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男、大統領から依頼を受ける。


「おっと……」


「マスター、どうしました?」


「大統領から電話だ……」


 ・

 ・

 ・


「ここかにゃん?」


「ここですね……」


「ここだな……」


男と魔王、コアの前には……


「この一帯が巨大リゾート施設…… 現国際的な医療支援病院とその関連施設ですが……」


「今は、謎の武装集団に占拠された無法地帯だ」


男は、坑山の件で世話になった大陸の大統領から連絡で……


『すまないが…… その近くの国際的医療支援団体の施設がテロリストに占拠された…… 助けてくれ』


と、頼まれた。


「どうやら…… 医療施設が集中している元高級ホテルに、武装集団が集中している様ですね」


「病院にゃか襲撃して…… にゃんににゃるにゃ?」


「さあな…… そいつは、襲撃犯に聞くとしよう」


『われのでばんでしね』


男が空中から…… 黒い刀を取り出した。


 ・

 ・

 ・


「これは…… 酷いな……」


黒い刀…… 黒翼丸の効果で、病院を襲撃していたテロリストがバッタバッタと倒れていく中を、歩く男が見たのは……


「医療団体の医師か…… 蘇生は?」


「無理ね…… 精神が死を受け入れてしまったわ…… 死を見過ぎたのね……」


呼び寄せた吸血鬼女王が寂し気に呟く……


精神が無ければ、肉体を蘇生しても生ける屍になるだけ……


そうなれば、やがて肉体も腐り…… 意志の無いゾンビになる。


「残念だが…… 弔ってやろう」


気絶したテロリストを拘束して、負傷者と死者を集めていると……


「大変にゃ!」


「どうした?」


「マスター、4階に来て下さい」


魔王とコアが、男を呼んだ。


「これは…… どうなっている?」


4階の壁に、テロリスト達が……〝埋め込まれて〟いた。


「微かに…… 魔力の残思を感じます」


「にゃれかにゃ…… 土の魔法を使ったにゃ……」


「何!?」


「空間の魔力量からして…… 打撃戦で倒した相手を壁に拘束した様ですね…… 無駄の無い魔力操作…… かなり魔法を熟知していますね」


「そいつは…… 近くにいるのか?」


「魔水晶の装飾品が邪魔で…… 正確に探せませんが…… 大きな魔力の反応は、ありませんね」


「テロリストの多さに…… 逃げたにゃん?」


「そうかも知れませんね…… 空間魔力が無ければ、魔法での攻撃がほぼ無理ですからね」


「そうか…… とりあえずは、確保して置いて…… 負傷者を保護が最優先だ」


その後は、魔王の魔法で壁からテロリスト達を掘り出し、大陸の特殊部隊に負傷者や死者と一緒に引き渡した。


そのさいに…… 5階の壁に埋め込まれたテロリストから、此処を襲撃した理由が判明したが……


「あの…… 元自動車会社の逃亡したCEOの親族が作ったリゾート施設だったとは……」


「テロリストの一人が元ベルボーイで、大荷物を持っては泊まりに来る…… その人物を見ていたそうです。帰りの荷物が少ない事から、この建物に隠していると思い込んだみたいですね」


逃亡した大社長の…… あるか解らない隠し資産を狙ったアホが……


やらかした事件だった。


「あら?」


「どうした?」


「いえ…… ダンジョン化した坑山で、魔力の反応があったのですが…… どうやら、魔水晶が反応しただけの様ですね」


「そうか……」


小さな生存者を……


男達は…… 見逃したのだった。



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