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第一話の二 異世界への片道切符

 それは偶然であった。偶然外出した時に商店街の福引券を貰い、それを引いたところ当たってしまったのだ。特賞が。


「マジかよ」


 正直当たると思っていなかった俺は帰り道に家で開けてくださいと念を押された旅行券の入った封筒を眺めていた。

 ……正直いらない。だって一人旅になってしまうし。


「家族にプレゼントしよ」


 俺はそう思い立ってチケットをカバンにしまうとそそくさと同級生と鉢合わせしないように急いで家に帰って行った。

 そして、家についた俺はその事をすっかりと忘れてゲームに明け暮れてしまい、時間は深夜となった。


「忘れていた。……どんなチケットなんだろう?」


 旅行にはいかないにしても物だけは見ておきたい。その好奇心が封筒を開いた。すると中から出てきたのは何とも古めかしい紙に拙い日本語で異世界転生片道二名様と書かれたものであった。


「……いたずらか? それともからかわれた? デブだから適当でいいやってこと?」


 そのあまりのいたずら感漂うチケットに俺は顔をしかめた。まさか商店街の人すらも俺を陰で笑っているのではないかと悪い妄想が巡り始める。

 というかなんだこれは。いたずらにしても内容バカすぎやしないか? 異世界転生って何だよ。


「……ん? 異世界転生特典として豪華能力をランダムに付与させていただきます? ……選ばせろや! なんだよ福袋みたいなことしやがって! 運が絡むと俺はダメダメなんだよ!」


 俺はチケットを地面に叩きつけて布団に転がった。百五十キロ級の体重を掛けられたベッドが嫌な軋み音を上げた。


「なんか、眠くなってきたな……」


 俺は急に眠気を感じ始め、そしてそれに誘われるがまま眠りについた。


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