明日を生きる為のダンジョン作りその1
「ダンジョンって…… どう作るんだ?」
「にゃ? たしかにゃ…… この玉に適当な魔力を込めるにゃ。そうすにゃ~ダンジョンににゃるにゃ♪」
「魔力ねぇ…… この世界に魔力があるのか?」
「うにゃ~…… あるにゃ♪…… けど、うすいにゃ~」
「まあ…… 世界樹が枯れるくらいだしなぁ…… んで、魔力の他に動かす方法はあるのか?」
「うにゃ♪ かんたんにゃ!」
「おっ! その方法は?」
「それにゃ~……〝生け贄〟にゃ♪」
「はあ!? 生け贄って…… 人か?」
「うにゃ♪ 人間にゃ、 人間にゃいちばんにゃこうりつてきにゃ♪」
「効率的って…… ちなみに何人だ?」
「にゃくにんにゃ♪」
「おい! こんな辺鄙な場所に、100人の人間を連れて来いってか?」
「しかにゃいんにゃん! 魔力のにゃわりに、生き物の命を使うにゃ」
「しかしなぁ…… ここに生き物って…… 無理じゃねぇ?」
男と魔王少女がいるのは、とある日本の山奥の地下である。
「にゃ~…… しかも、空間が歪んでるにゃ…… 普通には来れないにゃねぇ」
「マジかぁ…… 魔力ったって…… あっ! そうだ魔石…… 魔石はいっぱい持ってるぞ。魔力の代用は…… 出来ないか?」
「にゃ!? すごいにゃ…… どれもアリンの実よりも大きいにゃ!」
「アリンの実って、こっちだとりんごみたいな奴だよな? 前世の最後の方は激戦地過ぎて、倒した魔物の換金出来なかったからな…… 肉や骨に毛皮に牙や爪とか魔石とか無限収納に放り込んだままだ」
「これにゃら…… にゃぶん、だいじょうぶにゃ♪」
「とりあえず魔石を…… ダンジョンコアにくっ付ければ良いのか?」
男が拳大の魔石をダンジョンコアに近付けると……
『……強力な魔力を感知…… 魔石を吸収しますか?』
「おっ! 喋った!? あれ? さっきちょっと使った時は喋らなかったけど?」
「にゃぶん…… 魔力が足りにゃかったにゃ」
「お前…… 猫で安定してないか?」
「うにゃん…… ドラにゃんはこりごりにゃん、動きにゃすい山猫族で安定するにゃ♪」
「山猫にしては…… 短毛だが?」
「毛のにゃい種の因子にゃ影響にゃ…… 獣にゃん系より毛のにゃい種の方にゃ多いにゃ。にゃから因子にゃ平均にゃして、短毛ににゃたにゃ♪」
「ふ~ん…… だけど、耳の中と尻尾の付け根がフサフサだな。山猫だからか?」
「くすぐたいにゃ! わにゃんよりも、速くダンジョン作るにゃ!」
「そうだった。え~っと…… とりあえず足りるか?」
そう言って、男はダンジョンコアの前に2トントラック分の魔石の小山を出した。