前世では…… 寿命以外なら死体は患者です。
「やっ、ちまったぁ~…… 完全犯罪を補助しちまったぁ~…… 気付けよ俺! 明らかにおかしかっただろうがぁ~!」
「にゃあ? ダンジョンにゾンビを置くにゃん?」
『取り込んで、アンデッド系モンスターの素材にしますか?』
「いやいや…… ダンジョンに持ち込みの死体隠蔽工作は、前世でも犯罪だからな? これ…… 使えるか?」
「にゃんにゃあ?」
『彼方の世界の甦生薬ですね? ダンジョン内でなら使えますが…… 死後硬直が進んでいるので、身体の機能が完全に回復するまでにダンジョンから出たら…… 死にますよ。それでも使いますか?』
「これも使うから、大丈夫だ」
「にゃ? 鉄板の付いた棒にゃん?」
『奴隷印の魔法具ですか? こんな年端もいかない少女に…… マスターたら、中々の…… き・ち・く・♥、ですね~♪』
「うるせえ! ここにいる間だけだ…… ダンジョンをウロウロされたくないからな。じゃあ…… 生き返らせるぞ」
「この世界の人間にゃあ…… どんな人間にゃ、楽しみにゃあ♪」
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(あれ? 私…… どうしたんだけ…… ああ…… そうだ…… ママとケンカして…… 家を出て…… パパ活したんだ…… そしたら、ヤバいおっさんが来て…… パンツを脱がされそうになって暴れたんだった…… そしたら、おっさんに首を絞められて…… あれ? 私…… 助かったの? 人の声…… 警察かな? ああ…… またママに怒られるかな……)
「お~い、もしもし? 起きたか? ちゃんと解るか?」
「え…… あ…… だ……」
「ああ、硬直が抜けてないなぁ…… ちょっとゆっくりと手を動か…… せるか?」
「あ…… うぅ…… いっ……」
「ちょっと無理みたいだなぁ…… いいか? 大人しく聞けよ? 解ったら声を出せ」
「はぁ…… い……」
「よし、お前は仮死状態で山に捨てられていたが…… 偶然通りかがった俺達に見付けられて助かったが、長時間仮死状態だったお前の身体は、硬直が抜けてない。だから、無理せずにゆっくりと身体が動くまでは此処に居ろ。いいな? 解ったら声を出せ」
「あ…… い……(誰だろう? この人…… でも、この人の言う事を聞かないといけない気がする…… 何でだろう?)」
「おっ、素直な良い子だな……(足の裏にした奴隷印の効果か? やけに物分かりが良いな…… まあ、治るまでの付き合いだから…… 勘弁してくれ)今は無理せずにゆっくり寝てろ」
「あぃ……(なんだろう……? あの人の言葉に逆らえない…… なんだか…… すごい眠くなって……)すぅ…… ふぅ……」
『眠りましたね…… 魂と精神が戻った様ですねぇ…… やりました! 完全に甦生に成功です。身体の方ですが…… 死後1日前後くらいだった様で…… マスターの薬と魔力の循環で3日ぐらいで完治すると思われます』
「3日か…… それまでに、どう地上に戻すかを考えないとなぁ……」
『その事ですが…… マスター、暫くは奴隷のまま様子を見ませんか?』
「経過観察するって、事か?」
『それもですが…… この先、地上の物を手にする為には、彼女の様な存在が必要かと……』
「この子に地上の物を送らせるのか? どうやって?」
『奴隷印を通じて、マスターの魔力が彼女に流れているのを利用します。彼女に転送機能を付けた魔法バッグを持たせたら、どうでしょうか?』
「それで地上の物を送らせるのか? 犯罪をさせて捕まると厄介だから…… 金を作る方法を考えないとなぁ……」
男は、〝女子中学生奴隷〟を手に入れた!




