01.プラン
俺の名前は山口航平
この春、俺は高校1年生になった。
みんなは高校生になったら何かしら期待があるだろう。
例えば高校生になったら人気者になる、モテる、彼女ができる、そして一人前の"男"になれる。
まあざっとこんな感じになりたいって思うだろう。
だが俺は違う。
俺は幼なじみに中学でそういう全てを兼ね備えたやつがいるが俺に言ったこと。
「毎日が疲れる…」と疲れてそうな顔で言っていた。
普段はそんな姿見せないのにそっから俺にだけ弱音を吐いていたのだ。
そんな姿見たらそりゃあ人気者やらモテるやらしたくない。
そのため俺は自分の高校生活をどうしたいか…それは"平凡に過ごす"ことだ。
それを願いながら俺は桜散る道を抜け学校へ向かうのであった。
※
入学式。
それは誰もが経験したことがあるだろう。
知ってる人、知らない人ばかりいるこの場所。
この入学式に俺の両親、、いや母親は居ない。
俺の家は父と母が離婚し今は母と妹との3人暮らし、であったが今は実家から遠い高校に入ったので近くにアパートを借り仕送りしてもらっている。(約1ヶ月前から)
そして話を戻そう。
入学式、これが終わったらクラスに戻る。
その時の印象によりこの3年間の学校生活が決まると言っても過言ではない。
俺はそんなことを考えながら入学式を終えた…。
※
入学式を終えた俺は自分の教室に居た。
まずやるべきこと、それは友達作りっ!
だが知らない人…迂闊に話しかけてもリスクである。
じゃあこの後絶対あるであろう"自己紹介"の時間の時に好印象を持ってもらってある程度の友達を作ろう。
うん、そうしよう。
が、そんなことを考えてる時だった。
『あ、あの……よろしくお願いします』
あーもう話しかけてる人がいるやん。
あー言う人は友達作りうまいんやろな。
『あ…あの...聞こえてますか?……』
なんだなんだ。
挨拶してくれてるのに無視するやつが居るなんて…マジそいつは誰な━━━
「や、山口さん?...」
ん、んんんんんんんんんんんんん???????
え?俺だったの?え?正直言って俺は見た目根暗中身性格悪い(自覚済み)の俺に話しかけただと...。
しかも今気づいたが隣の子めっちゃ可愛いやんっ、しかもよく成長してる。(特に胸)
あっ、ダメだダメだ、危うく2つの果実に魅了されるとこだったわ。
てか話しかれられたんだし何か言わないと...ま、まあシンプルに。
「こちらこそよろしく」
噛まずに言えたぞ...美少女相手に。
てかこんな席になれるなんて神様、あざすっ!
だがこんな美少女と友達になったら俺はどうなるか。
その答えはただ一つ。
"男子に嫌われる"だ。
あえて同級生の男子と言わなかったのは理由がある。
それは大人っぽいからだ。
多分この子は先輩からもモテるだろう。
いや多分じゃない、絶対と言いきろう。
だってこんな成長しとるんだぞ?こんな物見たらもうさすがに...分かるよな?
だが俺は平凡な生活を送りたいからこの子との関係は"知り合い以上友達未満"を目指そう。
俺は目標を立て、この後の自己紹介の時間へ準備を進める。
※
隣の美少女イベントが終わった後、自己紹介の時間が始まった。
俺は山口なので1番最後に言うことになった。
最後というのは1番頭に残りやすくそして印象も付く。
大体の人はこんな発表だ。
「━━です。趣味はゲームで部活は入る予定無しです。
1年間よろしくお願いします」
とこんな感じだ。
俺ももちろんこんな感じに言うつもりだが、俺の前の奴、坂神大登がなんか周りの男とは違う気がする...まあ気のせいかもしれんけどな。
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そして坂神大登の番がきた。
周りの女子は「アレってcamcamのモデルの人じゃない?」
「あー知ってる。あの突然現れた100年に1度のイケメン、坂神大登君でしょ?同じクラスなんて...今年の運全部使っちゃったかも」などそんな声が聞こえた。
俺の直感?すげぇぇぇ。
まあそれよりも自己紹介で何を言うかだ。
坂神大登のせいで後の俺が地味になりすぎてしまう。
せめて普通の印象は持ってもらいたい。
そのためにもまず、坂神大登の自己紹介でかき消されないような自己紹介を言うしかない。
そして坂神大登の発表が始まった。
「俺の名前は坂神大登。趣味は身体を動かすことで部活は入る予定無しです。そしてモデルもやってるのでみんなの憧れ、みんなの物としてこの1年間過ごせたらと思います。よろしくね!みんな!」
いや〜さすがにこの自己紹介は痛いや━━
女子「きゃぁぁぁカッコイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ」
男子「...絶対負けねぇ...」
うわぁ...女子は完全に心掴まれ男子にはライバル視されてる...。
てかまだ俺の自己紹介あるのに騒がないでくれる?
てかどうしよう。
完全に坂神大登がやってくれたおかげでハードルが上がってしまった。
今の自己紹介と同じぐらいの発表…もしくはそれを超える...とにかくやるしかねぇ。
俺は覚悟を決め自己紹介を始めることに。
「っんううんっ、えー俺の名前は山口航平、趣味は無く部活も入る予定がありません。
えー俺が最後の人なのでここで1つ、面白い1発逆をやろうと思います。それじゃあいきます..."ゲッツッ!"」
だが周りの反応は全員一致で「は?」だった。
おかしい、これはおかしいぞ。
このネタは昨日テレビで観たネタでみんな笑っていたのに…。
※
あの自己紹介の後、授業が終わり放課後になっていた。
その間俺は誰にも話しかけられずその1日は"ぼっち"で過ごしていたのだ。
何故こうなった、この完璧プランで挑んだっていうのに。
俺の前で発表した坂神大登はあんなに友達も出来て居るっていうのに…。
まあ今日のことは気にせず明日、明日俺の印象を上げればいい。うん、それだけだ。
そうして俺は身支度を済ませ、教室から出ようとすると。
「待って!山口君!」
聞き覚えのある声だった。
俺はその声の方へ振り返ると居たのはあの美少女だった。
とりあえず返事は返しとこう。
「うん?どうしたの?」
と俺は返すとその少女は緊張しながら、
「あ…あの、もし良ければ…、一緒に帰りませんかっ!」
「……え?」
いやなんでこの俺が?今日のこのある意味目立った俺と一緒に帰りたいだと!?
周りもかなり驚いた様子でこちらを見ているし…。(特に男子)
だけどこれはいいよと言うべきなのか……。
しばらく考えて出た答えは━━
「わかったよ、俺で良ければ」
「……ありがとっっ//」
可愛いかよ。
だけどなんでこんな俺と…まさか、これは罰ゲームで俺にこんな申し出をっ。
まあそれは帰ってる時に聞けばいい。
こうして俺はこの美少女と一緒に帰ることになった。
※
帰り道。俺にこんな可愛い子と二人きりで帰れる時が来るなんて…この時間を大切にしよう。
まあまず二人だけなんだから何か話さないとな。
「えっと…なんで俺と一緒に帰りたかったんだ?」
俺は単刀直入に聞いてみた。
「…………」
いや黙っちゃってるよ。
やっぱり罰ゲームなのかな?だったら別の話をしなければ。
「そういえばなんだけど、俺まだ君の名前知らないんだよね。なんて名前なの?」
「……華井彩葉」
「華井彩葉さんって言うんだ。これからよろしくね彩葉…華井さん。」
「……!!こ、こちらこそ、よろしくお願いします…」
ほほー、思ったんだが多分、いや絶対に華井さんはコミュ障やな。
人見知りでは無いと思うが。
だって俺に話しかけるってことはそゆことやろ。
だけど何故俺と一緒に帰りたいと言ったんだ…。
もう一度聞いてみるしかないな。
「華井さん?もう一度聞くんだけどなんで俺と一緒に帰りたいって言ったの?」
「…………」
また黙っちゃったよ。
聞かれたくないのかな。
それなら仕方ないから別の話を━━━
「好きだから……」
「…………え?待ってもう一度言ってくれる?」
「…………好きだからっ!」
「ゲホッゲホッゲホッ、っんううんっ、待って待って待って待って、え?罰ゲームで言わされてるんじゃないんだよね?てか聞き間違いじゃないんだよね?」
「……うん」
「グハッ…神かよ…」
※
俺はこの時の後は覚えていない。
だが母親と妹によると突然倒れた俺を学生証に書いてあった家の住所を調べて家まで華井さんが届けてくれたらしい。
そして俺、情けないな。
また明日華井さんにはお礼を言っておこう。
だけど今日言ってたこと…あれは本当なのか━━
この作品を書いている西木康海です。
私が何故このような作品を思いつき投稿したかと言うと
私はこんな青春味わったことがありません。
私もそんなキャッキャウフフなことをしたかったという欲望っ!そうその理由だけで思いつき、そしてこの小説家になろうで投稿してみました。
そして改めて、この作品を読んでくださった皆様、誠に感謝致します。