男、出稼ぎ者達の要望に応える…… 為に動く。
「どうするか……」
「どうしましょうね……」
「どうしたにゃん?」
男とコアが考え込む処に、魔王が来た。
「いやなぁ……」
「出稼ぎの冒険者達から要望が来たのですが……」
「要望にゃん? どんなんにゃん?」
「家族や大切な者に……〝魔導具〟を贈りたいってなぁ」
「魔導具にゃん? 贈れば良いにゃ」
「魔王ちゃま…… それが普通に贈れないから、こまっているのですよ」
魔王にコアが説明を始めた。
「この世界では、長い世界樹の喪失により、空間の魔力量が無いに等しいのです。彼方の世界と同じ仕様の魔導具では、使い物にならないのですよ」
「この国は、ダンジョン化したし、世界樹を生やしたからな…… 魔力を持つ俺達もいるから、彼方の魔導具が普通に使えるんだ」
「にゃあ、魔力を持つ〝魔石〟を使った魔導具を作れば良いにゃ」
「それは危険です」
「どうしてにゃん?」
「忘れたか? 魔王、この世界には魔石を持つ魔物がいない事を」
「確かに、彼方の世界では用途に合わせて、魔導具に魔石を使用する場合がありますが…… 此方の世界では、魔石を持つ魔物が死滅した思われてますから……」
「それにゃどうしたにゃん?」
「魔王…… 忘れてるぞ。魔石は…… たまに魔物の発生原因になるんだよ」
「誤飲や体質等の原因で…… 動植物が魔物化する可能性がありますからね」
「思い出したにゃ! 魔石は魔力の発生体だから、希に動植物が吸収して魔物になる事があるにゃん」
「そうなると…… 危険外来種どころの騒ぎじゃ済まないからな」
「この国以外に魔石がありませんから、原因の特定は容易いでしょうね」
「でも…… 大統領に渡したにゃ」
「アレですか? アレは、魔石じゃありませんよ」
「違うにゃ?」
「アレは、私の〝分体〟です」
「コアの分体にゃん!?」
「大統領の身に付ける物ですから…… スパイとしては、最高ですよ」
「コア…… 恐ろしい奴……」
「にゃら……〝魔水晶〟から〝魔晶石〟を作るにゃん?」
「魔水晶に魔晶石……って、何だ?」
「その手がありましたか…… 魔石を燃料使用の発電機とするならば、魔水晶の魔晶石は蓄電池…… 貯められた魔力しか無いので、魔力が枯渇状態のこの世界ならば…… 魔力過多で魔物化は起きないでしょうし、簡単な付与魔導具ならば…… 数十年は大丈夫でしょう」
「要望に多いのは…… 浄化の魔導具? 除菌や花粉症予防の為か? これなら簡単な付与で済むな」
「では、魔晶石で作りましょう」
「そうだな…… 処で、その魔晶石と原料の魔水晶って…… どうするんだ?」
その数時間後……
「ここが原産国か……」
「これにゃ…… 新婚旅行にゃあ?」
男と魔王は、とある国にいた。




