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ぼっちは勇者を目指さない。  作者: タネモリ チコ
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第三話

異世界に無理やり召喚された挙句、何故か精霊界でぼっち修業が始まってた。

元の世界については・・・なるようにしかならないかな。

流石に1クラス丸ごとの人間が消えたとか普通だったら騒ぎになってないとおかしいし。

元の世界に戻ったら、大変なんだろうな。

担任やクラスの他の人たちについては正直諦めてる。

いじめられっ子の復讐劇に関わるほど私は残念ながら善人じゃない。

大体普通の中学生に何を求めてるんだろう。

問題はその復讐劇のとばっちりが私にまで届きそうだって話なんだけどね。



死なない為の特訓を精霊界で始めて1週間も経ってない筈なんだが。

うん、何か内容が怖い事になってるよ。

異世界転移でチート能力がないのは確かにきついのは判る。

人間では到底かなわない化け物レベルに命狙われているから余計に仕方ない。

普通の人である私が生き残れるように精霊王たちが頑張ってるのはよく判る。


確かに筋トレが余りにもきつくて、真っ先に回復の精霊術を教えてほしいと頭を下げたんだけど。

火の精霊王は本当に何を考えてるんだろう。武器の使い方の前に体が壊れそうだったよ。

そして、回復に頼りすぎないように肉体強化とかの精霊術も真っ先に学んだんだけれど。

水の精霊王から回復できない程のダメージ受けたら困るでしょうって言われたらそれはね。

そもそも、困るの前に特訓自体についていけない危険性があったし。

何しろ、筋トレ終わるころには午後の座学は死にかけてて頭に入らなかったからね。

風の精霊王と土の精霊王がこの世界の事について教えようとしてるのに、殆ど意識飛んでたし。

流石に宜しくないから、何とか力尽きないように対策練ったわけだ。

光の精霊王と闇の精霊王も一緒になって色々精霊術の良い使い方を考えてくれたし。


何とか午後になっても力尽きずになる位にはなったと思う。

体力強化と回復の賜物だったのは否定できないし、精霊術を使うのに負担は全然掛からないし。

精霊界産の水と食事も影響があったかもしれないが、翌日には完全回復していたし。

ただ、筋トレが最早体力だけでなく魔力を上げるための訓練になってたのは言うまでもなく。

例えばランニングのキロ数が10kmから100kmになってた。制限時間も1時間とかだったし。

アスリートじゃなくて超人レベルの課題が出た時には頭を抱えた。

『今の貴方だったら出来る筈ですよ。寧ろ、今までの課題では訓練になりませんから。』

確かに精霊術を使いながらなら、こなせない程じゃない。

おかげで火の精霊王の剣技が見えるようになってきた。

他の精霊王たちもやっと自分たちの持ってる戦闘技能を教えられるとか計画練ってたけれど。

全然よくない。人外の道まっしぐらだ。


午後からは何とかこの世界についての実情を把握できるようになってきた。

一日目の記憶が飛んでた頃に比べると夢のようだ。

あの時は本当に夢見ていたけれど。午後から朝起きるまでの記憶が飛んでた時には正直焦った。

だから2日目からは慌てて精霊術を学ぶ方を優先させた。

最も、今の鍛えられ方では人間世界の常識を学ばないと大変な事になるのは想像できる話で。

大体筋トレの対策と精霊術の使い方を学ぶのを真っ先にやる事って順番がおかしい。

過剰な力は使い方を間違えると自分の身を滅ぼしかねない。

だから普通は力よりも知識や精神面を鍛えることを中心にする。

ただ、そう出来ない所に、私の危険な立場と時間の無さが見えてくるんだが。


それより精霊王たちの話が事実なら、かなり大変な状況みたいで。

五大陸の人族の国家に、極北の邪神擁する魔族の軍が侵攻しているわけで。

これ、私が生き残ってなかったら今頃世界は魔族たちの物になっててもおかしくなかったのかも。

うん、やれるだけの事はやっておこう。

多分邪神を筆頭に魔族たちは私の命を狙いたくて仕方ないだろうし。

この精霊界来る前に既に殺されそうになってる時点で色々覚悟する。


そういえば精霊界に来てから人と会話してないな。

何時になったら人と会って話ができるんだろうか。

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