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首切り童子の異世界食道楽  作者: ぬるはち
プロローグ
2/41

転生神様のとこに来たんだが

 山の神様の電話からややあって。


 転生神様が紫だか黒だかわからん時空の穴っぽいとこからおいでになられました。

 容姿は爆発して欲しいくらいのイケメン。爆発しろ。


「えーとヤマサチヒコさんでよろしいですか?」

「そうです。先程申し上げたのがこちらの彼です」

「えーと、宜しくお願いします」

「わかりました。では記憶だけ抜かさせていただきますね。記憶だけでも会話はできるようにしますのであしからず。じゃ、ヤマサチヒコさんまた機会があれば」

「ええ。またよろしくお願いいたします」


 どうやら今俺は記憶だけらしい。むんずと頭を握られたと思ったらイケメン神の手に収まって時空の穴にぽーいされた。人魂デビューである。



 あとから時空の穴に入ったイケメン神に「ついて来て下さい」って言われたのでフヨフヨとついていく。



 時間の感覚が無いのでどれくらいフヨフヨしてたかは解らないが、だんだんと空に浮かぶ神殿の群れのような物が見えてきた。

 あんまり建築とかはわかんないけどギリシャっぽい。ゼウス降臨とかしそうな感じ。



 そのままフヨフヨついていくと何やらひときわデカイ神殿へ入っていく。

 急に振り返ったイケメン神。


「転生していただく際にはこの神殿で他の神達と質疑応答して頂いて居るんです。生まれた時の加護を決めるためですね」

「よくあるんですか?」

「200年ぶりなのでそこそこですね。皆さん気のいい神なので緊張しないでいいですよ。ちなみに普通の魂は前世の行いで加護を決めています。今生は異世界からの転生なので特別です。おそらく余程の事をしなければ次回は普通の魂と同じように輪廻を巡ります。ではこちらへ」



 少し開けた所へフヨフヨと躍り出た。振り返るとイケメン神は居なかった。

 バッ!と辺りが暗転。

 何事かと見回していると、明るさが戻った。

 いきなり大きな声が響く。野太い。腹に響く低音。


「ご趣味は?」




 …お見合いじゃないよね?



「えーと、食べる事と料理を作る事です。後はアニメとか音楽聴いたりですかね」


無難かもしれんが、本当の事だもの。


「音楽というのはどういった?」

 

今度は女性の声だ。


「前の世界でいうところのジャズとかロックですかね。一度弾いてみようと楽器を買ったのですが、簡単な曲しか弾けませんでした」



 何やらざわざわとした後、また何個か質問に答えた。質問が終わると暗転し、しばらく経って明るさが戻った。


「お疲れ様でした。加護の結果は生まれてからのお楽しみにしておいて下さい。では、私の神殿に向かいましょう」


 いきなり現れたイケメン神に面食らったが、慌てても仕方が無い。またフヨフヨついていこう。



 ままあって神殿に到着。


「ではこれより転生していただきますね。男女の希望はありますか?」

「男でおねがいします」

「承りました。では」



 そう言ってイケメン神は魔法陣のような物が刻まれた棒を手に取った。見た目は…すごく…バットです。どうしよう嫌な予感がする。よし、逃げよう。そうしよう。


 後ろから声が聴こえる。


「最後に私は輪廻と時空の神ウィルトと申します。では良い生を。吸引開始!」



 バットの魔法陣が輝く。物凄い勢いで吸い込まれる!

 フヨフヨと逃れようとするがだんだんと後ろに下がっていく。

 諦めて後ろを振り返るとイケメン神が一本足でバットを構えている!物凄いいい笑顔で!!



 タイミングを見計らいイケメン神が足を下ろした!打たれる!!


 ガン!!とバットに打ち付けられて飛んでいく。


「産まれてもぜってぇーお前だけには祈らねぇー!!!!!!、、、、」



 神殿には俺の叫びがこだました。










 で、気付いたら生まれてました。


 まだ目が薄ぼんやりとしか見えないが結構な数動く人影が見えるので家族は多いのかも知れない。








 数ヶ月たった。

 目は見えるようになった。布団の周りに柵のようなものが立ててあってベビーベッドの代わりみたいになっている。

 俺の名前はククルスと言うらしい。7歳くらいの身長の女の子がやたらと俺を見て連呼するからたぶんククルスであっているはずだ。

 これは軍から脱走して一つ目のロボットで岩を投げるフラグかな。

 そしてさっきから俺の名前を連呼してにやけている女の子が母親である。

 見た目7歳なのに母親である。まぁ正確には顔は少し大人っぽく、四等身くらいの丸くデフォルメしたような容姿だ。まぁ身長は完全に小学生だが。

 そう。つまり俺は彼女のチッパイを飲んで成長してるのである。ロリコン歓喜な状況だが、俺はそんな性癖は持ち合わせていない。

 出来ればもっと山あり谷ありなぼでーの25才くらいのお姉さんなら文句は無いんだが。

 まーそれはさておき。

 母親はさっきの容姿にエルフ耳、サラリとした金髪を後ろで一纏めに結っている。

 顔は可愛い。めっちゃ可愛い。こんな子供欲しいってくらい可愛い。

 俺が「あー」とか「だー」とか言うとにへらっと花のように笑う。

 マジで可愛い。


 次に父親は中々お目にかからないが(俺が寝てばかりいるせいもあるのだが)中々に将来が期待出来そうな美形のお子様だ。

 母親より少し高い身長。やはり小学生サイズ。四年生くらい。

 切れ長の目に淡い金髪を後ろの長い所だけ結っている。肌は母親より少し日に焼けている。

 もちろんエルフ耳完備。

 俺が手を伸ばすと嬉しそうによって来て笑いかける。


 さらに兄弟らしき人が複数居るが、言葉がまだ聞き取り切れず判明しない。







 一歳になった。

 最近はハイハイで家を探索している。

 なんとなく話が聞き取れるようになったのだが、兄弟だと思っていたのは俺の叔父さん達らしい。

 見た目じゃわかんないスペクタクルがここにある。

 まぁずっと子供の容姿のままらしいしね。

 ここ最近は母親と会話のトレーニングとハイハイ探索、それに魔力とかの感覚掴めないかなー?と思って色々やっている。

 よくあるじゃん? 転生物で幼少期から魔法のトレーニング。

 一応転生得点で水の魔力炉スキルがあるはずだから、体の中になにかそういう感覚的なモノはないかな?と色々うんうん唸っている。

 未だに魔法の才能は開花せず。






 さらに数ヶ月。

 魔力の感知に成功。

 その後数ヶ月。

 魔力の制御をちょっと会得。

 目に魔力を注いだら魔力が見えるようになった。

 俺の身体には水色の丸い魔力の塊と緑の塊と色のついていない塊とがあった。

 山の神の話では風の魔術適性が高い種族らしかったから、緑が風で水色が水、無色が純粋な魔力かな?

 とりあえずこの魔力達を別々に操る訓練を始めようと思う。






 2歳になった。

 会話は完全に聞き取れるようになったし、たどたどしいが喋れるようになった。

 母親の名前はアイナで、父親はカルロらしい。シローではない。

 よく家に遊びに来る叔父さんがマロウ。

 さて、すっかり忘れていたのだが、俺の転生特典である3つのスキル。

 魔力炉(水)と鑑定と後ひとつ。

 その内ファンタジー系スキルの定番といえばわかってもらえるだろう。


 鑑定である。


 自分に鑑定かければ自分のステータス見れるんじゃね?っていうのをすっかり失念していた。

 というか鑑定自体忘れてた。身体に引っ張られてんのかな。思考が。



 という訳でこの前マロウ叔父さんがくれた絵本から鑑定してみよう。

 いや、いきなり人体はまずいよ。うん。臨床実験大事。

 さて。どーしたらいいのかな? 声にだすのか?

 とりあえず念じてみるか。鑑定!!





 はっ!

 情報量過多でブラックアウトしてた。あぶねーな! 何このスキル。

 あれか?鑑定に気合い入れすぎたのか?

 表紙の紙がどこのどの木から出来たから何山の岩から作った顔料のインクどうこうが一気に来たからビビった。

 少しクールダウンして、あんまり意気込まずやろう。

 よし。鑑定。




 名称・・・・・草原の勇者の冒険

 種別・・・・・本

 状態・・・・・良好

 価値620G


 説明

 草原の民に人気の草原の勇者クラウチの活躍が描かれた絵本。

 草原の民の子供の多くがこの本を呼んで育つ。

 著者 ミル・アールト 制作 くさはら出版




 ふむふむ。

 うまくいったようだ。

 その後何度か試したが、気合の入れ方で情報量が違った。

 今後は普通に鑑定とちょっと気合の入った鑑定で分けよう。

 さて。窓の外を覗くとロバのようなポニーのような生物がみえる。

 我が家は一階建ての平屋だから鳥なんかは見えないが。

 仮称ロバとの距離は目測100m。

 鑑定してみよう。



 名称・・・・・アールブ

 種族・・・・・馬(草原農馬)

 状態・・・・・良好


 説明

 草原の民、カルロの愛馬。

 草原農馬とは草原の民が乗れるよう品種を掛け合わせて出来た農馬である。

 小さい馬だが、移動、運搬、農作業と活躍の場は多く、見た目に反してパワフル。

 総じて気性は穏やか。稀に風の魔力をもって生まれ、空中を数メートル駆けることも可能な個体がいる。




 予想以上にファンタジーだった…

 空中にジャンプ可能とか…


 まぁとりあえず臨床実験はオッケーだろう。

 馬で問題無いなら人で大丈夫なはず。薬とかじゃないし。

 しかし、案外、射程距離あるな鑑定。


 よし。

 自分の手に鑑定。



 名称・・・・・ククルス・アーヴィング

 種族・・・・・草原の民

 状態・・・・・良好

 スキル・・・・・魔力炉(水)、鑑定、食材断定、風の血統、平々凡々

 加護・・・・・狩猟神の加護(異)、豊穣と食の神の期待、遊楽と風の神の加護、輪廻と時空の神の戯れ


 説明

 草原の民、アーヴィング家の長男。

 草原の民にのまとめ役である三氏族の一つであるアーヴィング家の長男。

 草原の民の始祖の直系であり、風の血統アーヴィング家に生まれた幼児。

 金髪、目の色は緑。食欲旺盛なわんぱく坊主。




 え?

 うちの家族ってお偉いさん?


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