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男の一日…… その2


「客が…… 増えたなぁ……」


「人外のご主人さま達ですけどね」


男は、昼食を食べにメイドカフェに行くと……


人に化けた妖怪や土地神達で、メイドカフェは溢れていた。


「うん? あのメイド…… 妖怪か?」


「はい、一部の妖怪や土地神が働きたいと言うので、人畜無害で人化が出来る者をメイドに採用しました」


「土地神もか?」


「はい、長い仮死状態だったせいか…… 現代の人文化を知りたいらしく、それには、人に紛れて生活するのが1番効率的と、メイドカフェでの労働を希望した様です」


「人に紛れてねぇ…… 此処しか無いな」


「今はまだ、ダンジョンの範囲外は…… 魔力等が枯渇状態ですから、仕方がありませんね。で、ご主人様、御注文は…… 私にゃん?」


猫ミミのゴーレム娘が尻尾を揺らして、上目使いであざとく男を覗き込む。


「そういうのいいから…… チキンカツサンドのセット、飲みもんは冷たいカフェオレで」


「もう~! ご主人様はいけずです。わかりましたにゃん♪ 直ぐにお持ちしますにゃん♪」


「うん…… 魔王のせいで、魔王以外の猫系語尾に違和感があるなぁ……」


 ・

 ・

 ・


「美味かった…… 養鶏は成功だな」


「ダンジョンの敷地ですので、伝染病等の心配がありませんからね。畜産系は2~3年後には、豚肉と牛肉も生産体制が出来上がりますので、ご安心を」


「もし、今、世界大戦が起きても…… 俺達は平気だな。ところで魔王は?」


「神社にて、修行中の様です」


「修行? 何の?」


「〝忍術〟の修行だそうです」


「忍術?」


 ・

 ・

 ・


男が神社行くと……


「こうにゃん?」


「そうじゃあ。そのまま…… 霊力を込めて、自分の姿を写すのじゃあ」


境内には、魔王少女と天狗のじいさんが居た。


「う~…… にゃあ!」


魔王少女の横に、ゆらゆらと蜃気楼の様な魔王少女の姿が現れる。


「まだ練り込みがあまい。精進せよ」


「わかったにゃん…… う~」


ボフ!と、蜃気楼の様な魔王少女の姿が消えると…… 魔王少女が再び唸りながら集中する。


「今のは…… 分身の術か?」


「おお、来たのう。そうじゃあ、実体の無い陽炎の自分を出す〝妖術〟よ」


「妖術? 忍術じゃないのか?」


「名は違うが…… 元は似た様な物よ。霊力高い陰陽師等は、紙人形で写し身を作り出していたわ」


「なるほど…… 使い手によって、呼び名が違うだけか」


「そうじゃあ、お主もやらんか? 霊力を練り込み、自分の姿を写すだけじゃぞ?」


「霊力を練り込み…… 無限収納を開く時と同じもんか?」


男は、試しに無限収納を開く時の様にイメージして、自分の姿を思い浮かべた。


「にゃあ!? 二人ににゃったにゃん!」


「なんと…… これは陽炎では無く、分け身の術じゃあ!」


「これって……「影分身の術って、ヤツか?」」


二人になった男は、同時に喋るのだった。



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