生きる事にしたので、世界樹を復活させる為にダンジョンを作ります。
「お~い、なんか知らんが…… 世界樹をどうにかせんと滅亡すぞ」
「そうにゃ! せかいじゅ…… おまにゃ! おまにゃがせかいじゅを…… すぅ~」
「おい…… 待て、違うぞ!」
「すぅ~…… ぼふ!」
「えっ!?」
バタン!
「おい!?」
男に向かい大きく息を吸っていた魔王少女が…… 口から黒煙を吐いて倒れた!
「まさか…… ドラゴンブレス!? ドラゴンの真似をしようとしたのか? お~い…… うわぁ! 臭!? 肉が焼ける様な…… って、自分の息で自分を焼いたのかよ!?」
今だに、口から黒煙を上げて倒れたままの魔王少女に、男が慌てて、無限収納から回復アイテムを取り出し、治療を始めた。
「うー…… うー……」
喉を焼いて喋れない魔王少女が涙目で、上目使いに男を睨む。
「あ~…… 痛いのか? だけど自業自得だぞ」
「うー……」
「とは言え…… ちょっと可哀想だな」
男が液体の入った瓶を取り出す。
「飲み薬なんだが…… 飲めるか?」
「グビ……!? ブッ! ゲホゲホ……」
男が差し出した薬を飲んだ魔王少女だが、薬を吹き出して激しく噎せる。
「あ~…… 喉が焼けたから、上手く飲み込めんのか? 仕方無いか……」
男は、薬を口に含むと……
「うん? う!? う~! う~……」
魔王少女に口付けて流し込んだ。
「チュ…… これで効くだろう?」
「この~…… アホゥ!!」
「うぅ!? 急に怒鳴るなよ! 耳がキーンってなるだろう」
「うるにゃ! アホ! ボケ! にゃにしたにゃ、にゃかってんにゃろうにゃ!」
「落ち着け、何言ってんか解んねぇぞ?」
顔を真っ赤にした魔王少女が猫耳と尻尾をピーンと立てて、男に怒鳴り付け始めたので、男が宥める。
「おまにゃ~は、オスにゃ」
「だな」
「わにゃ~メスにゃ…… オスとメスにゃ…… く、口付けするにゃ…… こ、こどもにゃできるにゃ……」
言い終えると、魔王少女の顔がさらに赤くなった。
「はい? ちょっと待って…… 魔王って、口付けすると増えるのか?」
「ちがうにゃん?」
「あ~……(前世だと、毒とかで薬が上手く飲み込めん奴とかには普通にしていたんだが……)俺もわからん!」
「とにかくにゃん、おまにゃせきにゃ取ってにゃ…… わにゃんの夫にゃなるのにゃ!」
「何でだよ!? その前に世界が終わるかもって、話はどうした!」
「しんぱいにゃいにゃ……〝コレ〟を使うにゃ♪」
そう言って、猫耳と尻尾を生やした魔王少女は子猫の様に…… 男が出していた〝ダンジョンコア〟にじゃれ付くのだった。
男は…… 魔王を娶り、現代日本にダンジョンを作る事が決定したのだった。
無知で無垢な魔王少女からは、逃げる気が起きませんでした。