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そーらーをじゆうにーとーびたいんだがー?

ちょっと修正。

 春が近づき暖かくなってきた。

 この世界は冬が過ぎ春になると新年である。

 故にもう少し寝ると4歳である。誕生日の確認はしてないがね。

 いや、だって誕生日祝わないんだもの。



 じいちゃんに病の風について確認を取ると、予想より速いが病の風は去ったという。

 つまり、お外完全解禁だ。

 俺はこれを期にお空を飛んでみようと思う。きけんなおくすり的な意味でなく、リアルに。

 何故かというと、ストレスが溜まったからだ。



 冬の間はじいちゃんとヨトゥン付きっきりで魔法の練習をしていた。

 これを期にじいちゃんも魔力魔法陣方式で魔法を習得してみると意気込んだため、ヨトゥンズマジカルキャンプを開催。

 寒い午前中は魔法陣の暗記、紙に書いたりそのまま魔力で空中に描いたり。

 日の高い昼過ぎから、外に出て雪や空へ魔法を脊椎反射レベルで撃てる様にひたすら特訓した。実技は精霊語と魔力魔法陣半々。

 ヨトゥン軍曹の雪玉捌きは並では無かった。死角から雪玉を魔法で作り飛ばして来たりする。そのおかげで魔力を薄く全方位に垂れ流す感知法を習得し、今ならどこから雪玉が飛んできても魔法で撃ち落とせる。

 精霊語も喋りまくったせいで滑舌が良くなった...



 おかしい。俺は美味しいごはんが食べたくてこの世界を選んだ筈なのに。

 あ、いや母ちゃんのご飯は最近めっきり美味しくなりました。今現在の環境で出来るレシピを紙に纏めて渡したので。夕食にシチューが出てきた時には食べた瞬間泣きました。



 じゃなくて!!



 空を飛ぼうぜって事だよ!!






「という訳でヨトゥン軍曹。空を飛んでみたい」

「グンソウ??どういう訳かは解りませんが、主様は空が飛びたいのですね?」

「うん」

「かしこまりました。では外へ出ましょう。ああ、お爺様を呼んだ方が良いのでは無いですか?」

「あ、そうだね。呼んでくる」






 お外。


「さて、主様が空を飛びたいと仰りましたので、主様少し魔力を頂きますね?」

「へ?あ、うん」



 ヨトゥン軍曹は魔力の光を纏うとその形を変えていく。

 身長は屋根に届きそうなほど高く、いつものふわふわな羽から黒いテカテカとした硬い羽へ変化した。



「さて、主様とお爺様。背中に硬い羽を逆立てているのでお掴まり下さい」

「へ?ごめんヨトゥンやってもらってから悪いんだけど自力で魔法を使って飛びたかったんだ。でも、興味があるから先にヨトゥンに乗せて貰うよ」

「わたくとした事がこれははやとちりをしてしまいました。ですが主様に乗って頂けるようで幸いです。きちんと捕まりましたか?」

「うん」

「大丈夫です」

「では、空の旅に御招待します」



 そう言うとヨトゥンはふわりと浮いた。垂直に。もしや重力か!?闇魔法チート過ぎるだろ!!


 20mほどの高さになるとヨトゥンは翼を広げた。普段は鋭利そうなヒレっぽい翼だが、広げた瞬間にわさっと他の鳥と同じような羽が飛び出た。


「後ほど主様には手ほどきをさせて頂きますが、闇魔法で重さを無くし風魔法で上昇しました。ここからは鳥本来の飛び方をさせて頂きます。捕まって頂いてる羽に刻印を刻んでおりますので、前からくる風には対処しています。少々怖いかもしれませんが、なれると楽しいですよ。では!」


 するとヨトゥンは体を下方向に傾け、地面に向かって加速!

 地面スレスレを舐めるように飛行し、徐々に高度をあげていく。



 すげーな。俺、今ペンギンに乗ってそら飛んでるよ。絵本の主人公かなんかみたいだな。



 じいちゃんが指を指しながら黄金の草原の地理を教えてくれる。

 これからは外に出られるんだ。きちんと覚えよう。

 南端の海を見て、エルバ家主催の市場に行って魚を買い昼頃一旦帰宅した。

 イカみたいなのが市場に有ったのだが、足をつまみ上げるとクリオネみたいに胴体の半分くらいまでグバァッと開いてびびった。

 母ちゃんに魚を渡して昼ごはん。

 ヨトゥンを焼き魚で労った。





 さて、午後の部である。

 教えて!ヨトゥン軍曹!!


「では、主様が御自分で飛べるよう指導させて頂きます。お爺様は闇属性が使えませんので今回は見守っていてください」

「後であのふわっとするのはどんな現象か教えてね」

「わかったー」

「では、主様。今話題に出た現象はどのようなものか解りますか?」

「闇属性の重力魔法であってるかな?」

「先程も軽く説明いたしましたが、闇属性にて浮かび、風を推進力と致します。私にはジュウリョクという名称は解りませんが、主様の口ぶりですと現象自体はご理解なされている様子。まずは主様単独でやってみてください」





 えーと、精霊語でいいかな?


『闇よ、我が重さを払いのけよ』


 これで俺の体の重さは無くなったはずだ。


 体が軽くなる。軽くジャンプしてみるとふわーんと浮き上がり、ふわーんと落ちた。

 なんでだ? 重さが無いなら落ちないはず……

  ああ、あれか。高校で習った気がする。地球側からも引っ張られてるんだっけ?



『闇よ、我が重さを払いのけ地との繋がりを断て』



 今度はちゃんと地面側の重力も打ち消したと思う。

 軽く飛び上がるとさっきよりも高く上がった。たぶん空気を押しのけているから、際限なくとはいかない。際限なく上がったら死んじゃうか。

 風の影響が凄くてどこに飛ばされるかわからない……


 怖いから一旦低空に戻ろう。



『風よ我が意のままに吹け』



 両肩から少しずつ風が噴射されるイメージで魔法を展開。地面スレスレでカウンターを噴射。

 どうもイメージ通りとは行かない。

 ちくせう。アニメのにわか知識じゃ難しいかな?



「主様、どうですか?」

「自由自在とはいかないね。服と靴に紋章刻印を刻んで風を出した方が安定するかもしれない」

「今回は教えがいがありませんね。ですが、紋章刻印を刻むのは良い判断だと思います。ただ、普通の素材では高速飛行は出来ませんね」

「そうだねー。あ!!」

「どうなさいました?」

「いや、後で説明するよ。ただ、この方法で長時間飛行は控えた方がいいみたいだ」



 俺の部屋に戻るとじいちゃんとヨトゥンに簡単な重力の講義をした。

 その間俺は某戦闘民族よろしく重力を1.5倍にして体を少しイジメた。


 宇宙飛行士の話を思い出したんだ。

 無重力では筋力が下がるってやつ。




 という訳で、じいちゃんに装備を作って貰った。

 実験装備なので、木の板に紋章を刻んだ物を靴と体に紐で巻き付けた。


 のだが。

 魔力を通すと発動するのでレスポンスは上がったのだが、如何せん実験装備。

 木の魔力耐久性が低いので弱い風しか出せない。ちょっと調子に乗ると木がボロボロと崩れて壊れる。

 これは現状ではどうしようもない。ドワーフの山にでも行けるのなら別だが。黄金の草原には余り魔力耐久性の高い素材は無いとの事。






 どうにか飛べるようにならないかなー?


 と、ここでククルスに電流はしる。


 重力だと色々問題有るけど、斥力で板浮かせれば某タイムスリップ映画の二作品目みたいな物が出来るのでは?



 まずはヨトゥン先生に魔法陣を教えて貰おう。


「ヨトゥンー」

「どうなさいました主様」

「斥力の魔法陣ってないの?」

「セキリョク?主様、前世の単語では無く現象を説明してください」

「えーと、重力の反対の力?引き寄せるんじゃなくて、遠ざける力」

「そうですね。あるには有ります。おそらくは反対の力では無いかも知れませんが。取り敢えずそこの石に紋章を刻んでみますので、思った通りの効果かお確かめください」

「あいあい」



 ヨトゥンさん謹製のお石様は刻まれた紋章の真正面は力が発生しているが、浮かせようと思ってもなかなかバランスが取れない。

 うん。でもこれなら板にカーブを付けてバランス良く紋章を配置すれば浮くかも。


 という訳で、じいちゃんに斥力の説明と板の注文。

 器用さの高い草原の民。板の説明してからものの三十分(体感)で仕上げてきた。

 板の形は楕円形。足を乗せる面は平たく、固定用の縄が結ばれ、反対の紋章を刻む面はつるりとした丸いフォルム。


 しかし、如何せん木である。魔力耐久性が不安。

 ちょうど山の様子を見に出かけていた父ちゃんが帰って来て面白そうに眺めて居たので、使えなくなった金属類は無いかと聞いた。

 すると錆びた鉈と、黒い宝石のような物を持ってきた。


「父ちゃん、鉈は分かるけどこの石はなに?」

「おう。この石はな、闇属性の魔石だ。父ちゃんの冒険者時代の最後の獲物から出たやつでな。記念に取っておいたんだが、これを使えば父ちゃんも乗れるだろ?」

「そうなの?大事な物じゃないの?」

「金に困ったら売るくらいのもんさ。それに今は人族が戦争してるから金は当分入って来るから使え。そんで、出来たら父ちゃんも乗せろ」

「わかった。ありがとう。出来たら言うね」



 これは思わぬ収穫である。

 さて、後はヨトゥンえもんにお願いだ!


「ヨトゥンえもーん」

「主様は時々良く分からない事を言いますね」

「気にしないで。それでヨトゥン、錬金術で板をコーティングできる?」

「錬金術にとって金属の変形は初歩ですから。覆う際に紋章も刻んでおきましょう。魔石に関してはあまり明るくありませんのでお爺様も協力してください」

「紋章刻印と魔石は切っても切れないからねー。任されたよ」

「ん?そういえば、魔石ってどんなもん?父ちゃんの口ぶりから属性の適性が無くても使えるみたいな感じ?」

「魔石ってのはね。他に属性石なんても言われたりするんだけど、蓄えてある魔力を放出する貯蔵型と、その属性に注いだ魔力を変える転換型があるんだ。貯蔵型は自然に出来上がるから、この辺の土を掘っても風の貯蔵型が出てくるよ。弱い魔獣なんかも持ってることもある。転換型は強い魔獣からしか採れない。だからこの魔石を使えば僕も飛べるね。見た目は貯蔵型は石っぽいけど、転換型はこの通り宝石みたいに透き通っているんだ」

「変換した時に魔力の量はそのまま変換されるの?」

「いや、これがちょっと減っちゃうんだ」

「お爺様、金属で板を覆いました。魔石の加工をお願いいたします」

「うおっ。はやいねー。じゃあちょちょいとやってしまおう」



 見ると足を乗せる面は木のままだが、その縁から鉄に覆われている。

 じいちゃんがヨトゥンに注文をつけながら色々と加工をして1時間。

 やっと完成した。



「じゃあ説明するよ。こっちの闇の魔石を埋め込んだ所に足を置いて魔力を流すと闇の魔法陣。こっちの一部だけ鉄になってる所に足を置いて魔力を流すと風の魔法陣が起動するよ。風の魔法陣は数が多いから慣れないと大変かもね」



 さて、目の前には金属で覆われた板がある。

 緩やかなカーブを描く板の下部には中心に大きめな闇の魔法陣。それを囲むように等間隔に闇の魔法陣が12個並ぶ。更に外側には風の魔法陣がぐるりと刻まれている。前後左右に1つずつ大きな風の魔法陣があり、これで加減速と左右への移動が出来る。


 さーて実験!!

 と、行きたいところだが辺りは暗くなって来てしまった。

 今日はここまで。実験は明日にしよう。




イカ


皆さんご存知軟体動物。

煮て良し焼いて良し干して良し。触手プレイからなにからなんでもござれ。

時には大怪獣的な活躍もする。

良質なタンパク源です。そこの鍛えてる君!ささ身に飽きたらイカを食べよう!!

匂いはある物に例えられる。え?栗の花ですよ?

乾物はつまみや出汁にに良く使われる。肴は炙ったイカでいい。

ところで貴方が食べてるそのラーメン...スルメから出汁を取っているかもしれませんよ...

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