D国なりの民主主義?
他国の工作員によるダンジョンでのPK未遂から数日後……
「あの……」
「どうしました?〝10代と10代以下代表〟のヨハン君」
「僕が参加しても…… 良いんですか?」
D国城の前にある国会議場に……
それぞれの代表者が集められていた。
「それを言うなら…… 出稼ぎ冒険者の俺も参加して良いのか?」
「ご安心を。今回は、D国の大まかなルールとそれぞれの世代や職業の意見や要望を聞きたくて、皆さんにお集まり頂いたしだいであります」
「ルールって…… この国の王様が決めるんじゃないの?」
「この国の国王たるマスターは…… 人権無視や一般的な犯罪行為以外ならば、自分達で決めて良いとの考えです。まあ…… 民主主義国家の王族の様な存在だと、お思い下さい」
「象徴的存在って事?」
「ええ、ですが…… もしも、マスターやマスターの周囲をこの世界が害するならば…… この世界を敵に回しても平気ですけどね」
「Webニュースを見る限り、そのマスターさんに勝てる存在って…… 魔王とかじゃないの?」
「魔王ちゃまなら…… マスターにメロメロですね」
「「「「「「!?」」」」」」
「えっ、いるの…… 魔王が? マジで?」
「本気と書いての大マジでいますよ。マスターとラブラブですが、何か?」
「パネェ~! 王様パネェっすよ! LvMAXの魅了スキル持ちですか!?」
「ちょっ、ちょっと待って! 王様って事は…… 男性よね? 魔王さんは?」
「えっBL…… ボーイズでラブなの!?」
「ああ…… 日本でも戦国武将とか将軍は男色が常識だったらしいし……」
「権力者ほど、ソッチに走るイメージがあるよね……」
「ボーイズのラブは、なんとなく理解しましたが…… 残念ながら魔王ちゃまは、可憐な幼女…… 女性ですよ」
「「「「「「ソッチかよ!?」」」」」」
「質問! 魔王ちゃまって…… 何歳?」
「(この世界で、あの姿に転生されて……)十…… か月くらいですかね?」
「ヤバイ! ロリどころかペドじゃんか!?」
「もう王様が性犯罪者じゃないの…… 日本の法律から逃げる為に独立したんじゃないの?」
「リアル光源氏は、此処にいた!?」
「ヒカル…… ゲンジ……って、何ですか?」
「え~っと…… 光源氏って言うのはなぁ……」
「子供に何教え様としてるのよ!」
「いやだってよ…… 当事者になるかもだし……」
「一応は、日本の伝統的古文だっけか?」
「そうですか?」
「恥ずかしながら…… 中卒なので、名前くらいしか知らないなぁ……」
「そんな王様の国に…… 難民孤児って…… ヤバくないですか?」
「その前に…… 王に対する不敬罪で、この場の全員が極刑物なんですが……」
「「「「「「あっ……」」」」」」
議長役のコアの分体の一言に……
それぞれの代表者達は、押し黙るのだった。




