男、元祖国の政治家達に呆れる……
「ふむ……「「コアの恩恵無しでも、分身が出来る様になったなぁ」」」
「あるじちゃまが…… ふえた!?」
「世界樹の成長が順調ですから…… この世界の魔力も順調に増えた為、ある程度のスキルや魔法が使用可能になりました」
「わにゃんも、あんまり疲れ無くにゃったにゃん♪」
「私も、生活魔法が使い安くなったよ!」
「わたし、みんなの声がわかるようになったよ♪」
男達は…… 世界樹の成長による世界の魔力の増大を実感していた。
「すごいなぁ…… それは魔法かい?」
「どちらかと言えば…… 「「魔力を使う…… 忍術系スキルか?」」」
「確かに…… 話に聞いた忍者の様だね」
「その内に使える人間も増えるだろうよ」
「出来れば…… 犯罪に使われる様なスキルや魔法は、増えて欲しく無いけどね……」
「まあ、完全に使いこなせるかは…… 別問題だけどなぁ。で、また何かあったかい?」
「実は……」
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「なるほど…… 世界的な天変地異で、世界的な大不況だと?」
「うむ…… 困った事に、そうなんだよ」
「で…… 俺にどうしろと?」
「我が国では…… 可能な限りには、給付金を出すつもりなんだが……」
「あっ…… あの政治家達がバカやる予感がするなぁ……」
「ああ…… 増税する話があるらしい」
「また貧乏人虐めをするのかぁ…… 生活困窮者は死ねって感じだなぁ…… 何であの国の政治家達は、暴動を煽る様な事ばかりするかな…… 例え、どんな世界だろうが…… 今を生きるのが辛い人間達に不安を煽ったら…… 無差別なテロ行為が起こるだろうに……」
「我が国でも、連日のデモ行為が起きているよ」
「これで伝染病が流行ったら…… あの国の政治家達は立場が無くなるな。国民が居てこその経済と政治だろうに…… その国民を生かそうとしない政治家に、国民が血税を払う必要は無いだろうに……」
「そうなった時には、我が国の都市を封鎖するつもりだが……」
「それしかないだろうなぁ…… 早期に経済を動かしたいならば、ワクチンの生産を急ぎ…… 医療従事者と20歳から50歳の労働者に優先的に投与して、老人と子供達を隔離すべきだ」
「確かに…… 経済を動かして行くには、労働者が必要不可欠…… 封鎖するにも、必要最低限のライフラインを確保しなくてはならないからね」
「だからこそ…… 医療従事者と労働者に、優先的にワクチン投与するべきなんだけどな」
「優先すべきは…… 命であり、国益は二の次なのだね」
「国民が居ないと、国の経済なんて意味がないから…… 政治家だけがたくさん居ても、無駄なんだけどなぁ…… 非常時に国民を守らない国家なんて…… 国家と言えるのか?」
大統領と話ながら…… 男は、元祖国の対応に呆れていた。




