第三話の二 クソ能力は未来を見通す
まだ中途半端にしか小説投稿されていないのに読んで下さる方には感謝感激!
リラに報酬の半分を手渡し、解散した後俺達はギルド直営の酒場に来ていた。ここの利点は一つ、討伐したモンスターの食材を使った料理を頼むとすごく値段が安くなるという所だった。これはギルドメンバー問わず利用できるため、貧困時代には非常にお世話になっていたりする。
「リラもここで食べるの?」
「勘違いしないで。安いからよ」
「そっか。せっかくだから一緒の席にしようよ」
俺は何とかリラの隣に座ろうと頑張った。なぜならば美人の隣とは何かと役得だからである。俺は何も隠すことなく面食いなので美人であれば猛烈にアタックする。……ただし、元女神を除く。
「まあ、いいけど……」
「お、おかしい……。スズキがこんなに女子の隣を取りたがるなんて……。僕は言われたことないのに」
「ブタには頼まないわ(笑)」
「オーケー後でお前の布団に僕の洗っていない作業着塗りつけるわ」
「や、やめろおおおおおおおおおおおッ!」
悪意のある俺の発現に最大の反撃をしようとするニニエを必死でなだめる。その後結局おかずの一つを奪われることで手打ちとなった。
「……で、お前たちは明日もあの怪物と戦うのか?」
「まあ、そうなるな。まあ討伐隊と合流すれば何とかなるかも」
「壊滅したぞ」
「は?」
「コガレオン討伐隊なら、私の倒したあいつに壊滅させられたぞ」
「だから、あんなに町の近くにいたのか……。そう言えば受付のお姉さんがやけに俺を尊敬した眼差しで見ていたな……」
急に怖くなった俺は速攻でやめるという選択肢を選ぶことにした。それが正しいか間違っているかはどうでもいい。早くこの危ない仕事から足を洗いたかった。
と、そこで俺はあることに気が付いた。
「選択肢? そうだ、この方法があるかな?」
俺は食事を中断して紙を取り出すとサラサラと文字を書き始める。ちなみになぜか異世界語が書けるようになっていた。あまりにも自然に書けたので気が付かなかった。
「何書いているの? 何々、問題、明日の討伐を続けるべきかどうか、正解である方を答えよ。一、行くべき。二、行くべきではない……。もしかして能力?」
「ああ。この形式にすれば未来予知できたりしないかなって思って」
「そんな、出来るわけないでしょ。選択肢問題で絶対に間違えない能力ってだけなのに」
「絶対に間違えないんだ。なら、行けると思う」
俺はこの二か月間まるで触りもしなかった能力を使って見た。すると、二の選択肢が光り始めた。それを見た三人は顔を見合わせた。
「ちょっとほかの選択肢試してみたら? そうだな……。ちょうどよくあそこで賭けをやっている二人のおっさんがいるでしょ? 背の高い方とハゲの方。どっち勝つ?」
「ちょい待って」
ニニエに言われて俺は選択肢を用意した。そして答えは背の高い方と出た。そして、結果は……。
「ストレートフラッシュ!」
「ぎゃああああああああッ! ツーペアだ……」
「俺の勝ち!」
――背の高い方が勝った。
俺はクソだと思っていた能力にとてつもない可能性と使い道を感じた。あれ? 実はとんでもない能力なんじゃね?
「なるほど、無条件ではないが、状況さえ整えれば未来すら見通す力か……。その力、使い道はたくさんありそうだな」
リラはにやりと笑った。二か月越しに判明した自分の能力の底力を感じて俺はただ息を呑んだ。
この世界に不要な能力はありません。強弱ではなく汎用性があるか特化型の二択なのでどこかしらに活躍できる場所は有ります。