異世界風メイドカフェに、招かれざる者達が来る!?
「あい!」
「にゃん? ここかにゃあ?」
「あい~♪」
エルフ少女が指差す地面に、魔王少女が穴を掘り、焼き砕いたワイバーンの骨を入れる。
「よっと…… 何時の間にか、仲良くなったな?」
「魔王ちゃまは、彼方の世界の常識で生きてますので…… マスターとの既成事実が出来た事で、第1夫人の自覚が出来た様ですね」
「何だ? その第1夫人って……」
「マスターの伴侶の事ですよ。魔王ちゃまの常識では、力ある者は多妻か多夫が当たり前の世界でしたからね…… 序列1位ならば、第2夫人達のお世話も…… 自分の役目だと思っている様ですね」
「ハーレムねぇ…… 力ある者の夢かも知れんが…… 現代日本じゃあ法律的に認めてないし、ハーレムの主人の負担がでかい様な気がするが?」
「マスターなら大丈夫でしょう。いざとなれば奴隷印を使えば良いですし…… 何よりも、魔王ちゃまと数十時間の夜の決戦に勝てるのですから」
「あれは不可抗力…… しかしまあ、あの化石化していた世界樹の残骸が…… よく土になったなぁ」
「ドワーフの採掘スキルのおかげですね。世界樹の苗を傷付けない様にして、化石化した残骸を粉砕し、地上の腐葉土などと混ぜ合わせましたので…… マスターが種付けした時よりは、最適な環境になっています」
「まあ…… 今考えると、化石に種付けって…… よく芽吹いたよな?」
「ダンジョン化と、精霊達や妖精達のおかげですね」
「おう? ありがとうな」
男は、肩に止まった小さな妖精に礼を言うと…… にぱぁ~ と、小さな妖精が笑った。
「マスター」
「どうした?」
「地上のカフェに……〝招かれざる客〟が来た様です」
「招かれざる…… 客?」
「はい」
・
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・
「誰に断って店出してんだ…… われは!!」
コアの言う〝招かれざる客〟とは…… やの付く人達でした。
「誰にって…… 国にですけど?」
「ここいらの島は…… 俺等、小林多組の縄張りなんだよ!」
「こんな山奥にメイドカフェだあ? どうせ、国に言えない様な裏サービスの斡旋でもしてんだろうが!」
「困るなぁ…… 此処等一帯の風俗は、小林多組のしのぎでなぁ…… あんた等みたいな素人さんにやられると…… 面子やらなんやらと、いろいろと面倒なんよ」
「何が言いたいのかしら?」
「簡単な事だ。この店をまるごと小林多組によこせ…… あんたと従業員ごとなぁ」
(マスター)
(どうした?)
(店の側に、怪しげな大型ダンプが数台あります)
(あ~、不法投棄の犯人発見だな。吸血鬼女王を連れて来てくれ)
(了解です)
「返事は早い方が…… 良いと思うが「楽しそうね♪」!?」
指示役っぽい奴が、女性に触れ様とした時…… 吸血鬼女王が現れた。
「な、なんだ! おま…… え……」
「さあ、妾の下僕になるとよい♪」
その後は…… 毎日の様に産業廃棄物や家電ゴミを運ぶ大型ダンプが山奥に入り、帰りには……
「「「「「お帰りなさいませ。ご主人さま♪」」」」」
異世界風メイドカフェに、大量のお金を使う…… やの付く人達の姿があった。




