REAL:2話
ふむ。やはり僕は天性の才能を持っているのかもしれない。
実際に前に、というか昨日、経験したことを文章にしてみた。
(流石にコーヒーで習字するおじいさんはフィクションである。僕なりの笑いどころである。ぜひ笑ってください。)
これはなかなか良い文章なのでは? 題名は、ええと、『カフェーと本』ってところか。
ストーリーをあまり考えなくて良いので、自分でも驚くほど筆が乗った。
数学の授業が終わり、次の体育の授業の為にクラスメイトが皆教室を出て行ったのにも気付かなかったほどだ。いや、一人くらい僕に声をかけてくれても良いんじゃないか?いくら僕がボッチとは言え。
ふっ。僕の黒きインビンシブルが発揮しちまったのなら、仕方のないことだろう。
僕は袖で涙を拭い、体育館へ向かった。
(授業にはギリギリ間に合いました。うれしかったです。)
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こんにちは。貝南高校1年ⅽ組5番、上田小雪と申します。趣味は読書とミリタリーです。
最近読んだのは、阿部公房の『壁』です。結構楽しめたのですが、オチがいまだに理解できません。
好きな兵器は、やっぱり10式戦車ですかね。へへへ。
話は変わりますが、私は今MiG-25のごときスピードで廊下を走っています。
先生、ごめん。現在ⅽ組はバスケの授業中なのですが、上履きを教室に忘れたので取りに戻っているのです。
私は運動能力が皆無なので、試合に及ぼす影響力もほぼ皆無です。
そのため、こっそり抜け出して急いで帰ってくれば誰にも気付かれずに済むはず。
そのような結論に至ったまでです。
なんやかんや言ってるうちに教室に到着しました。うれしい。
机の横のフックに上履き袋をかけているので、あとはそれをとるだけです。
「......?」
隣の席(名前は憶えていませんが、物静かな男の子がいつも座ってます)に『プロジェクト・dogimo』と書かれたノートが置いてありました。
これは何なのでしょうか。作者はネーミングセンスがない、ということはわかるのですが。
そういえばさっきの時間、この席の持ち主(どうしても思い出せないので以後fuckと呼びます)
が何かもちょもちょ呟きながらノートを書いてた気がします。
授業を妨害された腹いせに、勝手にノートを読んでやることにします。悪いなfuck。
「......!」
中には、小説?が2作品綴ってありました。
ふむ。おもしろくはないですね。滅茶苦茶痛いうえに、文章も拙劣です。
勝手に小説を読まれて、こんな北爆みたいな勢いで批判されるfuckもかわいそうですね。
fuckもfuckなりに頑張って書いたのだと思います。えらいぞ、fuck。
しかし、こんなもの授業中に書いているということは、fuckも小説がすきなのでしょうか?
そうだとしたら、喜ばしい限りです。
なんでも、私は文芸部に入りたいのですが。
凄まじい程の人見知りである私は、部に入りたくとも1人では無理なのです。
友達はもうほかの部活に入ってしまいましたし。
どうにかしてfuckとお友達になり、一緒に入部出来たら良いのですが。
あれほど物静かな子であれば、私もいくらか話しかけやすいというものです。
あれ?そういえば。何か忘れているような気がします。ふむ。そういえば、今はバスケの授業中でしたね。
時計を見ると、あらまあ、授業終了の5分前です。
試合も終わり、先生が皆を整列させて締めに入っているくらいでしょうか。
十中八九、私がぬけだしたのはバレているでしょう。
......さて。怒られにいくとしましょうか。fuck、fuck you。
(このあとしっかり怒られました)