者ゼノン・カーライルと、聖拳マァム・カーライルの息子であり、次期勇者として期待されていたのだ。しかし、己の力に慢心していたレクトは「鍛錬などしなくても雑魚どもに負けるわけない」などと、言い回っており、手を焼くような存在だった。そのおかげで、周りからの評価はかなり低く、学園に入れば、主人公に突っかかりボコボコにやられるめんどくさいキャラだったのだ。
(とりあえず、学園が始まるまで3年ある。せめてスキルを使えるようにしないとな。)
そう思っていると、突然トントンと、ドアを叩く音が聞こえてきた。
「坊ちゃま、お身体は大丈夫ですか?」
ドアを開いた先に1人の女が立っていた。
青い髪をポニーテールで結び、身長はかなり高く170近くだろうか。目元はツンとしたような表情で、何より美人だった。
「どうなさいましたか?坊ちゃま」
俺の顔を覗き込んできたその女は
メイドさんだった。
次回メイド現る
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