男の一日…… その1
男の朝は……
「9時前か…… 起きるか……」
日によって違う……
「おはようございます、マスター。朝食は、どうしますか?」
「今日は…… 小人の方か…… 頼むから、普通に起こせよ……」
男に抱き付く様にして布団の中から、小人型のゴーレム娘が顔を覗かせる。
「む、却下します」
「な!?」
「マスターの精神が拒絶してません。なので、止めません♪」
「はあ~…… ほどほどになぁ……」
「はい、マスターと魔王ちゃまの夜は、お邪魔致しませんので♪ ところで、マスター、朝食はどうしますか?」
「今はいい…… 起きるから、離れろ」
「名残惜しいですが…… 了解しました。今日は、如何お過ごしでしょうか?」
ゴーレム娘が離れたので、男はベッドから立ち上がりながら……
「そうだな…… 今日は、無限収納の整理でもするか。甘めの冷たいカフェラテを頼む」
「了解致しました」
ゴーレム娘が退室するのを確認して、男がスキルを発動した。
「さて…… 覚えの無い物があるなぁ…… 棺桶の件から、魔王の持ち物の可能性が有るが…… とりあえず、そちらから確認して行くか……」
男は、ユニークスキル無限収納から、魔王の物と思われるアイテム達を取り出して行く……
「え~っと…… 即死の首輪…… 装備すると、首輪が急激に絞まり、首が千切れる…… って、呪いのアイテムかよ!」
「それは、不死系の拷問アイテムですね」
男の注文した冷たいカフェラテを持ったゴーレム娘が、男の後ろから覗き込む様に現れる。
今度は、うさミミ娘型のゴーレム娘だった。
「不死系の拷問アイテム?」
「はい、魔王ちゃまの話ですと…… 吸血鬼女王は、かなりのドMの様で…… 時より、魔王ちゃまに逆らっては、そのアイテムで首を千切られて、恍惚の表情を浮かべて嗤うそうです。長い不滅の中で…… 首が千切られると言う死の痛みに、快楽を感じる様になったのでしょうか?」
「俺が知るか…… 一応、封印だな。次は……」
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「中世の拷問器具と拷問用魔導具……」
「合わせて、2783個ですね。かなり大掛かりな設置型から針まで…… まさに、拷問アイテムの見本市の様でした」
「魔王軍は病んでるな……」
「こちらのアイテムは、ダンジョンの肥やしにさせていただきたいのですが、宜しいでしょうか?」
「いいけど…… 悪用するなよ」
「了解致しました。マスターの身内には、悪用致しません♪」
「はあ…… まあ、俺に被害が来ないなら、好きにしろ」
「はい♪」
「次は…… 腹が減ったなぁ…… 飯の後にするか」
「昼食は、如何致しますか?」
「カフェの確認ついでに食べに行く」
「了解致しました。彼方でお待ちして居ります♪」
男は、うさミミゴーレム娘に見送られて、メイドカフェに向かった。




