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星と雪の輪舞《ロンド》  作者: アドミラル
王国編 第一章 伝承の御子
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プロローグ

 魔法──────それは魔力によって世界に顕現する奇蹟そのものである。人々はそれによって潤いまた乾き繁栄し凋落し和平し戦ってきた。その中でも魔法において属性魔法を極め王級と呼ばれる魔法の衣を纏ったものを“帝”と呼んできた。またその衣を神の作り物になぞらえて霊衣とも呼んだ。この物語はそんな世界で伝承の御子として生まれた一人の少年の物語


 ──────



コンスタンティ王国首都にある王立魔法学院。ここでは未来ある学生たちが様々なことを学ぶ。学問はもちろんのこと剣術や武術などの戦闘技術まで習うのだ。しかし一番重要視されるのはやはり魔法の習得だろう。現に今聞かされているのがそれだからだ



「魔法の発動には魔力が欠かせないがひとくちに魔力といってもそれは3種類の質によって決められる。どれかひとつが抜群に優れているというのも良い事だが満遍なくというのもまた大事な事なのだ。まず属性まあ言わずもがなだな。希少であればあるほど、沢山あればあるほどいいという感じだ。次に魔力量。これも沢山あればあるほどいいが、次がダメだとこれは宝の持ち腐れとなる。それが枠、器だな。穴の空いたコップに最高級のワインを入れても無駄なように器の質が重要なのだ。身体強化でもっとも重要なのは身体に魔力を通し纏うこと、早く正確に大量にだ。それが零れてしまってはせっかくの魔力量もムダというわけだな」


 王立学院での授業とはこうもつまらないものかと思った。エルフの国では狩りと戦いにあけくれていたから身体を動かしていないと落ち着かない。くぁと出たあくびもよそに飛ばす。隣にいるユキは緋色(スカーレット)の瞳を大きく開いて真面目に聞いてるみたいだけど俺にはどうも出来そうになかった。退屈なので窓の外を見るとちょうど白鳥が飛んでいた。俺は気配を感じ──────


「おい聞いているのかセイ」

「聞いてました」


 瞳を業火に燃やす女教師ノーラ・ステリーが投げた火の魔力を帯びたチョークをすんでのところで止めた。人差し指と中指がひりひりとして痛い。程よく魔力が纏わされてチョークの形を崩さないくらいには込められていた。さっきの話の通りならこれが鉄の棒だったりしたら指を抜けてたかもな


「では魔力とはなんだ」

「魔力とは魔力です」

「よろしい……ではもう一度最初から説明しよう」


 えぇーとクラスからため息混じりの落胆が聞こえる。みんなごめん魔力が魔力じゃないとは思わなかったんだ


さてそれじゃあ“伝承の御子”であり星帝である俺セイがこの国コンスタンティ王国に来た日のことを思い返しながら教師が唱える呪詛のような説明を聞きながそう

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