どうやら…… この世界にも、特殊な力を持つ者がいる様です。
「マスター、最近メイドカフェに外国人が来る様になった様です」
「外国人? この山奥に…… 異世界風メイドカフェがうけたのか?」
「それが…… どうも特殊スキル持ちの様なんです」
「特殊スキルだと…… この世界にも、スキル持ちが居るのか?」
「世界樹が芽吹いた影響かも知れません…… どの様な目的か不明ですので、警戒した方が良いと思います」
「しばらくは…… メイドカフェの従業員はコアのゴーレムに任せて、土地神や妖怪達にも行かない様にするか……」
「そうですねぇ…… しかし、何時までもメイドカフェに行けないと…… 土地神や妖怪達の暴動が起きる恐れが……」
「そうなる前に…… 相手の目的を探るぞ」
「はい……」
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私の名は…… ジョージ…… 軍に所属する超能力者だ。
私は今…… 密命を受けて、このメイドカフェなるカフェに客として通い詰めている。
「お帰りなさいませ~、御主人様」
何故に軍に所属する超能力者の私が…… このメイドカフェに通うかって?
「御主人様~♪ 御注文は、お決まりでしょうか?」
それには、私の祖国の超能力捜査が関係している。
「メイドパンケーキヲ……」
「御主人様、すぐに御持ち致します♪」
祖国の超能力捜査全員が…… この地に何が在ると示したかだ。
「こちら、御注文のメイドパンケーキです♪ どのシロップで、何とお書きしますか?」
「ストロベリーデ…… 御主人様、スキスキ大スキト……」
「はぁい~♪ 御・主・人・様・ス・キ・ス・キ・大・ス・キ・♥・と、おいしくなぁ~れ~♪」
世界的な何かが在るらしい…… 現に、私の右斜め前方の背中姿の客…… 奴も超能力兵士だ。
軍の要注意人物データリストで、何度も見たから間違いない。
いくらメイドカフェに来たとは言え…… その少し前のオタクファッションを止めろ! サイズが小さくてチェックのシャツが、今にもハチ切れそうだ。
その瓶底眼鏡は、何処で買ったんだ?
さらに入口近くの男もそうだ…… 何だ、その荷物は? 爆買いの観光客に偽装した気か? こんな山奥に…… 買い物帰りの観光客なんて…… 正気なのか?
そして…… 奥の女…… お前は、季節外れのハロウィンのコスプレか! あからさまに黒いローブの白人女性だなんて…… 自分を魔女だと言っているも、同然じゃないか!?
うん? あの女性の注文は…… 何!? 何だ! そのワンプレートは!? オ子様ランチだと…… 全て乗っているじゃないか!? おのれ…… 明日は、私も頼むとしよう。
「あの革ジャンの御主人様…… 何時も、挙動不審なのよねぇ…… 通報した方が良いかしら?」
私の名は、ジョージ…… 軍に所属する超能力者だ。
今…… 留置所にいる……




