とりあえず…… お隣さんに独立を宣言します。
「で、どうすれば国って事になるんだ?」
「他国に承認されれば良い様ですが……」
「それなら、国連に承認されるのが1番じゃない?」
「国連ねぇ…… でも、いきなり国連に言っても…… 承認してくれるか?」
「難しいでしょうね。彼方の方々にすれば…… 突然現れた数人しか居ない島が、独立国家を主張してる訳ですから」
「だよなぁ…… めんどうだが、お隣さんに話を通すか……」
「お隣さん?」
「そう、お隣さん」
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~ 数時間後…… ~
「こんちはー、お隣に国を作った者ですけれど」
男は、大国の大統領府に居た。
「何だ、貴様は?」
「あ~…… 初めまして、ハワイ諸島と小笠原諸島の中間に島を作って、独立した者なんですけど…… 国として承認してくれませんか?」
「何を馬鹿な…… あの海域に島を作っただと? 頭がイカれてるのか…… 警備の者は何をしている!」
「あっ、警備の人は来ないよ」
「な!? 貴様…… 私の命を狙うテロリストか!」
「いや違うし。自分の国を承認して欲しいのに、あんたを殺してどうすんの?」
「国を…… 承認だと?」
「だ・か・ら、さっきも言ったんだが…… ハワイ諸島と小笠原諸島の中間に俺の島…… 通称〝D国〟を作ったから、承認してくれないか?」
「島を作った…… 信じられん!」
「本当なんだが…… まあ、いきなりは信じないよな。じゃあ…… お隣さん、貴方を俺の国…… D国にご招待だ」
「な…… 何だ! これはぁ~~~!?」
男は、大国の大統領を連れて…… D国に転移した。
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「私は…… 夢を見ているのか?」
「いや、現実だよ。勿論、彼等も本当だ」
転移した先で、異世界風メイドカフェに入った男と大統領は……
D国の国民達から熱烈な歓迎を受けていた。
「その耳と…… 尾は…… 本当なのか?」
「ああ、本当だよ」
「触れてみても?」
「彼女はダメだ。なんせ、異世界の魔王様だからなぁ」
「な!? 異世界の…… 魔王!?」
「にゃあ…… 魔王にゃん、よろしくにゃ♪」
「よ、よろしく…… 君は、何者なんだい?」
「元無職で日本人の40台オッサンだよ。ただ、前世では勇者達の荷物持ちをしていた異世界転生者だけどな」
「異世界の勇者の仲間が、何で魔王と一緒に居るんだ!」
「なんかなぁ~前世からいろいろと持ち越したんだよ。スキルとか異世界の装備やら危険物とか…… ちなみに、この島は…… 異世界の危険物で作ったダンジョンだぞ」
「ダンジョン!?」
「うん、ダンジョン。だから…… 攻撃しないでね? ダンジョンの危険物とか魔物とかが…… 海洋放出して、異世界化するから……」
(本気の目だぁ~!!!)
この後…… 大国の大統領は、異世界メイド達の接待を受けて渡された魔導具を持ち帰る……
魔導具は、飾り気の無いペンダントだったが……
その後に、テロリストの凶弾を見えない壁で止め、大統領の命を救った事もあり……
数日後には……
大国の大統領は、D国を独立国家として承認した。




