魔王少女、魔眼を発動!?
(マ…… ター…… マスター! 聞こえていますか?)
「うん? コア…… 念話か?」
世界樹の為に、ワイバーンの骨を焼き砕いていた男に、ダンジョンコアの緊張した声が届く。
(コア、どうした?)
(ダンジョンに危機が迫っています)
(何!? まさか、侵入者か?)
(いいえ、違います)
(じゃあ、また魔物が発生したのか?)
(いいえ…… 原因はマスター、あなたです)
(俺? どう言う事だ?)
(ここ数日…… マスターは、エルフ少女と過ごしていた為に…… 魔王様がお怒りです)
(魔王が?)
(お怒りの魔王様から放出される魔力で、ダンジョンに影響が出そうなので…… どうにかして下さい!)
(あ~…… 魔王は何処だ?)
(マスターの後ろです)
「うお!? ま、魔王…… どうした?」
「にゃあ~……」
「なっ!? しまっ…… た…… 魔…… 眼か……」
男を見詰める魔王少女の瞳が、妖しく桃色に光る……
「にゃあ~…… 2号さんなんかを作る前に…… わにゃんの虜にするにゃあ~♪」
「くっ…… い、淫魔系の魔眼か!?……」
「わすれたにゃ? わにゃんの身体には、全ての因子があるのにゃあ…… だ・か・にゃ♪ 吸血鬼にゃサキュバスの魅了の魔眼も使えるにゃあ~…… 魔王からは、逃げられないにゃん♥」
「や、やめ……」
「にゃあ~♥」
男は…… 魔王少女に押し倒された。
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~ 数十時間後…… ~
「にゃ…… にゃあ…… 何億回と…… 勇者と刺し違えてた…… わにゃんが…… にゃん♥……」
「ふっ…… 長い激戦だった……」
「マスター…… 昨夜は、お楽しみでしたね?」
「…… 不可抗力…… だ」
「最初は魔王ちゃまの魔眼が効いてましたが…… マスターの初撃で、魔王ちゃまの魔眼の発動が停止しました…… が、マスターの猛攻は止まる事が無く。その後は、もう…… ず~っと、マスターのターン!!でして…… 初体験がマスターで、魔王ちゃまの今後が心配です」
そう言うと、コアの操るゴーレム娘達が横たわる魔王少女の状態確認を始める。
「よくぞここまで…… やはり、マスターには、夜の専属が必要ですね……」
「あ~…… ところで、ダンジョンの方は…… 安定したのか?」
「今…… 猫耳獣人タイプと兎耳獣人タイプ、小人族タイプを見ましたね? マスターの専属にします。ダンジョンですが…… マスターと魔王ちゃまの夜の激戦で、魔王ちゃまから放出された魔力が余りに多かったので…… ダンジョン内に、魔王ちゃまの因子から新たな種族を誕生させました」
「新たな種族だと!? 大丈夫なのか?」
「誕生した種族は、ドワーフ族と小人のリリパット族ですが…… リリパット族は、此方から危害を与えなければ農作業の人手に使えますし、ドワーフ族も…… 職人気質で、ちょっと気難しいですが…… ダンジョン内での建設や物作りに持って来いな種族ですので、ダンジョンの中層に住みかを与えれば役立つかと……」
「ますます異世界化が進むなぁ……」
「その分、今までしていたマスターの労働が減るので…… 今回の様な事が起きない様…… ちゃんと、魔王ちゃまのお世話して下さい」
「はい……」
「にゃあ~♥…… 次にゃ…… まけにゃいにゃ♥…… ムニャムニャ……」
次の激戦が無い様に…… 男は、普段から魔王少女の相手をすると誓うのだった。




