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第一話の三 俺のパートナーはデブだった

スプラ面白いっす

 目が覚めるとそこは部屋ではなかった。俺は石畳の通路に座り、白い建物の壁に寄りかかっていた。


「……どこ?」

 

 ついすっとんきょな声を上げてしまった。しかし仕方がない事だ。突然こんな状況に置かれればこうもなるだろう。


「あなた、自分がなぜここにいるか疑問に感じておりますね?」

「むッ!? 天の声、まさか女神さま? もしかして俺、本当に異世界に来ちゃったの!?」

「そうです。あなたは策ぼ……、選ばれたためこの世界に転生することになりました。そしてそのためあなたには特殊能力が与えられました」

「やっぱり選べないのね。で、どんな能力なの?」

「はい、大変素晴らしいことにあなたは世界一貴重で、クソな能力、(選択肢問題で絶対に間違えない)を手に入れました」


 世界一貴重と言われて浮かれそうになった俺はクソな能力と言う言葉に絶望した。女神さまが言うのだから本当に糞なのだろう。と言うかどこに使いどころあるのそれ? まだ缶詰のふたを開ける能力見たいな物の方が使い道あるんですが。


「あの、つまり俺はどうすればいいんです?」

「私に聞かれても困ります。それと、あなたがクソな能力になってしまったせいで私も困っています」

「おいこら天の声、てめぇが勝手に俺を異世界に送ったのになんだその言い草は! 顔出せや! このデブの肉体から分泌される脂でギトギトにしてやる!」

「それなら問題ない」


 天の声は冷静にスズキの言葉を聞き流す。すると狭い通路が突然光輝き始め、その天の声本人と思われる人が登場した。


「僕もデブだ」


 それは余りにも絶望的すぎる、デブ二人の異世界生活の始まりであった……。


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