男、異国にて廃坑を買う。
「ところどころにゃから、すくにゃ魔力を感じるにゃん?」
「原産地だからな…… 家や家具の装飾にも使われてるんじゃないか?」
「にゃるほどにゃ…… で、どうするにゃ?」
「簡単な付与だし、身に付けるなら小さい方が便利だろう? 売り物にならない様なクズ石でも、坑山から格安で買い取るのは…… どうだ?」
「それならば…… この地の一般人には、ガラスよりも価値が無い物の様ですので、他の鉱物などを掘っていた廃坑を調べてみたら…… 意外と棄てられいる可能性があるかも、知れませんね?」
「コア…… いつのまにきたにゃ~……」
「ご安心を…… プライベート時間のお邪魔は、誓って致しませんので……」
「にゃん! 急いで終らせるのにゃあ♪」
「なんだ? 急に……」
「まあまあ…… マスター、行きましょう」
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「で、何の騒ぎだ? これは?」
「どうやら…… 古い坑道が崩落した様です」
男達が坑山に着くと……
原産地の人々と怒号が溢れかえっていた。
「誰かが閉じ込められたのか?」
「古い閉鎖された坑山だったので、それは大丈夫だった様ですが…… どうやら、この街の下に坑道が広がっている様で…… 地盤が崩落しないか?と、騒ぎになっている様です」
「にゃんで、そんな場所に街があるにゃ?」
「どうやら…… 元の坑山主が無計画に掘り進めて、街の地下深くも掘り進めたせいの様です」
「マジか……」
「大マジです」
街全体が崩落する恐れから、パニック状態の原産地の人々を見ながら……
「その坑道…… ダンジョン化できるか?」
男がコアに確認する。
「私の分体を配置すれば…… 可能だと思われます」
「よし、ダンジョン化して、崩落を止めよう」
男は、大陸の大統領に連絡した。
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『ご覧下さい。大陸の大統領が、この未曾有の大惨事を防ごうと…… 選ばれし精鋭達を派遣しました』
世界のニュース映像に…… 大陸のレスキュー隊が、崩落しそうな街を救助する映像が流れた。
その頃地下では……
「この辺りか?」
男とコアに魔王がいた。
「そうですね。ここなら…… ダンジョン化しても、地上に影響は出ないでしょう」
「魔物にゃ? 出ないのにゃ?」
「魔力が少ないのと…… 本体から離れていますし…… 自然発生は無いと思われますが…… 一応、余剰魔力は魔水晶の生産に回しますね」
コアの分体を配置していると……
「にゃってに、ダンジョンにゃして…… 大丈夫にゃん?」
「一応…… 大陸のレスキュー隊とこの国の政府が街を移転させていますが、大陸の大統領を通して…… その費用をマスターが出しています。その見返りとして…… この坑山の所有権をマスターが大使館扱いで獲ます。つまり、この坑山をマスターは、買い取りました」
「そして、ダンジョン化で好きな鉱物を取り放題……って事よ」
男は、ニヤリと笑った。




