『調理』生物の死骸を加工・加熱し、舌や口腔内に存在する味蕾に最適な刺激を与える物質を作るスキル
主人公:男性、非リア充、モテたくてたまらない
異世界転生物の小説は熟読
やあ、僕は念願の異世界に転移してきたぞ!
もらったスキルはこの『調理』スキルだ! 他の強いスキルも心惹かれるものはあったけれど、生きるということは食べるということ、数多の食事を作り出すことのできるこのスキルはどんな状況でも役立つと思ったんだ!
『調理』スキルさえあれば、貧相な材料しかなくても美味しく食べれるだろうし、安い食材を使って高い料理を売れば他人からお金を稼ぎ放題だしね。
それに世界に誇る日本の調理技術を再現できれば、夢のハーレム生活だって手に入るかも……ぐふふ。
そう思って適当な街に入って、適当な材料と道具を借りることができて、そこで露店屋台を開いて一旗揚げようと思ったんだけど……なんかうまくいかない。
せっかく鉄板焼き屋台なんてわかりやすい形式の店を開いたのに、なんで誰も近づいてこないんだろう……。
「あのぉ……」
あ、いらっしゃい! 初めてのお客さんだ! どう、一つ食べてかない? 凄くおいしいよ?
「あ、いや。その、これ食べるものなんですね、やっぱり……」
え、何言ってんだこいつ。これどう見ても食べ物だろう。まあモノはただの焼き鳥だけどもさ……。でも『調理』スキルの補正のおかげで味はかなり美味いはずだぜ、これ。
っていうか食べ物じゃないなら一体何に見えたんだ?
「ええっと、火遊び、とか? もしくはなんかの大道芸かなぁと思って見てたんだけど……」
いやいやいや、意味わからんて! なんで屋台が大道芸になるんだよ!? どう見ても、じゃなくて匂いをどう嗅いだって食事のためのものだってわかるでしょ!!
「うん、だから不思議でさ……。あの、なんでわざわざ鶏肉を焼くのに火をつけてるの?」
へ?
「いや、だって……。普通お肉を焼くなら魔法で一発でしょ? 最近は振動魔法で直接加熱する方式が流行ってるけど、少し昔でも火の魔法を使うのが普通のはず。なんでわざわざ火をつけてるのかなぁって……」
え、魔法? そういえば魔法がある世界だっけかここ……。というか魔法が調理に使われてるのが普通だとしても、こうやって火をつけて料理をするのは普通のことじゃないの?
「いや、僕も昔の資料で見たことがあるくらい、かな? あと魔力が切れて無人島に行ったときのサバイバル講座でチラリと見たくらい。お肉って直接火で炙って料理してもできるんだね、初めて見た」
……そんな、だからこんな盛大に鶏肉の焼ける美味しい匂いをまき散らしてるのに、誰一人寄ってこなかったのか……。
「うん、あとその刃物? それもあるからみんな怖いんだと思う」
え、それってどういう?
「だってさ、料理に刃物使うなんて原始人のやることじゃない? 魔法でいくらでも切れるんだから刃物なんて普通使わないよ。戦いに向かう兵士が魔力切れを起こしたときに自害で使う用で刃物があるくらいで、僕そんな珍しいの見たことないもの。ナイフっていうんだよね、それ?」
いや、確かに武器屋で隅っこの方で埃を被ってた奴を借りたわけだけど、マジで? マジでこの世界に刃物ってないのか?
「うん」
刃物がないってことは包丁も見た事ないのか……?
「ほうちょう? よくわからないけど聞いたことない武器だね、それ。そのほうちょうって武器を使って今度は何するの?」
え、今度は何するって、別に普通の屋台をやってただけなんだけどな……。
ああ、そういえば大道芸だと思って見てたんだっけ。包丁っていうのはこうやって、肉とか野菜を切るんだよ。トントントンっと。
「うわぁ、手先が器用だね! そんな難しい作業を手作業でできるなんてほんと凄いや! もっと見せて!!」
いや、こんなちょっと一人暮らしが長い奴だったら誰でもできそうなことで喜ばれるなんて……。スキル関係ないな、マジで……。
っていうかこれ、食べる気ない? 安くしとくけど。
「いらないよ、こんな路上で火で焼いた料理なんて。バイキンとかついてそうじゃん。そんなものより他の芸をもっと見せてよ! 小銭なら出すから!!」
ええ、芸って。芸って言われたよ……。っていうかさっきの包丁さばきを見てたらしい人がだんだんと近づいて見に来ている。
なんだこれ、なんか思ってたのと違う……。
…………
えーと、ゴ、ゴホン。や、やあ、僕は念願の異世界に転移してきたぞ!
もらったスキルはこの『調理』スキルだ! 他の強いスキルも心惹かれるものはあったけれど、数多の食事を作り出すことのできるこのスキルはどんな状況でも役立つと思ったんだ!
『調理』スキルさえあれば、貧相な材料しかなくても美味しいご飯が食べれるし、お金稼ぎもしやすいだろうだしね。
それに世界に誇る日本の調理技術を再現できれば、夢のハーレム生活だって手に入るかもね!
そう思って適当な街に入って、最初の街で露店屋台を開いて一旗揚げようと思ったんだけど、なんか思ってたのと違いました。
なんか屋台を開いていたはずなのに、気付いたら大道芸人扱いされて、見物人の人だかりができてたよ。まるで意味がわからない。
包丁のみじん切りで見物人の目が輝きだし、大根のかつら向きで拍手が沸き起こり、鉄網の上においた鳥のモモ肉に醤油をブラシで塗ったら歓声が上がったよ。気分は完全に通販番組の料理コーナーだったね。
まあせっかく大量に料理を作っても、なんか不衛生だからって誰も手をつけてくれないし、最初は珍しがられていたけどすぐに飽きられたみたいでお客はいなくなったんだけどね。
しまいにはお節介な誰かに通報されたらしく、食材を無駄にする不貞な輩として逮捕されかけたので、大道芸として集めた小銭の山と、作りすぎて消費しきれなかった大量のヤキトリを背負って次の街までやってきたわけだ。
さすがにもう結構旅してきた関係で、この異世界の常識は理解してきたし、この世界特有の魔法料理も見よう見まねでなんとなくできるようになってきた。
いやー助かったよ、『調理』スキルが異世界の料理にも対応していて。おかげでこの異世界の人達にも食べてもらえる料理が作れるようになったと思う。
というわけで今回こそ料理を作って荒稼ぎをしようかな。
どうやら屋台のような地面設置型のものはこの異世界では受け入れられないらしい。売り歩きのように材料を持って練り歩き、その場で調理して食べてもらうのが一般的なようだ。
だから野球場のビール売りよろしく肩かけのカゴを持って、そこにサンプルのテリヤキチキンをちょこんと置いてスタート。
前とは違って、香ばしい匂いに早速人が釣れましたよ。いらっしゃい、一つどう?
「へー、シンプルだけど見た事の無い料理ね。なにこれ?」
はい、テリヤキチキンって言います。ちきゅ……僕の地元の料理なんですよ。一つ食べて行きませんか?
「まあいいわ、試しに一つだけ食べてみましょう」
やった! 初めてのお客さんだ! あ、お姉さん綺麗だから最初の1個サービスね。
「ふふ、お世辞が上手ね。じゃあお言葉に甘えて、タダで貰える代わりに盛大に宣伝してあげるわよ。じゃあはむっ、うん。うっ!?」
どう、おいしいでしょう!
「もぐもぐ、んぐっ。ふぅ、何とか食べれたわ。あなた、これ売り物のつもり?」
え、そうですけど。何か不味かったですか?
「何かが不味いんじゃなくて、この料理自体が不味いわ。なにこれ、こんなのが売り物? 信じられない」
ええええ!? なんで、テリヤキチキンだよ!? バーガー店で鉄板の人気メニューだよ!? なんでそれが不味いって言うんだよ。どうして?
「……ちょっとそのカゴの中身を良く見せて……。あー、うんわかったわ。あなた騙されたのね」
え? 騙す? この鶏肉の何が……。
「あのね、美味しさってのは基本的にステータス依存なの。美味しさステータスが高いものほど料理にしたときより美味しくなって、低いものはどう足掻いても不味いものしかできないのよ」
え、す、ステータス? き、筋力とかスタミナとかはわかるけど、美味しさのステータス? な、なんじゃそりゃ……。
「そんな基本的な事も知らないの? あなた料理人失格ね。これ、パッと見は美味しそうな鶏肉だけど、きっと全部美味しさステータスが凄い低いものなのよ。だからこんな不味いものが出来上がるに違いないわ」
えええぇ。僕一応自作したテリヤキチキンをちゃんと味見して、スーパーの惣菜より圧倒的に美味しかったから行けると思ったのに、これが不味いの……?
「この程度の味でいいのなら子供が作った手料理の方がまだマシだわ。素材の良しあしを蔑ろにしすぎよ。こんなのでお金を取ろうって神経を疑うわね」
い、異世界人の舌が肥えすぎてる。どういうこっちゃ……。
「今度からちゃんと誰かに鑑定してもらうことね。まあ流れの料理人にきちんとしたモノを卸してくれる商売人なんて少ないだろうけど。どっちにしろ、あなたの料理美味しくないわよ」
ま、マジかよ。『調理』スキル持ちなのに美味しくないとまで言われちまった。なんじゃこりゃ……。
…………
念願の異世界に転移してきたぞっと。
もらったスキルはこの『調理』ってスキルでさ。数多の食事を作り出せるこのスキルさえあればどんな状況でも絶対に役立つと……そう思ってた時期が僕にもありました。
いや、まさか『調理』スキル持ちが料理人としてハブられるとはね……。想定してませんでした。
食のレベルは日本より高いくせに、文化レベルの低い異世界。そのせいで悪い食材を使う僕の噂はあっという間に広がっちゃってね。
どこへ行っても誰に料理を売ろうとしても笑顔で遠慮されるばかり。狭い村社会の情報網はホント怖いわぁ。
というわけでまた次の街に逃げてきました。大変だったよホント。
最初の街だと大道芸扱いされたのは不愉快だったけど、お金自体は稼げてたからね。食料も大量にあったし、移動は楽だったんだよ。
でも前の街は完全に空振り。目当てにしていたお金も一銭も稼げず仕舞い。大量に仕入れたのに売り残っちゃった美味しさステータスの低いらしい鶏肉の山を担いでなんとかこの街にまでやってこれたわけだよ。
……まさか道中路銀が尽きて、手持ちの鶏肉と、あと道端に生えてるキノコや山菜で飢えを凌ぐ羽目になるとは思わなかった……。
ただ、その山菜採りが功を奏したらしいね。鑑定の仕方はわからないんだけど、天然の良質な草花を具に見ていたためか、なんとなく美味しさステータスの高い品物がどんなものかわかるようになってきたんだよ。
もちろんまだまだ過信はできないけれど、今度は一方的に騙されて大量の不良在庫を掴まされるなんてことはないだろう。
今はもう開業資金がないから、どこかに雇ってもらうことにした。幸いなことにすぐ小さなお店の下働きとして雇ってもらえました。
だが、まだ僕の野望は尽きていない。こっそり新作料理を作ってお客さんに気に入ってもらい、そこを足掛かりとしてゆくゆくは大店の店主に……。
あ、いらっしゃいませー。
「おう、新人さんか? よろしく。いつものって言ってわかるかな? まあ店長に俺が来たって言ってもらえれば分かると思うけど」
ええ、わかりました。ところでサイドメニューは頼まれませんか?
「うーん、今日は腹減ってるし、なんか美味しいのだったらなんでもいいや。店長のおすすめでって言っておいて」
はい、わかりました。……ふふふ、早速チャンス到来! 味を染み込ませて作っておいたこの鶏肉を使って、こっそり新料理を披露してやる……!!
お待たせしましたー。いつものやつとこちらは新作料理となっておりますー。
「お、なんだこれ。良い色してるし匂いも良いな。なんて言う料理?」
はい、カラアゲと言います。鶏肉がベースの料理ですよー。
「へー、そうなんだ。じゃあ早速。……はむはむ、うーんジューシーな味わいがまたたまらないね。衣はさくっとしてるのに中の鶏肉はふんわり柔らかい。凄く美味しいよ!」
ありがとうございます! やった気に入ってもらえそうだ! それに初めて料理で褒められたよ。嬉しい……。
あ、僕が作ったお手製のしょうゆやマヨネーズを使うとより美味しく食べられますよ?
「へー、この調味料も初めて見る。うんうん。おー、味が変わって美味しいね。これはなかなかいけ……うっ!?」
え、ど、どうしたの急に顔を青くして!?
「うっ、ぐはぁっ!!」
うわ、お、お客さんが倒れた! て、店長! 店長!!
「おいおい、何の騒ぎだ……って、おい、どうしたんですかお客さん! お前、一体何が起きたんだ!?」
そ、その。お客さんがサイドで何か欲しいって言われて、こっそり僕の料理カラアゲを出しまして……。
それでカラアゲを美味しいって言ってくれたけど、その後急に……。い、一体何が?
「そのカラアゲって料理はこれかい? これは……おめぇ、なんてことしてくれたんだ!!」
ひっ、す、すいません! で、でもなんでこんなことに……?
「おめぇ、油使ってこの料理作っただろ!! 俺たち人間に油は毒なんだぞ!? こんなもの口に入れたら泡吹いて倒れるのは普通のことだ!!」
ええ、あ、油で!? でも油は普通食べられるでしょ、コレステロール値は高いかもしれないけど!
「何言ってやがんだ! 油食うなんてどこのモンスターだって言うんだよ! 人間様が食うもんじゃねーぞこれは!!」
……もしかして異世界人って油を分解できないのかな。見た目が地球人と同じで勘違いしてたけど、まさかそんな落とし穴が……。
ご、ごめんなさい。し、知らなかったんです……。
「油が毒だって知らねーだなんてどこの田舎育ちだってんだ、全く。それにお前、この回りについてるモンは片栗粉だな!? よくもまあこんなとんでもない使い方してくれたもんだ!!」
ええええ!! まさか片栗粉も毒なんですか!?
「ちげぇけどこの場合は全くその通りだ! 片栗粉は高温で熱しちゃいけねぇって言われてるのを知らないのか!! そんなもったいない使い方をするなんてどういう神経してるんだ!! これじゃあ最初は舌触りが良くても、あとでとんでもない激痛で舌がダメになるぞ!!」
そんな常識みたいに言われても知らないよ……。って、この異世界だとその常識を持ってる方が普通なのか……。
ううう、お客さん泡吹いて倒れてる。そんなに酷かったのか……。
「しかもおめぇ、この黒いソース、なんだこりゃ。何を使ったんだ?」
そ、それは大豆です……。大豆を発酵させたもので……。
「だ、大豆だって? 最悪だ! そりゃ家畜の食いもんであって人間様が食うものじゃねぇ! おめぇ一体なんてもの客に出してくれやがったんだ! 店の評判潰す気か!?」
す、すいません。すいませんでした!
「謝罪はいい! おめぇはクビだ! ああ、お客さん、すまねぇ。今すぐお医者様呼んでくるからな。すぐこのタライに今食ったゴミを出してくれ……。おい! てめぇの顔はもう見たくねぇ! さっさと出ていけ!!」
ひぃぃっ! す、すいませんでした! ごめんなさい!!
ううう、こんなはずじゃ、こんなはずじゃなかったのにぃぃぃ!!
…………
念願の異世界に転移してきました
もらったスキルはこの『調理』ってスキルなんだけど、なんで選んだかは……いいや、もう。以下省略。続きはWebで。
あのあと僕は犯罪者として指名手配されてしまいました。
何でも美味しそうに盛り付けた毒料理を素知らぬ顔で人に食わせる鬼畜犯罪者だそうです。……美味しい料理を食べてもらいたかっただけなのに、どうしてそうなった。
なので僕は必死で逃げて、今隣の国にいます。そこでボロ雑巾のようになってた僕は、とある冒険者の集団に拾って貰い命を繋げることができました。
彼らは僕を助けてくれただけでなく、わずかとはいえ路銀と次の街までの護衛をしてくれるそうです。久しぶりに人の優しさを受けられた僕は涙が止まりませんでした。
そして街へ着く前の最後の夜に、せめてものお礼として全力で料理を作り、もちろん事前にアレルギーやこの世界特有の食べられない食べ物等を調べた後に、彼らに喜んで食べてもらい、笑顔で別れを告げようとし、気付いたら裁判所の法廷にいました。なんで?
目の前の怖い顔の裁判官が僕を見降ろしています。そして前振りも一切なく、おもむろに判決を言いました。
「被告人は死刑とする」
ちょ、ちょっと待ってくださいよ! い、いくらなんでも早すぎるでしょう!? ご慈悲を! ご慈悲を!!
「慈悲などない。極刑に処す。執行日はなるべく早く……」
ホントに待ってくださいって! せめて理由! 理由を教えてください! なんで僕が裁判にかけられて死刑にされなきゃならないんですか!!
「……死刑囚である君は昨晩、冒険者一行にある料理を振る舞ったそうだな。その料理はどんな料理だ?」
えっと、普通の親子丼ですけれど……。
「それが死刑の理由だ。以上、法廷を終わりにす……」
待って待って待って! 理由が理由になってない! もうちょっと詳しく!
「……まず、この国の国教だが、聖なる神鳥を崇め奉っている。それは知っているか?」
……いえ、知りませんでした。
「ということは別国からの来訪者か。ともかく、我が国で鳥を殺生することは固く禁じられている。ましてや料理にするなどと……。死刑の理由ならこれくらいでも十分だ」
……そんな、宗教的に豚肉がダメみたいな感じなのか……。日本人としてはその発想はなかった。
でも冒険者のみんなに食べられない物を聞いた時、鶏肉がダメだなんて一度も言ってなかったのに……。
「当たり前だ。この国で鳥を食べようと思う人間なんていない。そもそも食べ物として認識していない。お鳥様に罰当たりだ」
なるほど、だからか……。
でもそれだけなら許してくださいよ! 僕、外国から来て知らなかっただけなんですから!!
「我が国の宗教をそれだけとは無礼な! それに貴様の罪はそれだけではない! この料理に使った材料が問題だ!!」
ざ、材料が? 普通に鶏肉と卵とタマネギがメインなシンプルな出来だけど……。
「まずタマネギ! これを食用とすることを我が国では認めていない! 違法植物の食用に他者を巻き込むなど……万死に値する!」
そ、そんな。タマネギなんて丼物じゃありがちな食材なのに……。
「それに名前が最悪だ! 我が国では親子の絆を最も大切なものとして認識している! だというのにお鳥様の、しかも生まれてもいない卵と親である鳥を同時に調理するなど、ありえないほどの大犯罪だ! 知らなかったで済まされる話ではない。大量虐殺犯罪ですら生温く感じるほどの大罪だ!!」
ううう、そんな。そんなぁ……。
「……無知は罪とはいえ、確かに我が国の流儀を知らなかったというのならば一定の情状酌量の余地は認められよう。なので死刑は確定だが、その期限を3日ほど与えるとともに、好きな食事を食べさせてやることを約束しよう。どうだ、何が食べたい?」
……カツ丼が食べたいです。
白い老人「ぶっちゃけこいつの顛末より作った料理の方へ常に目が行ってました。メシテロ酷いです」




