表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/84

男の一日…… その3


「にゃんで、にゃんたんに出来たにゃん!?」


「そりゃあ…… 元は、勇者パーティーの荷物持ちだったから?」


戦闘中等の緊急時に、無限収納から必要アイテムを瞬時に出すには…… 必要アイテム等の明確なイメージを必要する。


なので、男はこの手の訓練を前世で暇さえ在れば繰り返しては…… 習慣にしていて、生まれ変わった現世でも気付くと繰り返していた。


「霊力…… 魔力の練り込み、自分のイメージを写すなら……」


「にゃあ! ゆ…… 勇者!?」


男は、もう一人の自分にかつての仲間をイメージした…… そう…… 前世の世界での最強達の一人…… 勇者を……


「うん…… ダメだな。あいつの強さを感じないし…… 練り込んだ魔力から、一撃を放つ程度しか出来ねぇなぁ」


「勇者は、周囲の魔力で攻撃を強化するにゃあ…… こっちにゃと、ダンジョンにゃいでも一撃使ったにゃ…… 魔力不足で消えるにゃあ」


「どっちにしろ、枯渇状態の世界では使えないけどなぁ」


「規格外じゃな…… お主は」


「ちょっとだけ慣れてるだけだ」


 ・

 ・

 ・


「さて、続きをやるか……」


魔王少女と天狗のじいさんと別れて、男はダンジョンの最深部の倉庫にいた。


「とは言え…… 魔王の領地での魔族やら魔物やらの武具や素材の整理は…… 一人じゃあ無理じゃね?」


無限収納から感じるアイテム数に…… 男はウンザリした。


「どうすぅかぁ~なぁ~…… そうだ! 俺を〝増やせば〟良いんじゃねぇ?」


 ・

 ・

 ・


 ~ 数時間後…… ~


「「「「「終わらねぇ~……」」」」」


5人に増えた男は…… アイテムの山に埋もれていた。


「マスター…… 何をしているのですか?」


「いやぁ~」「ちょっと」「無限収納の」「整理をだなぁ」「しようかと……」


「先に言っていただければ…… 無限収納内のアイテムリストを作成しますか?」


「「「「「へっ……」」」」」


「お忘れですか? マスター、私はマスターと契約した事で、マスターの無限収納を一部使用可能になった事を…… それにより、無限収納内のアイテム情報を一覧する事が可能ですので、アイテムリストの作成が可能ですよ」


「な!?」「俺よりも」「コアの方が」「無限収納を」「使いこなしてる」


「「「「「だと~!!!」」」」」


自分のユニークスキルを、自分よりも使いこなすコアに…… 5人増えた男は崩れ落ちた。


その晩の事…… 衝撃の事実に疲れ果てた男は……


「にゃん? ど、どうしたにゃあ!?」


魔王少女の薄目な胸に顔を埋めて……


「ちょっと…… かたいなぁ……」


「にゃんにゃ! 喧嘩売っ「ヒック……」(濡れてるにゃあ…… 泣いてるにゃあ?)…… しゅうがないにゃあ~♪」


泣きながら眠りに就く男を、魔王少女は優しく抱き締めて、自分も眠りに就くのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ