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男の前世の仲間の力


「このゴミクズですか? スキルが自分の力だと勘違いした愚か者は?」


男が引きずって来た工作員を、人型のダンジョンコアの分体が汚物を見る様に見つめる。


「ああ…… コア、頼む」


「殺して、ダンジョンの肥やしにした方が楽ですが…… しょうがないですね」


ダンジョン内で他の冒険者を狙った工作員を、男は〝見せ締め〟にする事にした。


「先ずは……〝スキルを剥奪〟しますね」


コアの分体が工作員に〝黒いスキルオーブ〟を当てると……


「ぐっ!? ぎゃあ!!」


工作員が苦しみ出して悲鳴を上げる。


「ふむ……〝暗殺スキル〟ですね」


黒いスキルオーブが光ると、普通のスキルオーブに変わる。


「まだまだたくさんのスキル持ちですからね…… チャチャと〝剥奪〟しちゃいますね~♪」


十数個の黒いスキルオーブが、普通のスキルオーブに変わると……


「次は……〝ステータスの初期化〟ですね♪」


「ステータスの初期化? すると、どうなるんだ?」


「Lv0になるので…… その生物の最小限度の能力になります」


「赤ん坊なみになるのか?」


「そうなりますね…… 例えるならば、立って歩く0歳児ですかね?」


「そんなんで送り返して…… 大丈夫か?」


「えっ…… 送り返すんですか?」


「俺の国に他国の工作員に食わせる飯は無い! 工作員はゴキと同じ…… 見付けたら〝巣〟ごと潰す!」


「巣ごと…… どうするんです?」


「工作員に〝呪い〟を付与して送り返してやる」


「呪いを?」


「ああ…… この工作員と工作員と知っている関係者には、死がない程度の不幸が寿命まで続く様にしてやる!」


「そこまで…… マスター、工作員に怨みが?」


「前世で…… 少しなぁ……(あの時は、勇者達と工作員の関連を潰したけどな……)」


男の前世で…… 魔王軍に紛れて悪事を働く国が、勇者達に工作員を送り込んだ事がある。


その工作員が最悪だった……


罪の無い子供を拐い魔王軍に渡したり…… 勇者達の邪魔をする為に、複数の村の水源に猛毒を流したり等々…… 悪逆非道を繰り返したのだった。


その経験から…… 男は、テロ行為などを行う工作員が大嫌いだった。


「呪いの付与は終わりましたが…… どうやって送り返しますか?」


「使い捨ての結界の魔石を使って…… 狙撃する」


「結界で…… 狙撃ですか?」


「ああ…… 先ずは、この矢に使い捨ての魔石で〝必中〟を付与して…… 矢にほどけない様に縄を縛る…… その縄の先に工作員を縛り付けて…… こうする」


男の横に…… 弓を持つエルフの女性が現れた。


「この方は…… マスターの妖術ですか?」


「俺の前世の仲間で、最強の狙撃手の幻影だが……」


エルフの女性が弓に矢を支え構えると、パッシュン…… 空に矢を放った!


「愚か者に不幸を届けるくらいは…… 幻影でもできる」


空に矢と工作員が消えた数時間後……


とある国の上層部の建物が崩壊したニュースが流れたが、不思議と死者は出なかったと報じられ……


ニュース映像の崩壊した建物には…… 矢の様な物が刺さっていたのだった。



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